彼からのその質問に
私は一瞬、言葉を詰まらせてしまいました。




もしかして、その出来事の中で
リオさんに何かされたりとかしてない?



えっと………



は、待って、何かされた?
何された?




明らかに声が怒っていました。




腕…掴まれて…



はぁ……リオさん、マヂでありえん。
で、怪我は?



してない…



クソ腹たつ…
他には…?何もされてない?



されてない…



なんでそんな事になったか話せる?




元夫の女性との関係のことを
息子に悟られないように注意したこと、

私が煽ってしまった形で、結果そうなったことを
彼に説明しました。




はぁ……もう…なんて言えばいいんかな…




怒りを通り越し、呆れるかのように言いました。




オレが前に
「まなつちゃんがいつの間にか
リオさんを庇うようになってるね」
って言ったの覚えてる?



うん、覚えてる…



自覚ないみたいやからはっきり言うね?





きっと、
向井さんから出る言葉は正しいのだろうけど、
本当は「聞きたくない」
瞬間的にそう思ってしまいました。

だけど、逃げるわけにはいきません。





うん…




オレにはまなつちゃんが
リオさんに対してまだ未練が残っているようにしか
見えんねん。



………、





ストレートすぎて言葉が出ませんでした。






本当に子どもたちのため?
自分のためじゃない?
絶対に違うって言い切れる?




「絶対に違う」

心の中ではそう叫んでいました。

だけど
自分で自分がわからなくなっていた
この時の私は

そう言い切ることができませんでした。




もう…わからんくて…




絶対に違うって言い切れん時点で
オレの言ってたことが正確ってことやん、






彼から突きつけられた言葉に
気持ちが追いつきませんでした。