先日、昭和歌謡マニアとしては実に興味深い話題がありました

石川ひとみ「まちぶせ」はストーカーか 衆院委で質問、国家公安委員長「過度な規制せず」

(言っておきますが元祖は1976年の三木聖子です)



曲に、

「(好きだった男性を)偶然を装い帰り道で待つわ」

という歌詞があります


このことについてなんと衆院内閣委員会でですよ、緒方林太郎議員が国家公安委員長に、ストーカー規制法の「つきまとい等」と定義する「特定の者に対する恋愛感情を充足するための待ち伏せ」に当たるかと問いただしたのです


これに対し赤間国家公安委員長は「歌詞の内容だけでは違法とならない可能性が高い」との認識を示しました



昭和と令和の恋愛のアプローチの違いを浮き彫りにさせる、まして「まちぶせ」が犯罪になりかねない

…というおもしろいお話でした



今は下駄箱にラブレターなんてこともあり得ないのでしょうね(自分もドラマでしか見たことありませんが)



昭和歌謡では女性が「ひたすら待ちます」みたいな曲がよくありました


代表的なのは あみん「待つわ」(1982)


わたし待つわ…いつまでも待つわ

例えあなたが振り向いてくれなくても

待つわ…いつまでも待つわ

他の誰かにあなたがふられる日まで


これは当時でも「暗い」という声がありました



さらに遡ると 殿さまキングス「なみだの操」(1973)では


お別れするより死にたいわ  おんなだから

…と脅迫めいたことを言い出す始末



「なみだの操」は200万枚近くを売り上げた大ヒット曲ですが、現代においてこの曲をリリースしたらどれだけ売れるのでしょうか?

聴いた人はドン引きしてキワモノ扱いかもしれませんね



一方でそれに対し反論している曲もありました

「プレイバックPart2」(1978)


女はいつも待ってるなんて 

坊や いったい何を教わってきたの?

私だって私だって…疲れるわ


さすが 山口百恵 は時代を先取りしていたわけです(先取りさせた作詞家は阿木燿子)




さて、疑問なのは、なぜ緒方議員は国会という場でこんな質問をしたのかが謎です


察するにこの曲が大好きでいつもカラオケで歌っているけれど、

「もしやこの曲の行為は犯罪なのでは?

だとしたら国会議員としてマズイかも…」

…とでも思ったのでしょうか(笑)