実刑と執行猶予の見分け方 | 石橋法律事務所のブログ

実刑と執行猶予の見分け方

刑事事件で、実刑判決か、執行猶予判決かは、裁判官が判決を言い渡す瞬間までわからない。



しかし、



①外国人の被告人で、



②その被告人の在留期限(ビザ)が切れている場合



裁判官が判決を言い渡す前に、実刑か執行猶予かの予測がある程度つく。



というのも、在留期限が過ぎている外国人の場合、執行猶予になっても釈放されるのではなく、すかさずオーバーステイの外国人として入管に連れて行かれ、退去強制処分がなされるからである。



そのため、裁判所が在留期限の切れた被告人に執行猶予判決を言い渡す心づもりのある場合、事前に入国管理局に連絡を入れておくようである。



その結果、執行猶予にする場合は、傍聴席に入管の職員らしき服装の方(警察官ぽいがそのものではない)が2名ほど控えている。



逆に、実刑で入管に連れて行く必要がない場合は、入管の職員が控えていないことになる。



もちろん、入管の職員が控えていても実刑になる場合もあるようなので、100%とはいえないが、一応、法律実務家は(ペーペーで何も知らない弁護士でない限り)そんな心づもりで法廷に臨んでいる。



前に外国人の被告事件で、判決のときに入管の職員がいなかったので、すわ実刑かと落胆していたところ、執行猶予判決だったときがあった。



よく考えてみると、その被告人はまだ在留期間が残っていたので、執行猶予の場合にすぐに入管に連れて行かれる立場ではなかったのだった。