絶対って言葉 終 | さやみる推しのNMB妄想小説 別館
オペは順調やった
何度も何度もイメージして
何策も何策も色んな場面を考えたから
大丈夫や助けるんや

「朱里ちゃん…君は助かるんや」

ビィィービィィー!!

「何や!?」

(心拍数が!!)

「くそっ…」

(ここで辞めていた方が)
(そうです、また作戦を)
(このままでは患者が)

「そうやなじゃあ…あ」

   未練は一つでいい
  未練あったら死なれへんもん

「い、いや!
オペは続行する」

(先生!)

「必ず…絶対に!助ける!」






「ふぅ‥‥」

「後悔してんの?」

「みるきー‥‥」

「手術続けたこと」

「それは…」

「そうやんなぁ
1週間目覚めへんからなぁ」

「あぁ‥‥」

「大丈夫やって
あ、私休憩終わりやから行くな?」

「おぉ…さんきゅ」

目が覚まさないのは
俺の責任やろ
あのとき無理に手術を進めたから

(先生)
(な?大丈夫)
(頑張ってる先生カッコイイで)

何度も現れる君の笑顔
何度も聞こえる君の声

「絶対なんて…言うんじゃなかった」






「嬉しかった」












「え?」

振り向くとそこには
みるきーに車椅子を押され
酸素マスクを付けた君の姿

「なん、で‥‥」

「さっき目覚めてん
安静にって言うたけど
行くって聞かへんくて」

「朱里ちゃん…」

「私は行くな?
後は2人でね?」


「…気分は?」

「最高やで
今までに味わったことないほど」

「っ…」

「先生、助けてくれて
ありがとう…」

「俺は全然やった
絶対とか言うたことも
後悔するほど
自信がなくてそれでっ…」

「待って…
私は助かった
それは先生のおかげ
だから怖がらんとって」

そう言うとそっと手を握ってくれた

「先生…未練、なくして?」

普通手術終わりの患者は
顔は白く
どれだけ綺麗な人も
綺麗やとは言われへんのに
目の前にいる君は
明らかに綺麗や

「朱里ちゃん…」

俺はしゃがんで
朱里ちゃんと同じ目線に

「好きやで」

「朱里も…好き」

「大切にする」

ゆっくり抱きしめて
少し離れて
マスクを取って
ゆっくり唇を合わせた
そしてもう一度抱きしめた

「幸せにする
守ってやる…」

「うん…」

「だから俺の彼女になって?」

「うん、なりたい…」

「朱里ちゃん」

「…なに?」

「…フフフッ」

「え?」

「幸せにする





絶対に」



END