崇拝する 中島みゆき展 に行ってきました!
中島みゆき の偉大さを伝えるには自分はあまりに語彙力が無さすぎ
そこで今月の「O.ton」に掲載されていた北海道出身の直木賞作家である 桜木紫乃 さんの言葉を抜粋して引用させてください
「思えば、時代とともに変化していくみゆきさんの楽曲に流されながら、自分も歳を取ってきた気がします。
本当に、曲ごとに思い出がある。
人生の予習復習として、常に中島みゆきがいたんです。
もはや、ひとつの哲学として成立していると思う。」
(引用元 あるた出版「O.ton」の「私が好きなこの1枚」より、ぜひO.tonをお買い求めを!)

中島みゆき の年表をディスコグラフィとともに
自分がドはまりしていたのはこの年代から…

…このあたりまで
アルバムで言うと「ありがとう」から「予感」まで

その後は、大学の音楽サークルに入部し、当時流行った「City-pop」に傾倒したこと、また次作の「はじめまして」から 中島みゆき の音楽性も変わったように感じた(自身も「御乱心の時代」と言っている)

いろいろな展示物も興味深かったのだけど、根が生えたように長居してしまったのがこのコーナー

お客さんのリクエストに応えて聴かせてくれるんです
馴染みのない新しい曲とか「糸」や「宙船」なんかが掛かったら席を立とうと思っていたけど、そこはさすが「みゆきst」のみなさん
「あ〜、その曲来るか〜」という渋いチョイスばかり
※「糸」も「宙船」も良い曲ですが、オールドファンには異質なのです
自分がリクエストをお願いしたのは
「タクシードライバー」/「親愛なる者へ」より
初期の 中島みゆき は「わかれうた」のように恋に破れてズタボロになる曲が多い印象ですが、時々、友人や第三者が登場する曲があります
この曲もその1曲
♪ タクシードライバー 苦労人とみえて
あたしの泣き顔 見て見ぬふり
天気予報が今夜も外れた話と
野球の話ばかり 何度も何度もくりかえす
「蕎麦屋」に登場するお前は「あのね、わかんない奴もいるさ」と言って、後は「駄洒落話をせっせと聞かせる」だけ
「おまえの家」に登場するお前に至っては「言い出せないことを聞き出せもせずに 二人とも黙ってお湯の沸く青い火をみている」だけ
ハンカチを差し出すでも、慰めてくれるわけでもない
でも全てをわかってくれている
そんな慈愛に満ちた曲が好きです

これは オールナイトニッポン で読まれた「ファイト!」の元ネタになったと言われている(中島みゆきは否定している)当時の音声
だって、ラジオで 中島みゆき がシリアスになるのは珍しいことなので、心して聴いたから
中島みゆき の曲は難解だ
でも、中島みゆきは著書で「駅前のポストが出てきたとするじゃない、でもそれを角のポストなのよって言ったってしょうがない」(そんなニュアンス)と書いている
だからそれぞれのリスナーにそれぞれの 中島みゆき がいて良いのだと思う
とても良い展覧会だった
