今週の中吊り誤字大賞は婦人公論 | 石橋法律事務所のブログ

今週の中吊り誤字大賞は婦人公論

土曜の中島知子の専属契約解除の件は、一部のスポーツ紙が相変わらず「マネジメント契約を解雇」などと非常に気持ち悪い言葉遣いをしていた。



さすがに朝日新聞、毎日新聞などの一般紙は、「専属契約を解除」と正しい言葉遣いだったが。



解雇と契約解除の区別がつかないのは論外だが、用語として頻繁に間違って使われているのは、「更正」と「更生」。



「更正」の意味は、誤り、ミスを正すこと。



例えば、判決の誤字、脱字を直すことを、判決の更正といったり、確定申告の内容が間違えていた場合に、更正請求する、といった使われ方をする。



語感としては、機械的に単純なミス(書き間違いであったり、計算間違いなど)を直す、というニュアンスがあるように思う。



一方、「更生」の意味は、よみがえること。立ち直ること。悪い生活態度が改まること。



例えば、刑務所の刑務作業で作った品物を販売する展示会のことを、「更生保護展」というし、会社の債務をカットして立ち直らせる法律のことを、「会社更生法」という。



そのため、不良が「こうせい」するというの場合の「こうせい」は、後者の「更生」の方を使う。



さて、今日、山手線で何の気なしに、雑誌『婦人公論』の中吊り広告を見ていたら、元JAYWALKのボーカルの中村耕一と、その内縁の妻の矢野きよ美の対談記事が予告されており、



<夫婦で3年間を振り返る>

「覚せい剤に負けた彼を、一生かけて更正させます」



とでかでかと書いてあった。



今や雑誌の校正能力も相当落ちてきているので、こういう間違いは日常茶飯事ではあるものの、やはり、中吊り広告を見るなり、とてもすわりが悪く感じた。



ただ、電車の中吊り広告は間違えていたものの、婦人公論のHPの次号予告の方は、きちんと更生の方に直されていた。



多分、外部から指摘されて直したのだろう。



肝心の雑誌の表紙の方が直っているかどうかは不明である(コンビニで婦人公論を立ち読みするほど暇人ではない)。



ということで、今週の中吊り誤字大賞は、婦人公論が見事受賞した。



婦人公論の校正の方には、更正と更生の区別がつくよう、是非更生してほしい(立ち直ってほしい、という意味で使っています)。