別れ話を切り出した後に
彼は行為を迫ってきました。



そんな気になれないと思うのなら
その気持ちを
本気で伝えなければならなかったと思います。



それ以前に、
別れを考えている相手と
することではありませんでした。


でも後悔したときには
時すでに遅しでした。



「断らなかった自分が悪い」
「彼をそんな風に追い込んだ自分が悪い」
「中途半端な自分が悪い」


そう何度も自分に言い聞かせました。


自分を責めなければ
彼を責めてしまいそうでした。


だけど言い聞かせる気持ちとは裏腹に
涙を止めることはできませんでした。




約束したのに…




………ごめん、、




彼も泣いていました。






私と彼は以前にある約束をしていました。


子どもを授かることを諦め
入籍をしないと決めた時から

望まない妊娠はしないようにと。



彼との子どもを一度流産してから

気丈に振る舞いましたが
実際はすごく傷ついていて
精神的にしんどい日々でした。

私は元々流産しやすい体質で、
死産も経験しましたし、
流産は何度も経験していました。

妊娠を望む気持ちの裏では
常に流産のことが頭の中でちらつきました。

体質なので仕方がないことなのですが、

流産したことの申し訳無さ
彼を悲しませてしまう罪悪感は

当たり前のように出てきました。



年齢のこと
流産に気持ちが耐えられないこと
手術の度に体にも負担がかかること
手術をすることで子どもたちにも迷惑がかかること
仕事にも影響すること


色々な理由で
彼との子どもを諦めました。


「子どもを授かったら入籍する」

という約束も

「子どもを諦めた今、
今いる子どもたちが巣立ってから入籍しよう」

になりました。


もちろん、全て話し合って決めました。

だけど改めて考えてみたら、

話し合って決めたけど、
全て私の都合に合わせてくれただけで
彼の気持ちや本音を
抑えつけてていただけだったのかもしれません。


そんな事を考えていると
彼を責めるのは違う気がして。




私は大丈夫やから、
自分を責めないで?




そう彼に言いました。



彼は泣きながら私を抱きしめてきて
何度も「ごめん」と謝ってきました。




今日は実家に帰るから、
向井さんはここで寝てね?



本当にごめん、どうかしてた…



お互いこんな話し合いの時に
することじゃなかった



全部オレが悪いから…



うん、向井さんは悪い、
でも、私も同じぐらい悪いよ。
お互い頭冷やそう?






彼を必死になだめていましたが、

私には
すぐにやらなければならないことがありました。



それを彼に伝えることはできませんでした。





「自分が悪い」とわかって思っているのに、





彼には言えなかったのです。