元奥さんと連絡を取ることになった理由を
向井さんは話し出しました
実は、1月の半ばに
父さんが亡くなった。
この一言で私は頭が真っ白になりました。
え？でも去年まで入院はしてたけど
元気やったよね…？
うん…、でも容態が急変して
そのまま亡くなってしまった…
まさか亡くなるなんて思ってなかったから
最後の言葉すら伝えられなかった。
向井さんが涙を堪らえて話してくれているのに
私が泣いてはダメだと思いましたが
悲しくてショックで泣いてしまいました…。
辛かったら泣いていいよ…？
私も今だにお父さんを思い出して泣くもん。
向井さんは目頭を押さえて
静かに泣いていました。
ごめんね、何も知らなくて…何もできなくて…
今度お線香を上げに行かせてもらってもいい…？
うん、もちろん、
父さんもきっと喜ぶ。
これ以上進める話しではないと思いました。
元義母や元奥さんの事などはもうどうでもいい、
そう思いました。
元奥さんと連絡をとったのはね…
話さなくてもいいよ、
だいたい何でかわかるし。
おそらくですが
お父さんの通夜式や葬儀で
元義母や元奥さんと
関わらなければならない事があったのだろうと
思いました。
あの人が迷惑かけてごめん、、
全部デタラメやから。
そっか…
私はてっきり始まってるのかも…って思った
絶対にないけど、
もし…始まってたとしたらどうしてた？
妊娠してる事を向井さんに伝えるって決めてからは
向井さんに新たな道を歩む相手がいたとしても
「子どもの親として協力し合ってほしい」
って気持ちは変わらなかったと思う。
でも、さっきも言ったみたいに、
向井さんの新たな未来を
犠牲にしてほしいとも思っていないし、
子育てがあるからって負い目を感じて
新たな未来を諦めてほしくないから、
向井さんには、子どもを一緒に育てる事と同時に
新しく始まった道があるなら
そっちの道も大切に生きてほしいって
言おうと思った。
だけどいくら私と向井さんが
「子育てのパートナーとして」の道を選んでも、
向井さんに相手がいたら相手の気持ちも
蔑ろにはしてはいけないわけやん？
相手はきっと良い気持ちではないだろうし…
でも、
できるだけみんなが納得できるような形が
できればいいなって思った。
だから、向井さんにそんな相手がいないのか
確認したかったんだよ
まなつちゃんらしいね
でも、もう一度言うけど、
新しい誰かとの未来なんて、オレにはないよ。
これからのオレの未来は全部
子どもたちやまなつちゃんを守るために捧げる。
私もこれからできるだけのことは頑張るけど
助けも必要になると思うから。
その時はお手数おかけしますが、
どうか、宜しくお願いします
「これから先の事」のおおまかな話合いは
この時はこれで終わりました
細かい話し合いも
少しずつではありますが、
今も現在進行系で進めております
向井さんと二ヶ月ぶりに会った
この時の最後の時間は
向井さんと私が、
父として母として、
リアルタイムでは一緒に共有できなかった喜びを、
空白の二ヶ月間を埋めるためにと、
ある物を持ってきていました