「オタクが人気者になれない理由」を読んで | アイループ パソコン修理日記

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大阪市阿倍野区のパソコンショップ「アイループ」における修理記録をつづります。

オタクが人気者になれない理由
http://www.blog.net/nerds-jp.htm


だいぶ古い記事らしいですが、初めて見つけました。非常に興味深い内容で、読みながら2時間ほど考えさせられました。タイトルは「オタクが人気者になれない理由」ということですが、教育現場においていじめが発生するメカニズムについても詳しく語られています。


「自分の評価」というのは、実は自分が付けるのではなく、他人に付けられるものである…という感じで理解していたのですが、頭の中でモヤモヤとしていたものを鋭くまとめてくれた感じがしたのでブックマークしました。



今日、いつも店にくる中学生男子から「将来の目標が特にないので、いつ死んでもいい気がする」という話を聞きました。あなたが親だったら、彼に何とアドバイスするでしょうか。彼は特に死に対して願望があるわけではないので、変な心配は必要ありません。気になったのは、彼に限らず、同じように目標を失っている(あるいは目標が見つからない)10代が多い気がするのです。



アイループ パソコン修理日記-将来の目標は?


自分はどうだったかというと、中学生の時は彼と同じように、特に定まった目標も無く部活に明け暮れる毎日でした。もちろん、大人になった今だから言えることではありますが、中学生で既に将来の目標が具体的に言えるようなやつなんてほとんどいません。将来自分はこんな職業に就いて、何歳のときにどんな役職に就き、どれくらいの収入を得て、いつ頃結婚して…なんて具体的に語れる中学生がいたらある意味でキモいです。「将来の目標なんてそのうち出てくるものだ」と、彼にはそう伝えておきました。


ところが話はこれで終わらないのです。彼が今後、高校生、大学生、社会人と成長していったとして、そのときに自分の将来について具体的に語れないのではないかという心配があるのです。例えばここに25歳の人物がいたとして、彼に「10年後の自分について具体的に語ってみよ」と問いかけてみます。どんな返事が返ってくるでしょうか?


どんな経歴を経て、どんな職業に就いていて、どれくらいの収入があるか。貯蓄はいくらあるか、結婚しているか、子どもはいるか、車はあるか、家はあるか、毎月のローンの支払いはどれくらいか、最後に残った自分の小遣いはなんぼか。もし25歳の人物でこれらを語れれば大したもんです。少なくとも僕は、これらを全て具体的にこたえることはできません。


その中学生男子はパソコンが好きなようでした。少なくとも横から操作を見る限り、パソコンの素質があることくらいすぐに見抜けます。「パソコンは好きなんだろ?だったら絶対誰にも負けないってくらいパソコンにのめり込めばいい」と伝えました。


どんな会社にも、パソコンに詳しい人物が一人は必要です。その一人になりさえすれば、リストラの対象にはならないのです。そういう保守的な意味でも、パソコンを勉強することには大きな意味があります。


また、パソコンに詳しい人物は、どんな業界にも転職できます。転職が当たり前の時代だからこそ、20代で定職を決めてしまうのではなく、30代や40代になっても転職可能な状態を整えるためにも、やはりパソコンスキルが大事なのではないかと思うのです。ただし、中途半端なパソコンスキルではダメです。そんじょそこらの人には絶対負けないというレベルのスキルが必要です。



冒頭の「人気者になれないオタク」というのは、その後の人生において人気者になれる可能性を秘めています。いつまで経っても人気者になれないオタクも存在しますが、そもそもオタクというのは特定分野において高い能力があったり知識武装をしていることが多く、それらを必要としている人からの人気を独占することができるのです。これがいわゆる職人であり、学者であり、スポーツ選手なのです。


厳しい話、彼はまだあまりにも未熟で、大人社会の中では役立たずであるばかりか、むしろ大人の足を引っ張る存在なのです。自分の存在意義がわからないのは無理もないのです。この中学生男子が自分自身の存在意義(アイデンティティ)を認識できないのは、まだ彼が社会の中で必要とされる人物でないことにあります


その後の人生でより多くの人たちに、より強く必要とされる人物になれれば、彼のアイデンティティは自然に作り上げられていくはずです。そうなるために、いま彼に必要なのは「勉強による知識武装」であり、「人間関係という社会勉強」なのです