「今日も元気だ、タバコがうまい!」
JTの前身である専売公社時代の宣伝文句です。
体調が悪いと香りがよくわからず、タバコに限らず食事や飲み物が
美味しいと感じられないのは皆さんもご経験があると思います。
私は風邪の時は香りを楽しめないので、喫煙はお休みにしています。
体調が良いと香りや旨味をよく感じられて、タバコが美味いと思える。
そういった事実をまとめた名文句だと思いますが、今や批判の的と
なりそうですね。
もっともこの文句を広告にする必要はないような・・・・販売に
繋げるならば漠然と「喫煙」よりももっと「銘柄」を推すべきだと
思うのですが。
さて調べてみると、中曾根内閣時代の衆院予算委員会でこの広告が
問題視されていました。
野党議員から「広告がけしからん、煙草は健康に有害である」と
専売公社総裁を委員会に召喚し広告文を変えるようにと迫りました。
さらに当時の厚生大臣であった渡部恒三議員にも矛先が向けられ
ました。
その際に渡部大臣が
「『今日も元気だ、煙草がうまい』という広告は誇大広告でもなんでも
なくて、本当にそうだと思います。
私も元気なので、今日も煙草がうまい」
などと答弁したので野党からはさらに追及され、議場がかなり荒れた
ようです。
別に間違ったことは仰っていないのですが、厚生大臣という国民の
健康に関わる役柄の人の答弁としてはマズかった言えるでしょう。
恐らく万事極端な現代だと、辞任にまで追い込まれてしまうのでは
ないでしょうか。
ただこの時に、この時代らしいエピソードがもう一つ伝わっています。
当時の官房長官であった後藤田正晴議員は、渡部大臣と野党の
応酬の最中に、予算委員長に断って議場を出ていこうとしました。
その際に「どうも煙草がまずい、外へ行って吸ってくる。」と呟かれた
とのことです。
当時政府委員席にいた佐々淳行氏の著書「わが上司 後藤田正晴」
からの引用ですが、なかなかウィットに富んだ逸話だと思います。
昨今はとかく政治家に対し極端に「清廉さ」が求められているように
見えます。
実際の世の中は正論や清廉さだけでは物事が回らないものですが、
政治の世界には妙に綺麗さを求めるのは不思議な期待を抱いている
ようで奇妙に感じます。
内政、外交、経済と清いだけでは上手く行かず、かと言って腹黒さ前面
では信用を得ることはないでしょう、清濁併せ呑んだバランスの良さを
支持すべきなのでは?とふと思うことがあります。
だいぶテーマがあちこち行ってしまいましたが、あんまり真面目になり
すぎて自分や周りを息苦しくしないようにバランスよく物事を見られる
ようにしたいものです。

