元夫の彼女と
彼女の旦那さんのケンカが
デッドヒートしてしまい、
収拾がつかなかくなった末…
まさかの真夜中のお呼び出し
息巻く彼女の旦那さんの圧にたじろぐ私は
思わず会うことを了承してしまいました
ですが、
ちょっと待ってもらっていいですか？
そこでストップをかけたのは
向井さんなのでした
彼女旦那
『あなたは誰なんですか？』
夫の向井と言います、
申し訳ないのですが、
最初から電話を一緒に聞いていました。
彼女旦那
『夫？』
はい、今の夫です。
彼女旦那
『あなたも妻の不倫を知ってるんですか…？』
申し訳ありませんが
オレはその質問には答えません、
彼女旦那
『なんなんだよ、
知らないやつばっかり出てきやがって…
とにかく来てくれるんですよね？』
彼女の旦那さんは
明らかに私に向かってそう聞いてきました。
旦那さん、
そうなる気持ちはわかります。
だけど、オレも夫として
妻をこんな真夜中に外に出すわけにはいきません。
彼女旦那
『話すって言ったのはそっちですよね…！』
はい、確かに言いました、
たけど今とは言っていません。
彼女旦那
『今じゃないとみんなで口裏を合わせるだろ？！』
旦那さんからしたら
今は誰も信じることができないと思います。
だけど、オレや妻は
決してあさみさんの味方ではないということは
わかって頂きたいです。
彼女旦那
『信じられるわけないだろ…？』
リオという男性もあさみさんも
妻にとってはある意味敵なんです。
彼女旦那
『あさみとあんなラインしてて敵って』
証拠は全てオレたちが持っています
彼女旦那
『なんの証拠？』
妻とあさみさんが今まで関わってきた全て
記録に残っています。
彼女旦那
『全て？記録？』
やり取りを全て
ボイスレコーダーに収めています。
彼女旦那
『ボイスレコーダー？！』
おかしいですよね？
ボイスレコーダーで録音してるなんて、
彼女旦那
『どーゆー事ですか？』
ボイスレコーダーで
証拠を残しておかないといけない関係
ってことですよ。
自分たちを守るために録音していましたが、
旦那さんにとっても証拠になると思います。
彼女旦那
『何かで揉めてるってことですか？』
ボイスレコーダーの内容を聞いてもらえれば
オレや妻が
あさみさんの味方ではないということが
すぐに理解頂けると思います。
あ、因みに今、この電話での会話も
録音させて頂いています。
彼女旦那
『………』
向井さんと話す内に
あさみさんの旦那さんは
徐々に落ち着きを取り戻していくようでした
今日はもう時間も時間ですし、
お互い小さな子どももいますし、
日を改めませんか？
はっきり申し上げて
オレの妻とあなたが話し合う意味が
オレにはわかりません。
目的は証拠ですよね？
証拠が欲しいのなら
全てデータをコピーして差し上げますから。
彼女旦那
『日を改める件はわかりました。
証拠のデータも頂きます。
ですが、それで終わりにはできません。』
ではどうしたいのですか？
彼女旦那
『俺もどうしたいのかわかりません、
だけど少なくともあなたの奥さんは
妻の不倫に関係していますよね？』
関係していません、
ただ、巻き込まれているだけです。
彼女旦那
『なんなんだよそれ…
俺の妻の不倫相手があなたの嫁の元夫って…
もう…ワケがわからないんだよ…！』
そうなる気持ちはわかります。
でも、オレ達ができることは
データを渡すことだけ。
後は当事者で話し合ってください。
『話し合いっていったって…』
オレのケータイの番号教えるので
渡す日にちを後ほど決めましょう。
それまであさみさんとお二人で
話し合えることは話し合ってみてください。
彼女
「私は話す事なんて何もないですから…！」
最後まで元夫の彼女だけは
抵抗を続けておりました
電話を切った後向井さんが言いました
まなつちゃん、アカンで？
ん…？
一人で会おうとしたらダメ。
でも…あさみさんの旦那さんは…
言いたい事はわかるけど、
それでもダメ、これはヤキモチとかじゃなくて
本当に危ないから言ってるんやで？
これからは、オレとまなつちゃんは二人でセット、
オッケー？
はい、了解しました
そして
向井さんとあさみさんの旦那さんが
データを渡す日程を決め、
その日がやってくるのですが…
その前日、
彼女の旦那さんから
「妻がいなくなった」との連絡が
入ってきたのです