向井さんは
そんな出来事が起こることを
まるで知っているかのようでした
A子さんは
D男先輩のおさわりが嫌だったのでしょう…
急に立ち上がり、今度は
壁にかけてある絵画を見て回っていました
ですがD男先輩は
そんな嫌がるA子さんに気づいていないのか
金魚のフンの如く
A子さんに付いて回り、片時も傍を離れない
二人の身体はありえんぐらいに近く
明らかにわざとD男先輩が
自分の身体を擦り寄せているではないか
そんな二人の様子を見て
だから嫌やねん…
向井さんはそうポツリと呟き
洗い物の手を止め辺りを見渡し
誰かを探しだしました
どうした?誰探してるの?
まなつちゃん、ちょっと待ってね、、
そう言い残し
向井さんはさっきまでバーベキューをしていた
お庭に出て行きました
そこにはA男先輩が居て
向井さんは時折指を指しながら
必死に何かを伝えている様子。
指を指す先には
A男先輩の奥さんA子さんとD男先輩。
「自分の嫁を助けに行け」
って言っているのだと推測。
だけどA男先輩は焦る様子もなく
ただヘラヘラ笑っているだけでした
と、その時、
A子さんが
私が洗い物をしているキッチンの方に
やってきたのです
A子さん
『まなつちゃん、私も手伝うわね。』
そう言いながら私の隣に立つA子さん。
もちろん近くにはD男先輩。
逃げて来たんだと察した私は
A子さんに密着しながら
「おめーの入る隙はねーよ」
オーラ全開でA子さんと談笑しながら洗い物。
これで諦めてどっか行くだろうと思っていた時、
なんとD男先輩は
私とA子さんの肩に手を回し
私とA子さんの肩を抱いたまま
間に割って入ってきたヒィ近い…
どうしたもんだと焦っていたら…
A子さん
『わ、私…
ちょっとお手洗い行ってくる』
な、なんですと!?
そう言い残しそそくさとお手洗いに…GO…
残された私の隣にはもれなくD男先輩…
え、待って、
桃鉄のすれ違いざまに
ボンビー神なすり付けられるやつやーん
なすりつけられたらややこしいやつやーん
って、
やられた感いっぱいで撃沈でした…