Nの才能 | オーストラリアでホームステイ 高1男子の2週間だけのハッピー体験記

オーストラリアでホームステイ 高1男子の2週間だけのハッピー体験記

夏休みにホームステイでオーストラリア シドニーへ行ってきました。 言葉、会話、ホストファミリー 、スクールバディ 、学校、ホストファミリーへのお土産、行くまでのこと、食事など書いていきます。

僕のホストファミリーにNのホストファミリー、Nと僕。

本当の最後のひと時を過ごしてる最中に見つけたU。


一人ポツンと体育館にいた。
Uは背が高くない。

スポーツが苦手なせいなのか、筋肉もあまりなく肩幅も小さくて小学生みたいな体型。

不安なのかキョロキョロしている。
だからか、すぐに目が合った。

嬉しそうにコチラに来る。


途中、Nの存在に気づいたようでビクッと固まっていたが寂しさには勝てなかったみたい。

明らかに僕らの方に来ることがわかったホストファミリーやN。


「なんで、アイツがコッチ来んねん!(日本語)」
NはUが大嫌い。
もちろんイジメたり無視したりはしない。

「オレと目が合ったから。(日本語)」

「なんで目を合わすねん!(日本語)」
八つ当たりされる僕。

お母さん
「彼もHの仲良し?」

仲良し?
いや、語学研修で初めて存在を知ったし。
いろいろ話し掛けてみたが、共通の話題がなかった。

Uに何か言われたり、されたりした訳でもないので嫌いでもない。

友だちとも言い難い。

しかし、この雰囲気の中で、友だちでさえないとは言えない。

さて困った・・・。


短い言葉だったのでNにも聞き取れた。
「Hとは違うけど、僕と同じクラスなんですよ。(英語)」

Nよ、フォローをありがとう!!

お母さんNに
「何て?  もう一度     言って    くれる?」
ゆっくりゆっくりとハッキリ口調で言ってあげてる。

日本の中学生用の英語のCDみたいな感じ。

Nは頑張ったかいがあり通じた。


Nは学校で結構やんちゃだ。

そんなNにUは苦手意識を持っている。
互いで嫌がってる・・・。


Uは僕の隣に来た。


一人でいたのでNが小声で
「コイツのホストファミリーはどこにいてはるんやろ?  トイレか?(日本語)」

だから英語で!とは今回に限って言えない。


でもお母さんは気づいてるかも・・・。
一人でいるっことはUかもって。


お母さんはジーっとUを見つめている。
三姉妹も同じ。



涙で目が真っ赤なままの末っ子ちゃんが
「あなたはU?」

多分、僕のホストファミリーは末っ子ちゃんの質問に拍手を送ったと思う。

U「はい。」


末っ子ちゃん、ガン見してる。

チラリと見ると、お母さんも上の二人も遠慮もなんもないって感じで、Uをジーーーーって見てる。



Nが異変を感じたようで変な顔してる。

Nのホストファミリーは、ほのぼの
『なにかなぁ?』って感じ。


Uはなぜ僕のホストファミリーからこんなにガン見されるのかわからないし、戸惑った顔してる。


お母さん
「シドニーはどうだった?    ホームステイの感想は?」

Uが僕の顔を見る。

なんで僕を見る?
いや気持ちはわかる。

でも、もうこれ以上印象悪くしなや。
ちゃんと返事しいや。
と、心で訴えるが聞こえるはずもない。


Uは聞き取れてるはず。

軽く背中を叩いて返事をそくしてみた。

U「楽しかったです。」


『末っ子ちゃん、するどい突っ込みはやめたってね』って僕の思いが通じたのか、誰も突っ込まない。

てか、誰もUの返事に反応してあげない。




こう言う空気を素早く察知し、流れを変えるのが上手なN。



リュックからポケモンカードを取り出した。

僕のホストファミリーに
「これ見てくださいよ。シドニーで買ったんですよ!」

声をかけられNの方を見るお母さん。

お母さん
「日本の方がたくさん売ってるでしょう?」


「日本のと違うデザインとかあるんですよ!」

下手な英語で頑張るN。
ゆっくり言ってあげるお母さんやNのホストファミリー。


Nのこう言うとこ羨ましい。
才能やな。

見習いたいけど僕には無理。


僕はホストファミリーのМクンに貰ったポケモンカードを出して見せた。

流れは重い空気から完全に変わっていた。


Uは黙ったままで、でもずっと一緒にいた。