話さなければ…
と思えば思うほど焦ってしまい、

何から話せばよいのかわからず
なかなか言葉が出てきませんでした。




えーっと……
ちょっと待ってね…



いいよ、ゆっくりで。
落ち着いたら話して?




そう優しく気遣ってくれる言葉に
この時点で涙が出そうになりました。

だけど泣くのはズルいので
必死に我慢しました。




向井さんに、、
謝らないといけない事があって…



うん、



息子が試合中に怪我しちゃって、
病院に連れて行かないといけなくなって…



うん、



病院に着いたら…
…リオがいて……



うん、



息子が私に隠してリオに連絡してて…



それはどうしようもなかったんやな…



うん…ごめん、、



その時まなつちゃんのママは?



いなかった…
病院がいつ終わるかわからんし…
下の子どもたち連れて先に帰ってもらってて…



そうなるよな、、
それで?



他に誰もいないのに
リオと接触することになった…




ふぅー…………、なるほどね……




向井さんは平常心で私の話しを聞くために
必死なのだと感じました。




息子のことで、
色々話さなくちゃいけなくなって…



色々って?




息子と元夫のやり取り、

「息子が望んでいるから」と
今後の関わりを強要されたこと、

息子に自ら全ての過去を打ち明けたことを
話しました。



はぁー……。

まなつちゃんは
もうオレの言いたいこと分かってると思うけど…
言ってもいい?



うん…



全部、オレの言ってた通りになったってことは
自覚してるやんな?



うん……ごめんなさい、



確かに仕方なかった部分もあると思う、
でもなんで?
もっと突き放せんかった?
そこまで話し込む必要あった?




突き放したし、話したくもなかったけど
結局リオのペースにはまってしまっている
自分が悪い。



今思えば他に方法があったと思う…



まなつちゃんとリオさんは
「普通」ではないってオレ言ったやん?
オレは今までの二人を見てきて
わかるから言ったんやで?



…うん……



リオさんが相手やと、
まなつちゃんの思い通りにはできない、
今までもこれからも…。

だからオレがいないときに
会ってほしくなかってん…




向井さんの言うことは
何一つ間違ってはいないと思いました。




ごめんなさい…




もしかして、その出来事の中で
リオさんに何かされたりとかしてない?






「何もされなかった」


ではありませんでした。