さて、前々回に引き続き小学校での巡回授業。→前々回の記事★
今回のテーマは
『将来何になりたいか?』
"ماذا تريد أن تصبح في المستقبل؟؟"
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イスラム社会では女の人は中学、高校を卒業したら結婚して子供産んで、家にいるのが当たり前だという考えがまだまだ多い。
貧困家庭ほど早期婚であると感じる。(14歳くらいから学校やめてまう。)
そんな社会で、”女の子たちでも夢を持って欲しい。”とアマーニー校長が言っていた。
私も、実際には叶わない生徒がほとんどかもしれないけれど、今くらいは夢見ることをさせてやりたいと思った。
何になりたい?何が好き?どうして?
こうマナール先生が質問して、キラキラした笑顔で答える子どもたち。
『お医者さん! 理系の技術者! 歯医者さん!』
日本の子どもたちの将来の夢とはまた違う職業。
ケーキ屋さん、花屋さん、アイドル、スポーツ選手…こんなものは全く出てこない。
ヨルダンはなりたい職業=給料がいい職業なのだ。
そしてそもそも、彼女たちが知っている職業自体が少ない。
クラスのほとんどが医者の絵を描く。
複雑な気持ちだった。
しかも、私が黒板に例を示したら、全員それを写してしまう。
これは子どもが悪いのではなくて、そういう先生の絵を写すという画一的な美術しかしてこなかった所以である。
もうなんだか、自分の力量不足だなぁと凹んだ。
もっと言葉ができたら、子どもたちのワクワク引き出せたのかな…。
※ちなみに友達に”何語で授業してるの?”と質問されたのですがアラビア語です。
* * *
私は、ヨルダンで言葉の不自由な状況で教壇に立ち、初めて気づいたことがある。
それは、”今まで子どもたちに対しての声かけを大事にしていたんだ”ということ。
子どもたちのワクワクを引き出したり、やる気にさせたり、叱ったり…とにかく自分自身の言葉で勝負していたんだと。
言葉ができない今、もっと子どもたちにこう声をかけたいのに…!
…こうやってモヤモヤしてばかり。
私は美術教師としてまだまだヒヨッ子だ。
もっと勉強しなくちゃ、経験積まなきゃ…。
だって、
子どもたちをワクワクさせたい。
キラキラな笑顔に出会いたい。
日本でも、ヨルダンでも一緒。
子どもたちのために、自分自身が学び、成長していかなければ!
イスラム教の女の子だって、日本人の三十路女だって、やっぱり夢や目標もたなくちゃね