高校野球日本代表が台湾をサヨナラで下し、昨年に続き決勝戦に駒を進めました。日本の高校野球の
レベルは世界でも高いレベルにあり、毎年のように上位に勝ち進んでいます。そんな高校球児に感化された
わけではありませんが、また最近バッティングセンターにはまっています。
勉強という言い訳を含みながら楽しんでいるわけですが、バッティングをすることで毎日のように気づきが
あります。というのは、先日バッティングセンターに行ったとき、前日にハードにウエイトトレーニングをして
いたこともあり、筋肉痛になっていました。
今はボディビル的な、筋肉を作るトレーニングをしており、限界まで追い込みます。限界まで追い込むため
筋肉は緊張し、動き自体は硬くなります。結果的に次の日は筋肉は張り、日常動作をするときもぎこちない
動きになってしまいます。
そんな状態でバッティングを行ったわけですが、いつもと違う感覚になり、タイミングは合っているけど
スムーズにスイングできず、つまってしまったり気持ちよくバッティングするとはほど遠い結果になりました。
今日は、このバッティングについて体感したことを含めてウエイトトレーニングとの関係について書いていき
たいと思います。
■筋力を向上させてもバッティングが向上するわけではない
まず前提としてお話したいのが、筋力の向上=技術の向上ではないということです。高校生など、軟式野球
から硬式野球へと変わり、筋力が弱いため硬式のバットが自由に扱える筋力がない場合、この式は成り立つ
ことがありますが、基本的には技術を向上させたい場合は技術練習をするしかありません。
また今日の話の中でウエイトトレーニングをしたからといって技術が低下するわけでもありません。ただ、
ウエイトトレーニングの仕方によっては緊張を獲得し、それによってスムーズなスイングができないために
バッティングに影響することがあります。
■気持ちよくバッティングをするにはまずリラックスすること
プロ野球選手がホームランを打ったときの映像を見ると、いとも簡単にホームランを打っているように映る
ことがあり、ボールがピンポン玉のように見えることがあります。なぜなのようなことが起こるのでしょうか?
バッティングは、バットを構え投手の投球動作に合わせてタイミングを図り、下半身から順に骨盤、体幹、
肩、腕、手、バットという順で力が伝わり、その合算した力がボールへと加わり、ボールは遠くへ飛んでいき
ます。
構えからバットを振り出す際、高いところから振り下ろすようにすることで重力加速度を利用することができ、
スイングスピードが上がり、ヘッドが走るように出てきます。
ボールを遠くへ飛ばしたいと思って力を入れてしまうと、力を入れることでブレーキがかかってしまい、詰まっ
てしまったり、遠くへ飛ばないということが起こります。力を入れることでスイングスピードは落ちてしまいます。
ですが、リラックスをしてスムーズにスイングできたとき、スイングスピードは力を入れるよりも速いため、
ボールはより遠くへ飛んでいくことになります。これがプロ野球選手で見る、軽く振っているように見えるけど
スタンドに入ってしまうという見え方になります。
●力を入れることでスムーズなスイングができないため、スイングスピードが落ちる
●リラックスをすることでスムーズにバットスイングができスイングスピードは加速される
感覚的に力を入れることでボールは遠くへ飛んでいきそうですが、実際は真逆になってしまいます。
リラックスすることが重要だといわれることはこのようなことがあるからなんですね。
これは投手にも言えることで、リラックスして動作を行うことは野球選手にとって大切なことになります。
■ウエイトトレーニングをしたことでバッティングが悪くなった理由
上記のことから、少しイメージされた方もいると思いますが、ウエイトトレーニングを目的もなくただ重いものを
持ち上げるようなことを続けていれば、野球には活きず、ただ緊張を獲得してしまうだけになってしまいます。
緊張を獲得すればスムーズなスイングができず、バッティングに対してマイナスになることがあります。
再度お伝えしますが、ウエイトトレーニングが問題なのではなく、どのように行うか、そのやり方が問題で
ただ重りを上げ下げするだけでは野球に活かすことは難しくなります。
実際にバッティングセンターで経験したことは、スムーズにバットが振れないぐらい筋肉が緊張していたため
いつもとは感覚が違ってしまい、タイミングもいつもと違っていました。
このように、ウエイトトレーニングのやり方によってはバッティングに影響が出てしまうことがあります。
■自然と練習量が増えるような指導をする
日本の野球でしばしば議論になるのが、精神論で野球を行ってしまうことです。例えば、練習にしても
やればやるだけいい、とにかく休まず追い込むというような風潮がまだありますが、実際のところはどうでしょうか。
確かにスキルや身体の動かし方の習得は何度も繰り返す必要があります。何度も何度も行うことで身に
ついていきますが、その前提としてあるのは目的とした動きができているかどうかです。
よくなりがちなのが目的の動きよりも、とにかく数をこなすことが優先されることがありますが、もし間違った
動きを反復することでその動きが身につくことになります。
今でもバッティングセンターに行くのは、やはり打つのが楽しいからですし、野球人生の中で今が最も打て
ますし、本当に楽しいです。楽しいからたくさん打ちますし、気づいたら300球打ってしまうこともあります。
それでもまだ打ち足らないような感覚になることもありますが、選手に感じていただきたい感覚はこの感覚
です。気持ちの良いスイングができて、気持ちよくバッティングできれば練習量も増えます。そんな環境を
作ってあげるのがトレーナーや指導者の立場になるのだと思います。
少し話が反れてしまいましたが、ウエイトトレーニングをする際もどのような目的を持ち、どのように行うかで
バッティングに影響することがあります。ウエイトトレーニングをするにしてもどのように行うのか、そのあたり
を考えながらする必要がありそうですね。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?ただウエイトトレーニングをするだけだと筋肉はつくかもしれませんが、それを野球
に活かすことは難しくなります。そのあたりを知っていただけたらと思い書いていきました。
今日の内容をまとめていきたいと思います。
●筋力の向上=技術の向上ではない
●ただ、自由に硬式バットを扱えない筋力しかない場合、筋力の向上が技術の向上につながることがある
●気持ちよくバッティングするには、まずリラックスすること
●ウエイトトレーニングで緊張を獲得すればバッティングに影響することがある
●気持ちのいいスイング、バッティングができれば自然と練習量が増える
●トレーナーはその環境づくりをしてあげることも必要
というような内容でお送りしていきました。僕は今でも野球が好きですし、とにかく野球は楽しい。その感情を
大切にして、選手たちにもその感覚を味わってもらいながら成長していってもらえたらなと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
自分史上最高のカラダとココロに。
それが、Izuru Style・・・








































