アイループで常用しているツールと、パソコンスキルの指標 | アイループ パソコン修理日記

アイループ パソコン修理日記

大阪市阿倍野区のパソコンショップ「アイループ」における修理記録をつづります。

パソコンをある程度使えるようになると、便利で役に立つツールの存在に気付くことがあります。この手の話に詳しく無い方は、ぜひコンビニでパソコン系の雑誌を手にとってみてください。コンビニには難しい本は少なく、比較的簡単な内容が書かれている雑誌が多いものです。


例えば…ワード・エクセルの使い方のコツ、(私的な)DVDコピーの方法、フリーソフト(無料)の紹介などが多いです。特にフリーソフトに関しては、PCスキルを一般レベルから中級レベルに飛躍させる際に、避けて通れない内容が盛りだくさんです。パソコンの設定を改善するソフト、高機能ブラウザやメールソフト、動画ダウンロードソフトなど、ぜひとも挑戦していただきたい内容となっています。


さて本題、アイループ店長も初めてパソコンを手にした頃から現在まで、およそ数百種類(?)のフリーソフトを利用してきました。そのうち現在でも愛用しているフリーソフトは50種類を超えます。個人的に利用しているソフトまで挙げるとキリがないので、パソコンメンテナンスなどの業務関連で利用しているソフトを中心に、以下で紹介していこうと思っています。ただし、基本的に中級レベル以上向けのソフトが多いので、一般向けではないとお考え下さい…(^人^;)。


◆DriverMAX

デバイスドライバを抽出するソフトです。OSで標準搭載していないものに限定して抽出する機能があり、特にXPのデバイスドライバ収集には欠かせません。使用頻度高。


◆GOM PLAYER

XPには標準でDVDビデオを再生する機能がありません。それを補填する役割を担う動画再生ソフトです。DVDビデオ以外に様々なコーデックを積んでいるので、動画再生全般で威力を発揮します。


◆Lhaca

ファイルの圧縮・解凍を行うソフトです。他にもいろいろありますが、店長はこれを愛用しています。詳しい説明は省きます。


◆Javaランタイム

「アイループの店内カメラが見れない」とか「ヤフーオークションの詳細な残り時間が見れない」というクレームを避けるためにインストールしています。


◆Office2007互換パック

「友人からメールできたファイルが見れない」というクレームを避けるためにインストールしています。Microsoft Office 2003 がインストールされているパソコンで、同Office 2007 で作成されたファイルを開くことができるようになります。


◆Silverlight

「ヤフーニュースの動画が見れない」というクレームを避けるためにインストールしています。


◆XP用メイリオフォント

Vista以降のパソコンでメイリオを使用して作成されたファイルをXP等で開いた際に、フォントが無いことでレイアウトが崩れる問題を解決するためにインストールしています。


◆すっきりデフラグ

メンテナンスの最終段階で、チェックディスクとデフラグを行うために必ず利用しています。チェックディスクのあとに手動で不良セクタの有無を確認することができるので便利です。不良セクタはXPなら[マイコンピュータ→右クリック→管理→イベントビューア→アプリケーション→Winlogon]でチェック。使用頻度高。


◆Adobe Reader

PDFファイルを表示できるようにインストールしています。


◆窓の手

画面の表示速度など、一部項目を調整するために利用しています。使用頻度高。


◆CCleaner

不要ファイルの削除、および不要レジストリの削除で利用しています。特に不要レジストリの削除は重宝していて、ウイルス対策ソフトをアンインストールした直後などに使用すると効果的です。使用に関しては注意が必要で、必ず「再起動→起動後に安定したら不要レジストリ削除→すぐに再起動」というプロセスを踏みます。これを誤るとレジストリがダメージを受ける可能性があります。使用頻度高。


◆DeepBurner

XPは標準でDVD書込みに対応していませんが、このソフトでDVDに書き込めるようになります。ただし、DVD書込みに対応した光学ドライブを搭載していることが条件です。


◆DriveAnalyzer

パソコン内の、どのディレクトリ(フォルダ)がどれくらいの容量を食っているか、調べ上げるソフトです。ハードディスクにたくさんのデータがあるが、どこにどれくらいのデータがあるかわからない、そういう方が非常に多くいらっしゃいます。使用頻度高。


◆Everest Home Edition

パソコン内のハードウェア構成を調べ、デバイスドライバを探すための一助となります。一般人には全く不要と思われるツールですが、私はしょっちゅう使います。


◆SlightTaskManager

特定のプログラムが暴走しCPU使用率の大半を占めている場合、XP標準のタスクマネージャではプログラム名(○○.exe)までしかわかりませんが、そのプログラムがどのディレクトリに存在するかを表示できます。これによって、プログラム名だけでは何のソフトかわからない場合でも、その場所を特定して削除できるなど、解決策の糸口を見つけることができます。


◆CrystalDiskMark

ハードディスクの書込速度、および読込速度を調べる際の定番ソフトです。様々な世代のパソコンについて、パソコンの体感速度を決定する要因の一つである「ハードディスク転送速度」を調べることで、そのパソコンが機械的な性能に対して妥当な体感速度が得られているかどうかの判断が下せるようになります。パソコン技術者として一人前になるためには、このようなソフトで日々研究する必要があります。


◆Adobe Flash Player

「YouTubeが見れない」というクレームを避けるためにインストールしています。


◆Paragon Drive Backup

ハードディスク内のデータを、イメージとしてまるごとバックアップ・復元ができます。他にもMBR損傷、MBR矛盾などで起動しなくなったパソコンを調整する際にも役に立ち、緊急起動ディスクの代替として利用できます。


◆portier

デスクトップ上にショートカットを置き、それをクリックするだけでCD/DVDドライブを開閉することができます。一見ムダなソフトのように思えますが、実際はCDドライブの開閉ボタンが非常に押しにくいものや、開いたはいいが閉じる際にボタンが押せないタイプのパソコンなどが多数あるため、必要と判断した際にはインストールすることにしています。


◆Tripcode Explorer

CPU使用率を意図的に100%にすることができます。例えば「使用中に突然電源が落ちる」症状を示すパソコンについて、それが熱暴走によるものかどうかを特定する際に使用します。


◆SpeedFan

ファンの回転数を制御したり、ハードウェアの温度表示を行うソフトです。上のTripcode ExplorerにてCPU使用率を上げ、それに伴ってCPUの温度がどれくらい上昇するか、それを冷却するためにCPUファンや他のファンがどれくらいの回転数で回るか、それらを分析する際に使用します。ファンの回転数を制御できるため、過去にノートパソコンのCPUファンが異音(軸ズレ症状で一定以上に回るとうるさくなる)を立てているパソコンについて、ファンの回転数を下げて異音を抑えるといった修理ケースがありました。


◆AVG

無料のウイルス対策ソフトです。非常に強力でパソコンの動作もそれほど遅くならず、トラブルが少ないので、現在アイループで最も推奨しているウイルス対策ソフトとなっています。ちなみにウイルスが見つかったときの処置として、【駆除(修正)】と【削除】の違いは必ず把握しておいてください。蛇足ですが、推奨できないウイルス対策ソフトは…ノートン、マイシールド、キングソフト、セキュリティエッセンシャルズなどです。主な理由は重たいからですが、設定が難しくて中級者以上向けだったり、任意停止できなかったり、誤検出で必要なデータを勝手に削除されたり、いろいろ恨みがあるからです。使用頻度高。


◆Avast

無料のウイルス対策ソフトです。非常に強力で軽いのは上のAVGに匹敵するのですが、「シャットダウンしています…」の画面から先に進まず電源が落ちない、という症状が多数出たため、当店では推奨を見送っています。使い方はわかりやすくて良いんですがねぇ…。


◆HDD-Scan

ハードディスクの不良セクタの有無だけでなく、その位置、および不良の程度まで分析できるソフトです。処理には時間がかかりますが、故障の疑いのあるハードディスクの精密検査が行えるため、お客様が壊れたと思っていたハードディスクが実は(機械的には)壊れておらず、単にパーティションが壊れているだけだったり、ファイルシステムが壊れているだけだったりした場合に威力を発揮します。OSが起動しなくなったパソコンについて、ファイルシステムが[不明]で、かつ不良セクタが無い場合は、そのハードディスクを他のパソコンにつないで、DOS上でチェックディスクを行い、ファイルシステムの回復を図ります。これで、何事もなかったかのようにOSが起動する例が多数あります。使用頻度高。


◆完全データ復元PRO(※有料ソフトです)

データ救出で、特に故障直前のハードディスクから救出を試みる際に使用します。軽度の論理トラブルであれば、Windows標準の方法でデータを救出することができます。ゴミ箱から削除したなどの論理トラブルは復元しやすく、フォーマットしたりパーティション自体を削除してしまったなどの中程度の論理トラブルでも、救出できる可能性が高いです。問題は、軽度の論理トラブルと思って作業していて、途中で不良セクタや壊れたデータなどにぶつかるなどして読み取れないデータがあると、エラーが出てそこで停止してしまうため、救出時はパソコンの前で缶詰にならなければいけません。こういった読み取れないデータをスキップして次のデータに進んでくれるため、救出作業はかなり楽になります。有料ソフトですが職業柄、必要に駆られて購入した感じで、後悔はしていません(笑)。



いかがでしたでしょうか。専門的な内容が多いので、わけわかめ…という人も多いはずですが、アイループではこんな感じで研究活動を行い、それが日々の修理・サポートで威力を発揮しています。


ちなみに、フリーソフトにある程度慣れてくると、それを他の人にどんどん勧めていく方がいらっしゃいます。その行為自体は悪いことではないのですが、Internet Explorer にすら慣れていない人に Firefox や Google Chrome を勧めるのは良くありません。使い方がわからない場合に、助けを求められて困るのは"そのソフトを教えた人"なので…相手がそのソフトを使いこなせるかどうか、という判断が必要です。OS標準ソフトの代わりとしてむやみにフリーソフトを勧めるのは避けたほうが無難です。


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ちなみに冒頭で「PCスキルを一般レベルから中級レベルに…」と書きました。一体どれくらいのスキルが「一般」なのか、「中級」なのか、わからない方がいると思います。ここで私なりのレベル設定を以下に示します。(かっこ)内は参考として「パソコン累計利用時間を挙げます。


●初心者(~100時間)

マウスの操作が不安定で、ダブルクリックが確実ではない。全てのひらがなを入力できない。操作ミスが多発し、頭の中で思っている作業がパソコン上で実現できない。


●初級者(100時間~500時間)

ファイルとフォルダの違いが把握できる。右クリック→コピー、貼り付けなどの操作ができる。ファイル名を変更したり、フォルダ分けして、ある程度のファイル管理ができる。。ドラッグ&ドロップでコピーや移動をしようとすると、操作ミスでおかしなコピーファイルが多数できてしまう。ネット検索ができるようになるが、検索キーワードの選択やページ選定の精度が悪く、検索しても探している情報がなかなか見つからない。音楽CDをパソコンに取り込んだり、DVDビデオを鑑賞できるようになる。YouTubeなどで映像や音楽を楽しむことができる。プリンタの使い方がだいぶ把握でき、インク交換、枚数指定などができるようになるが、ときどき真っ白のページを印刷してしまったりする。


●一般レベル(500時間~2,500時間)

マウス操作はほぼ的確にでき、そこでダブルクリックをすべきか右クリックをすべきかの判断が無意識のうちにできる。ファイルを開く、閉じる、編集する、保存するなど、基本的な操作が正確にできる。同じパーティション内だけでなく、別パーティションや、USBメモリにも、ファイルのコピーや移動が確実にでき、それらのフォルダ構成を組み立ててファイル管理できる。音楽CDを空のCD-Rに複製したり、パソコン内に取り込んだ音楽をiTunesなどの音楽管理ソフトで適切に管理できる。各種のフリーソフトを利用してパソコンをカスタマイズしたり、圧縮・解凍、簡単な画像編集もできる。Google Earthで衛星写真を見たり、地図もネットで調べ、ブログやTwitterなどで情報発信もできる。ブラウザ上でプレイできる簡単なゲームはもちろん、アカウント登録が必要なオンラインゲームで複数のサブアカウントを作ってプレイできる。WEBサイトで利用するアカウント登録などの作業に慣れていて、通販サイトで買い物をするときもネットバンキングを利用して支払いができ、銀行残高の管理もWEB上で済ませる。メールではTOとCCとBCCの違いが説明でき、受信メールのフォルダ管理が適切にできる。WEBメールを利用して外出先でメール管理ができ、そのときに無線LANも適切に使える。いらないプログラムやデータを削除したりして、ハードディスクの空き容量を管理できる


●中級レベル(2,500時間~5,000時間)

キー入力の際は基本的にブラインドタッチをする。エクセルでは関数を利用して表を作り、そこからグラフを作るのは朝飯前、他人の作ったエクセルファイルの関数などを調べて表内の参照経路を把握できる。さらにこれまでワードで作っていた書類のほとんどをエクセルで作るようになり、パワーポイントも説得力のあるスライドを作ることができる。リカバリやOSの再インストールは何度も経験し、BIOSを操作したり、必要なデータのバックアップが確実にできる。リカバリした後の環境復元も早く、データ損失のリスクが非常に少ない。うまくOSが起動しない際にも、原因究明の手段としてセーフモードが利用できる。有線・無線に関わらずネットワークの構築ができ、トラブルの際にも原因究明が自力でできる。WEBページの構造がある程度理解でき、自身のホームページを更新したり、他人のホームページに駄目出しをつけることができる。画像データや音声データの編集(トリミング、合成、特殊効果)ができ、映像データについてもある程度の編集能力がある。デスクトップパソコンのケースを開け、ハードディスクが故障した際は自分で交換でき、メモリ増設ビデオカード増設についてもトラブルはあまり起こらない。OS、CPU、メモリ、ハードディスクなどの情報だけわかれば、性能がどれくらい高いか低いか、いつ頃発売されたパソコンかを、実際に目で見なくてもある程度の性能判定ができる。既に利用したフリーソフトの数は50種類を超え、よく使うソフトは目の前にパソコンが無くても(電話とかで)人に使い方を説明できる。パソコン教室の先生のバイトであれば、このレベルで充分できる。


●上級レベル(5,000時間~10,000時間)

トラブルが起こった際は基本的に人に聞かず、とりあえずググる。何かやりたいことがあれば、それがパソコンで可能かどうかを調べ、可能であればその環境を整えて実行する。パソコンを安全に利用するノウハウが身に付いているため、普通に使っていてトラブルが起こることはまず無い。トラブルが起こってもすぐに解決してしまう。パソコンに関する知識は、基本的にはネット検索で情報収集を行うが、その情報を鵜呑みにせず、必ず実験研究をして実証し、結果を吟味する過程を踏むため、人に説明する際に知ったかぶりをすることが少ない。もしわからないことがあっても、その幅広い知識基盤からいくらでも言い訳を考えることができ、相手に反論の隙を与えないほどの説得力のある説明ができる。


●プロ?(10,000時間~)

パソコンの修理屋とかサポート屋とかできて、それで御飯を食べていけると思う。


・・・


ルーチンワークで同じ作業の繰り返しなどではなく、常に新しいことを探し求めてパソコンを利用しているユーザなら、上記の「パソコン累計利用時間」に応じたスキルが身に付いているはずです。ちなみにわたくし店長は2003年5月からパソコンを始めて、一日平均5時間はパソコンと格闘してきましたので、【5時間x365日x7.5年≒13,000時間】となります。たぶん一般の方(35歳)の平均はおそらく1,500時間くらいですので、上記「一般レベルの中間」くらいに位置するものと思っています。


中級レベルまで到達できれば、周囲から「パソコンに詳しい人」と認められます。しかしそこまでいかなくても、「一般レベルの中間」あたりまで到達できれば、パソコンがいかに便利で楽しいものか理解できているはずです。ぜひとも頑張ってくださいっ!!