彼女の旦那さんは
最も重要な真実に気づき始めていました
彼女旦那
『その時リオって男と付き合っていたのなら…、
俺との子どもかなんて
わかりませんよね…？』
ここまで来たら
私も向井さんも意を決します
旦那さんは全てを知りたいのですよね？
彼女旦那
『勿論です、不倫がわかった瞬間から
とことん調べるつもりでしたから。』
そうですよね、
不倫がわかった瞬間から
遅かれ早かれ知る真実だったと思います。
向井さんは私に向かって
頷きました。
「証拠の録音データを渡す」
そう解釈し、私も頷き返しました
旦那さん、
先ずはまなつちゃんが録音していたボイレコを
聞いてみますか？
彼女旦那
『もしかして、子どもの事も…？』
重要な事実はほぼ全て証拠として残っています、
もしかしたらオレたちも知らない事実も
まだあるかもしれませんが、
このデータだけで十分、
裁判に有利な証拠になると思います。
彼女旦那
『聞いてみます』
旦那さんの意思を聞いた向井さんは
録音データを聞く準備を始めました
もし、途中で辛くなったら
無理せず止めてください、
私たちのことは気にせず、ご自身のペースで…
彼女旦那
『はい、大丈夫です、、』
そして、
旦那さんは録音を聞き始めました。。
元夫が入院する病院に
私が面会に行った時のあの時の全ての録音
彼女が管理栄養士と偽り面会に乗り込む様子も、
二人が付き合っている事を認めた様子も、
そして、
旦那さんにとって一番残酷な事実を認めた様子も。
言うまでもありませんが、
全ての会話を聞き終わった時、
旦那さんの目からは涙が流れていました。
彼女旦那
『…すみません、
見苦しいところを見せてしまって…』
全然、全く、
見苦しくなんてありませんよ、
そうです、
こんなの、辛くないはずありませんよ、
あの二人が全部悪い
旦那さんは何も悪くないです
彼女旦那
『まさか…俺の子どもじゃないなんて…』
怒りと悲しみからか
旦那さんは震えていました。
私たちは
旦那さんが落ち着きを取り戻すまで
何も言わず、ただただ待ちました。
そして、しばらく経ち
旦那さんが重い口を開けました。
彼女旦那
『あいつら二人ともを絶対に許しません、
同等の苦しみを味わせて復讐します、』
旦那さんの表情だけで見て取れる
強い決意でした
許す必要はないと思います。
でもここから先は慎重になってください、
彼女旦那
『もちろんです、確実に奴らを潰したいので。
その前にこの事実を、
兄に打ち明けようと思います。』
そうなると予想はついていました
ですが…
少しだけ待ってもらっていいですか？
彼女旦那
『え…？』
旦那さんの気持ちは十分にわかっています。
ですが、さっきも言いましたが、
ここは慎重に進めて行きましょう。
彼女旦那
『俺の兄ですよ…？』
そうですよね、
ですが
お兄さんとリオが今どのような関係なのか、
事前に調べておいた方がいいと思います。
そりゃ兄弟ですから、
お兄さんも
旦那さんの味方になるだろうとは思います、
ですが、リオさんを潰す為には
もっと計画を練らないといけません。
旦那さんの復讐したい気持ちは勿論のこと、
私たちにとっても
これが
元夫を抑止できる
切り札になるかもしれない、
そう思うと、
旦那さんを怒りで暴走してしまわないように
私たちも
慎重に
事を進めていかなければならないのです