元夫と約束していた日
やっぱりオレも一緒に行くよ。
向井さんは心配そうに言いました。
向井さんが一緒に来ちゃったら
面会人数オーバーしてしまうから…
元夫の入院している病院は
まだ面会制限のある病院でした
一度の面会で二人まで
元夫の彼女が来ることを想定したら
私一人で面会しなければなりません
向井さんと私が二人で行ったら
元夫の彼女は面会を断られてしまうわけです。
それではこの面会の意味がありません
心配しなくても大丈夫
いや、病院の駐車場で待ってるよ、
必ず電話は繋げたままにしておこう。
それなら大丈夫だということで
向井さんと一緒に元夫の病院へGo!!
約束の10分前に病院に到着し、
病院の駐車場に車を停め
時間になるまでしばし車の中で待機
あー…心配すぎて吐きそう
大丈夫大丈夫
なんかあったら直ぐに助けに行くけど
間に合わんかったら逃げてや?
病院内やったら
リオも下手なことできひんって
そんなやり取りをしている時でした
私たちの車の前を
一台の軽自動車が通り過ぎます
そしてその軽自動車は
私たちの車の3つ隣に
車を駐車しようとしていました
私と向井さん二人共
その光景をなんとなく見つめていました
軽自動車の駐車が終わり
同じ位置に並んだので
窓から運転手の顔がチラッと見えた時でした…
あっ!
えっ!
私も向井さんも
ほぼ同時に気がつきました。
それは紛れもなく
探偵さんから受け取った調査報告書の資料写真に
映っていた女性と同一人物だったのです
実物は初めて見ましたが
特徴的な顔立ちなので
すぐに元夫の彼女だとわかりました
あれってリオの彼女やんね?
うん間違いない、リオさんの彼女やん
え?登場早くね?
ガチのブッキング?
それか彼女の単独行動?
彼女が現れるであろうことは
予想してはおりましたが
私達の予想より、登場が早すぎて
私達はぷちパニックになりました
彼女は
私達から見られていることには気づいておらず
車内でメイク直しを始めていました
病院やのにメイク直し…?
なんのやる気なん…?
いきなりの彼女登場に少々焦ったものの、
「少しずつ作戦通りに進んでいる」と感じた私は
よっしゃ、やったんで
そんな最中、約束の時間の3分前になり
向井さんのケータイに元夫から着信が…
まさか…ドタキャンじゃないよな…?
とりあえず、私が電話に出るよ、
私は、
このタイミングでの電話が少々謎でしたが…
元夫からの電話に出ました
もしもし、
もうすぐ約束の時間になるけど
今どこおる?
彼女が今正に病院にいることを
元夫はわかっているのか…?
それともわかっていないのか…?
普通すぎる夫の話し方に
それだけでは状況が読めませんでした