ボクサーと刑事事件 | 石橋法律事務所のブログ

ボクサーと刑事事件

今日、元ボクシング世界王者の徳山昌守が傷害事件で逮捕された。



怪我をさせた被害者の方2名と早期に示談が成立すれば、勾留されずに済むか、あるいは勾留後まもなく釈放されるのではないかと思われる。



また、最終的な処分は、示談等が成立すれば、不起訴(起訴猶予)、悪くても罰金ではないかと思われる。



さて、私が、初めて公開の法廷で刑事事件の裁判を傍聴したときの被告人は、ボクシングの元日本チャンピオンだった。



ボクサーを引退した後、ヤクザの用心棒をしていて、傷害事件を起こしたというような事件だったと記憶している。



職業としてのボクサーという仕事は、①引退後の仕事や収入が安定していない、②周囲に暴力団関係者やそれに近い人が結構な確率でいるという2点において、引退後に道を踏み外してしまう人が多い職業の一つだと思う。



逆に、引退後の不安定さも影響してか、ボクサーには実家が非常に裕福であるなど、引退後の心配のない家庭の出身者が意外と多い。



世界チャンピオンにまでなれば、引退後も自らジムを起こしたり、トレーナーになったりと何らか仕事はあると思うが、日本チャンピオン、東洋太平洋チャンピオンレベルでは、なかなか厳しいところもある。



ところで、徳山氏の逮捕前最終更新のアメブロの記事「伝説2人が」を見ると、元世界チャンピオンで、現在は山口組系暴力団幹部の渡辺二郎氏と飲食した際のショットに収まっていた。



渡辺二郎氏といえば、羽賀研二の詐欺事件の共犯者であり、今年の4月1日に上告が棄却されて懲役2年とする大阪高裁判決が確定したので、まもなく収監を控える身である。



渡辺二郎氏に引き続いて徳山氏も逮捕されることになり、ある意味で「伝説のチャンピオン」になってしまった。



正に「君子危うきに近寄らず」であり、引退後のボクサーは、付き合う人をよくよく考えた方がよい。



まあ、弁護士と付き合いがあれば、逮捕されたときにすぐ呼べるので意外と便利かもしれないが・・・