子どもの課題について大人の提案 | アイループ パソコン修理日記

アイループ パソコン修理日記

大阪市阿倍野区のパソコンショップ「アイループ」における修理記録をつづります。

子どもにとって最良の課題は?その課題をこなす方法は?

店に子どもが寄り付く関係で、学校の課題や夏休みの自由研究の題材についてアドバイスを求められることがあります。難しいのは子どもにとって、何をどう調べるのが「勉強」になるか、ということ。僕は過去にこんな提案をしています。

◆課題◆
「歴史上の人物を誰か選んで自由に調べなさい」
…という課題が出たらしい。

「あんちゃん、何調べたらエエの?」「とりあえず、好きな戦国武将とかおらんのか?」「うーん、真田幸村とか?」「お、それでエエやん。真田幸村ってどんな武将なん?」「うーん、よぉわかれへん。」

(・・・な、なんだそれwwwまぁいいや^^;)

「ほんで、どうやって調べるつもりなん?」「パソコンとか」「ほう…ウィキペディアか?」「うーん、よぉわからん。」「おいおい(笑)、パソコンの画面を丸写しとかしたらアカンで?」「うーん・・・」

この子はだいぶ優柔不断らしい。方向性が定まってないね。どっちにしても他の人と被らないものがよかろう。もちろん、画面丸写しは単なる時間の浪費です。

「そういや、すぐ近所に北畠公園あるやろ?あっこに『北畠 顕家(きたばたけあきいえ)』って武将のお墓があるんやけど、それ調べてみたら?」「北畠公園なら知ってる。」「そそ。そこのお墓に書いてあることとか、読んだことあるか?」「ない。」「それ書き写して、写真撮ってくるといいよ。足利尊氏は知ってるよな?それと同じ時代の武将らしいで。」「うーん、そうだなぁ…」

「それか、すぐそこの阿倍王子神社行ってもいいかも。安倍晴明とか知ってるよな?陰陽師。占い師か霊能力者みたいなもんだ。神社の人に聞いてみれば、いろいろ教えてくれるかもよ。」「あ、それいいかも。」「よし、今すぐ行ってこい!」

つまり、パソコンで何でも調べられる時代に、あえて実地に足を運ばせることと、近所にある身近な題材をうまく活用させること。最初からパソコンに頼るな、これが現代の子どもに経験させるべき訓練と思われます。

◆課題◆
「夏休みの自由研究」

「おっちゃん、自由研究なにやったらいいかわからーん。」「(…いや、それは自分で考えろよ!…と言いたいところだが…)ん~、そうやなぁ。とりあえず『おっちゃん』じゃなく『にいちゃん』か『あんちゃん』って呼んでくれ(笑)。で、炭酸ジュース振ってすぐ開けたらどうなるか知ってるか?」「プシュー!ってなる」「そそ、あれジュースから空気みたいなのが出てきてるやろ。」「うん、炭酸出てくる。」「(炭酸って言葉はわかってるみたいやな、よし。…)その炭酸がどれくらい出てくるか、それ調べたら?」「うーん…」

「500ミリのペットボトルに入ったサイダーみたいなの買ってきて、どれくらい炭酸が出るか調べるんや。野球のボールくらいか、サッカーボールくらい出てくるのか、おもしろそうやないか?」「うんうん。」

「例えば、冷蔵庫でよく冷やしたサイダーのフタを開ける。できるだけ空気を抜いたビニール袋を口に取り付けて、輪ゴムでしっかり縛る。ほんで2~3分くらい振って炭酸を出す。」「うん。」「完全に炭酸が抜けるまで1時間くらいそのまま置いとく。あとはビニールの中に飛び散ったジュースは元のペットボトルに戻してあげると、膨らんだビニールの中は炭酸だけが入った状態になるね。」「うんうん。」

「輪ゴムを取ったら、そのビニールに入ってるのは炭酸だけや。今度は輪ゴムでビニールの口をしっかり縛ったら、炭酸だけゲットできるよな?」「うんうん。」「お前の頭の隣にそのビニール置いて、一緒に写真撮ったら比べられるやんか?」「なるほどー。」

「でも、これだけだと出てきた炭酸が何ミリリットルかわかんないよな。」「うん。」「でっかい鍋持ってきて、その中に小さい鍋を入れる。小さい鍋に水をこぼれないくらいギリギリに入れる。で、炭酸の入ったビニール袋を水に完全に沈めたら、でっかい鍋に水がこぼれてくるよな?そのこぼれてきた水が何ミリリットルか測れば、それが炭酸の量と同じになるってのはわかる?」「???」

さすがに計測方法は、口頭ではちょっと難しかったか?あとで図で説明してあげたら、どうやら理解してくれたらしいです。小学校高学年の自由研究といえども、写真を撮って終わりだとさすがにレベルが低いので…やはり計測までさせるべきでしょう。

「炭酸の量がわかったら、最後にビニールの口を縛ってる輪ゴムを外して、中の炭酸をちょっとだけ吸ってみよう。死にゃせんけど、ウゲッてなるで(笑)。ちゃんとそれも書いておくように♪」

…えっと、正確には炭酸ガスが水に溶けることとか、温度の関係とか、計測方法が正確でないとか、いろいろツッコミ所はあります。ただ、これは小学校の自由研究だからね^^;。理科は普段なにげなく、当たり前だと思ってる現象に疑問を持って調べることが、その子の能力を伸ばすカギになります。



これから小学校は夏休みです。毎日ちゃんと店開けないと、子どもたちからクレームがくるんで…がんばります^^;