「余計な事を言ってはいけない」と
何度も自分に言い聞かせたのに

気づいたら言ってしまっていました。




今日何時に帰るか返事返さなくていいの?




そんな私の言葉に元夫は
会計そっちのけで振り返り
驚いたような顔をしていました。




え?どーゆーこと?



この時私は
「やってしまった」と我に返り
言葉が出てきませんでした。


元夫は慌てて会計を済ませて
私と息子のところに近づいてきました。


元夫は何かを考え
私の言葉の意味に気づいたのか

自分のポケットからスマホを取り出し
必死に操作しだしました。




これは違う、そんなんちゃうから…!




焦った表情を浮かべ必死に弁解、

想定通りの言葉でした。



すると、
現状が理解できない息子が、


息子
え、なに?なんの話し?



私に向かって聞いてきました。


私は息子に言いました。



パパが入院してる時の面会で、
パパが言ってたこと、息子は覚えてる?



息子
面会の時…?…うん、覚えてるで?

「オレたちの為に立ち直って、
オレたちの為に仕事頑張って、
オレたちの為に生きていく、
いつか家族みんなで楽しくご飯食べたいって、
そうなれるようにパパは頑張る、
だからオレにも部活頑張れ」って言ってくれた。

それがどうかしたん?




ううん、ただ聞いてみただけ。
ほら、明日からの学校や部活のこと、
コーチに連絡しないとアカンのやろ?



息子
うん、お手洗いと電話してくるから
ちょっと待ってて



ママも車で待ってるから、
終わったらきてね。




私は病院から出て駐車場に向かいました。



元夫も駐車場が一緒なのか
後ろから付いてきました。




息子の姿が見えなくなった途端、、




まなつ、待って、
あれは違うねん、勘違いやから…!



いや、別に弁解する必要ないねんけど?



勘違いされたままは嫌やって、、



別にリオに彼女がいてもどーでもいいから。



だって、さっきからまなつが怒ってたの
そのことが原因やろ?



は?そのことって?



女からのライン…



私が何に怒ってるのかんからんわけ?
彼女がおるおらんなんかどーでもえぇねん、
ってか、さっきの息子の話し聞いてた?



…聞いてたよ…



私は子どもとの約束破ったことに
怒ってるだけ!
わかる!?





ここまで言わないと
理解できない男だったことを思い出しました。





約束は破ってない
だってホンマに彼女でもなんでもないから…!





元夫の言い訳が、

私の中の
言いようのない感情をどんどん増幅させ

責め立てたい欲望に駆られました。





あ〜そっかそっか、
お得意のセ◯レってやつね、



違うって…



そんな汚らわしい手で
息子触らんといてほしいわ、






「責め立てるのはこれぐらいにしとかないと」

自分に言い聞かせました。






頼むから話し聞いてや?




聞いてもどうせ信じひんけど?




待ってや…





何度止めようと思っても
止められません。





やっぱり許したことが
そもそもの間違いやったんや、



ちょっと待ってって…!








元夫は



私の腕を

強く掴んできました。