釧路らしい朝霧がかった今日、釧路川河口に完成した耐震・旅客船ターミナルが第一船をお迎えしました。新ターミナルのはじめてのお客様は、これまで釧路港に何度も寄港した実績のある「ぱしふぃっくびいなす」という豪華客船です。


この新しいターミナルは私が釧路市長時代に計画・着工したプロジェクトでありましたし、今年3月11日に東日本大震災が発生したこともあり、感慨深い気持ちでターミナルの供用開始式典に参加させていただきました。


▼旅客船「ぱしふぃっくびいなす」を後ろに













 


さて、昨年度までは、釧路港に寄港する豪華客船は、とてもその華やかなイメージとはマッチしない中央ふ頭の貨物岸壁に係留していただいていました。


背の高い豪華着船のデッキから乗員・乗客の皆様が手を振りながら入港してくる時、視線の下には老朽化した倉庫の屋根があり、そこはゴメの糞で覆われてところどころ草が生えている有様でした。


釧路湿原に代表される雄大な自然の宝庫・北海道を楽しみに上陸するお客様のイメージが接岸と共に壊されるようでしたし、物流と観光の機能をしっかり区分けすうことも重要な課題でした。


▼釧路の新しい玄関口の誕生です






 

 

 

 

 

 

 

 

 


加えて、新しいターミナルには地震災害に強い港づくりという意義もあります。これまで釧路のまちは釧路沖地震、北海道東方沖地震、十勝沖地震など、大きな震災を何度も経験しています。


釧路・根室地域は、海溝型の地震防災対策を推進する地域として中央防災会議の指定を受けており、今後も大地震そして大津波に対する備えに万全を期さなければならない地域です。


いざ大地震が釧路・根室を襲った場合、陸上の道路網、河川に架かった橋梁、鉄道網が、物流・交通機能を大きく喪失する可能性が十分に考えられます。そのような場合に、緊急救援物資などの輸送機能を担うのが海の港です。


今回完成した新しいターミナルには、耐震機能を兼ね備えているために、普段はみなとの賑いの拠点として、災害発生時は緊急復旧活動の拠点として、釧路市民のために大きな力を発揮してくれることを期待しています。


釧路港では耐震岸壁に加えて、私が市長時代に全国に先駆けて津波スクリーン(愛称クーたん)も整備していますが、東日本大震災の経験を踏まえて、今後、防災対策の大前提となる想定地震や想定津波が見直されるものと思います。


防災対策に十分ということはありません。100%安全ということもありません。施設整備に加えて、ソフト対策や市民自らが行う避難訓練も含めて、地域が一体となった不断の努力が今後も必要です。


私も地域の安全・安心のために一生懸命に今後も取り組んでまいります。