- 氷の華 (幻冬舎文庫 あ 31-1)/天野 節子
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読み終わりました。
この話、終わりで
・スッキリした!!
・えー!!!?
どちらかの感想を抱く人が多いじゃないかとおもいました。
私は後者でした。
主人公は旦那とその浮気相手の策略により
愛人偽装の相手だった被害者Aを殺してしまいます。
後々それが罠だと気付き、やがて二人への報復を考えます。
毒物による心中に見せかけた殺害。
主人公はその時、拘置所にいたので完璧なアリバイがあります。
色々細かい設定があるのですが、省略して主人公は無罪を勝ち取ります。
ここで「あースッキリしたー!!!」
と思いました。
だって主人公のトラウマを刺激して、挙げ句関係ない人を殺させるなんて
旦那とその愛人にかなりいらつきました。
被害者Aは旦那とその愛人が人を轢き殺したところを偶然みて
旦那を強請りお金を受け取っていたので、
二人はどうしても被害者Aが邪魔だったのです。
だからって主人公に殺させるか普通。
と思っていたので主人公の報復&無罪にはかなりスッキリ。
本来人を3人殺した主人公は罰せられるべき人物なのでしょうが
小説なのでこういう終わり方の方がいいかも。
・・・とおもったのですが、きましたどんでん返し。
家政婦の裏切り・強請りなどにより証拠がまだあるかもしれない、と
危惧した主人公は二人が心中自殺した現場へと行ってしまいます。
ワインに残っていた自分の指紋。
それをふきたいがために。
しかしそこには警察が。
新しい証言・この場で証拠隠滅した事実をつきつけられ
主人公は堂々たる態度で警察に同行するのを承知します。
「わたくしは誰にも屈しません」
それが彼女の最後の一言となりました。
彼女は同行する際、化粧直しを希望し、その際に持っていた青酸カリを飲んで自殺してしまいました。
ここでえー!?ですよ。
最後までプライドの高い彼女。
人を殺そうとした動悸が、これで闇の中に葬られました。
彼女は不妊症でした。
なのに被害者Aのふりをした愛人から電話で
「不妊症なんですってね?・・・・私妊娠しているの」
(実際は妊娠していない)
あげく母子手帳のコピーまで送られ、それが殺意を抱いた原因でした。
プライドの高い彼女は、最後の最後まで、
屈辱的に罵られたことを、誰にも言わず死んでいきました。
警察がしつこすぎるけど、それがまた警察たる所以というか。
彼女が死んでしまったのにショックをうけるということは
彼女側へ感情移入してしまったのか・・・。
さて、次は何を読もうか。