「親を超えながら強くなっていく」玉木宏インタビュー(前編)
源義朝を演じるにあたって、特に意識したことはありますか?
多少迷いが見える清盛と比べると、武士として強くなろうとする義朝は、1本筋が通っている、目標が定まっている、芝居ではそういうところが見えればいいなと思って演じてきました。
また、反面教師である父親を超えて、嫡男(ちゃくなん)である自分が源氏をより強くしていくのだ、というイメージも意識しながら演じてきました。
でも、「父親を斬れ!」と言われた「保元の乱」あとからは、ちょっと迷いだしたというか、少し違う方向に傾きはじめた感じはあります。それまで決して見せなかった弱々しい部分も見せるようになりましたから。
演じる前、義朝という人物についてどのような印象をもっていましたか?
正直、ぼくは義朝と言われても最初はあまりピンとこなかったですね(笑)。あの頼朝、義経の父親だと言われて、「ああ、そうなんだ!」という感じでした。
それで撮影に入る前に義朝に関する資料を探して読んでみたのですが、たくさんの史実が残っている人ではなかった。だから、有名どころを演じるより、自由にやれたように思います。
強さを追求する武士として、役づくりで何かされたことはありますか?
クランクイン当初の義朝(当時は武者丸)はまだ7歳だったので、あまりカラダは大きくなくてもいいかなと思っていました。でも、松山くんが清盛像に合わせてカラダを大きくし、髪の毛も地毛で結えるようにしていたので、ぼくももう少し大きくしたほうがいいかなと思い、撮影に入ってからは、筋トレや食事で、8キロくらい体重を増やしました。それと並行して、馬の稽古や殺陣(たて)の稽古もはじめました。
時代劇ならではの難しさは感じましたか?
難しさというより、「(時代劇は)気持ちが入りやすいな」と思いながらやらせてもらっています。扮装(ふんそう)やメイク、そしてかつらを着けると、自然とその世界に入っていけるので、やりきれる感じがあるのかもしれません。
現代劇だとまっさらですよね。ふだんの自分とそれほど変わらない。隠すところがどこにもない。この前、久しぶりに2時間ドラマ(現代劇)をやったとき「なんか、恥ずかしいな」と思いました(笑)。
源氏に対する印象を聞かせてください。
源氏は、親を反面教師として親超えをしながら強くなっていく。どんどん代替わりしながら強くなっていく。為義と義朝の関係もそうだし、義朝と頼朝もそうなんだと思います。
頼朝役はまだ、岡田(将生)くんにバトンタッチしていなくて、中川大志くんが演じていますが、彼の演じる頼朝が義朝の背や、どのような行動をするのかを見ているという描写がけっこうあります。それらは、源氏が親超えをしながら強くなっていく様を象徴的に表現していると思います。
義朝が玉木さんに与えた影響は何かありますか?
この役を演じるにあたって、「強く、強く!」ということを特に意識していたので、人当たりが強くなったような気がしますね(笑)。
また、源氏の棟梁(とうりょう)になるくらいのころから、声を太く、強く出そうとしていたし、怒ってばっかりのシーンも多かったので、言葉が強くなったかなという印象はありますね。
義朝と同じように自分の親を超えたいという気持ちは、男なら誰にでもあるような気がします。ぼくが今の仕事をやっているのも、「親がやっていないことをやりたい」という部分もあると思います。
義朝と2人の女性。由良御前(田中麗奈)と常盤御前(武井咲)は
どのような存在なのでしょうか?
義朝は、由良や常盤にしっかりと支えられながら生きていた人物だと思います。でも義朝がそのことに気づくのは、由良が亡くなる寸前。
「もうちょっと早く気づけよ」という気持ちはありますが、それも1つの人間らしさなのかなと・・・。当たり前にあると思うと、なかなか気づかないものなのかもしれないなと思いました。
しかも、由良に対してはずっと怒ってばっかりでしたからね・・・。
常盤に関しては、何かつらいことがあると身を寄せる存在で、別にそこで、弱音を吐いたり相談したりするわけではありませんが、ふらふらっと行ってしまう。実は弱い部分もたくさんもっている義朝にとって、心のよりどころのような存在なのでしょう。
田中麗奈さんと武井咲さんの印象を教えてください。
田中さんとは共演したことはなかったのですが、それがこの作品と映画『山本五十六』と、偶然2作品重なっての共演になりました。話してみたら、学年は違いますが、年齢は同じだったので仲間意識を強く感じました。
彼女は、とても好奇心旺盛な人で、馬に乗るシーンはないのですが、ぼくらが練習している乗馬クラブに通っていたんです。勝手にインドアなイメージをもっていたのですが、実はアクティブでアウトドアが好きな方なんだと知りました。
武井さんは今回が初共演です。もちろん年齢は離れていますが、彼女とは同郷で、同じ名古屋出身なんです。
ぼくがよく遊んでいた場所で彼女は育ったらしいので、その場所について話したりしました。つい先日は、「名古屋の人しか知らないような店が東京にあるんだよ」と教えてあげたら、「今度、行ってみます」と言っていました。
単純に、東京で同郷の人と出会うとうれしいですね。
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