5月2日に兵站として思うところを記した。

 

 

英語ではロジスティクスという。日本では終戦まで「兵站」としていたが、平時の現代日本では「物流」と表現している。「兵」やら「軍」やら戦争を想起させる表現は徹底的に避けている。

 

では、「物流」とは何か。倉庫保管、入出庫、貨物又は旅客輸送、包装梱包、仕分け、集荷、配送などモノや人が実際移動している分野を指す。

 

そしてこの頃、米騒動で「流通」という言葉がよく出てくる。「流通」は物流、貨物追跡及び貨物輸配送受発注のシステムや輸送手段最適選択などの情報管理、生産者又は工場から卸そして小売りなどの商取引実体などを包含して総称する。

 

小泉農林水産大臣はメディアに流通がブラックボックス化しているという趣旨の発言をよくしている。自分が想像するには流通過程でまず卸の大手であるJA全農のことを指しているのではないかと勝手に思う。JAの倉庫にコメの在庫が山積みされているのではと思っていたが、この頃JAの前役員の人たちがテレビ出演してJAに在庫はどこにもない、小規模コメ農家を助けてやれという。生産者側は大規模コメ農家に重点をおいて助けて、流通過程を検証改革し、消費者に安価で安定的に主食のコメを供給するコメの農政改革が求められる。これは自分も賛成だ。JAや農水族が背後にいるなかで本当に実現できるかだ。

 

兵站は前線の兵士や軍に武器弾薬、医薬品、水、食料を確実に行き渡るようにすること。現代日本の兵站である物流は誰にコメを確実に行き渡るようにしなければならないのか。自明の理だ。


資源のない日本が無謀で悲惨な戦争を引き起こし、兵站を蔑ろにしたせいでより多くの戦死者を出した。今回平時にかかわらず物流を蔑ろにして、主食のコメ高騰が長期化したら国民生活を危くする。悲惨な過去に学ばず同じ轍を踏む。

 

一番の川下には消費者である国民。源流に生産者、川上に卸であるJA全農。農政改革は消費者である国民のために生産者を支援する施策を講じられなければならない。農業協同組合法で存立しているJAは自己改革はできない。抜本的見直しがきているはずだ。

コメの流通改革は何をしなければならないのかよく見えている。実行できるかだけだ。