メンバーは日本の伝統食材を100年先にも伝えたい、
と熱い想いを持った老舗の蔵元や生産者の跡取りたち。
京都は宮津の飯尾醸造さん、
和歌山御坊の堀河屋野村さんの訪問に続く
HANDRED訪問の旅、第三弾。
小田原の鈴廣かまぼこさんにお邪魔してきました。
江戸時代から続く老舗です。
職人さんたちがかまぼこを作っている様子が
間近で見られます。
この「古今」は全て職人さんによる手作りの最高級品で一日に作れる数は300本とのこと。
その他のスペースでは様々な展示が・・・。
かまぼこを作る過程やその美味しさの秘密を学ぶことができます。
一般的なかまぼことは原料や製法が違います。
1本のかまぼこには約7匹の魚が使われています。
魚種や資源は限られているので、シログチ、ムツ、オキギスなどの適した魚を組み合わせてそれぞれの長所を生かすといいます。
そしてその魚の身をさらすのに重要なのが「水」です。小田原の水は富士・箱根・丹沢連山からのほどよくミネラルを含んだ伏流水。
鉄分をほとんど含まないので白くツヤツヤなかまぼこを作るのには最適だそうです。
もう一つ、大切な原料は「塩」。
それも海水から作られた塩田天日塩を使用しています。ほかの塩に比べてミネラルをたっぷりと含んだ塩がかまぼこの弾力としなやかさを生み出します。
この塩が味と食感の決め手になるのです。
そして一般的なかまぼことの圧倒的な違い。
それは化学調味料や保存料は一切使用しないということ。色付けに使用するのも天然素材というこだわりです。
保存料を使わずに日持ちさせるには、様々なご苦労があるということは想像に難くありません。
かまぼこ博物館のリーフレットに、こんな一節がありました。
「食するとは、たべもののいのちをいただくこと。
かまぼこ屋の仕事は、お魚のいのちをお客様のいのちに移しかえること。」
そういう思いがあるからこそ、化学調味料や保存料に頼らず
魚の美味しさを大切にされているのでしょう。
その後、かまぼことちくわの手作り体験をしてから、
鈴廣かまぼこさんの本社建物を見学させていただきました。
空調には年間を通して温度の安定している地下水を使用されています。照明も一部は光ダクトから太陽光を取り入れています。そして、もちろん太陽光発電も。
そんなハイテクな建物ですが、内装は木材をふんだんに使った落ち着いた雰囲気です。床材にも小田原の山から伐採したという木が使われていました。
このように自然環境を大切にされる老舗だからこそ、
美味しいかまぼこも生まれるのだと思います。
かまぼこ、といえば魚ですが
その魚を加工するには地下水や天日塩が必要となり
成型したり蒸したりするには木の板が必要です。(木の板は保存性を高める効果もあります。)
自然のめぐみから作られる、とも言えるのでは?
そんなことを実感した一日でした。
お忙しい中、お時間を作ってくださり
本当にありがとうございました!
*今回のツアーの写真も
スタジオヘスティア代表の浅香智子さんに
撮っていただいたものを一部使用しています。
智子さん、今回もどうもありがとう!