「ひとの死に憧れる」


そんな時期や瞬間は

誰にでもあるのかもしれない。


親友を亡くして嘆くひとも

嘆きながらもその一連をうっとりと語る一瞬。


それを聞いて

そんな体験したことないと

ちょっとした劣等感を抱く一瞬。


分かりたくないけれど

分かってしまう。


ここに出てくる女子高生たちにもそんな感情が潜んでいる。


そして

その感情を引きずったままに

夏休みに突入していくのだけれど。


何気ない

普段の学校生活でのちょっとした行動の意味や


何気なく起こした行動が

その本人と関係ないところでじわじわと影響していった結果が


夏休み明けに

するすると解けていく様は

ほんとにもう感服する。


死など、美しくもなんともない。


そう悟れたこの子は 

すごいと思うし素直だと思う。


そして

よかったとわたしはひとり安堵する。


女子高生が

死に囚われなくてよかった。


この世界は広い。

ほんとうに広い。

広い広い広い。


だから囚われないで。

いろんなことが小さいから。


中学生や高校生が抱える悩み。

ほんとうは小さいの。

とても。


だけど。

わからないよねそのときは。

その世界が全てだから。

学校生活が全てだから。


ほんとうは違うのだけど。

それが全てではないのだけど。


だけど。

他人が口を出しても

きっと響かないし気づかない。


口を出した他人ですら

実は何も理解できていないのかもしれない。


だから。

この少女のように

自分で自力で分かるしかないんだ。


いまよりもうすこし背が伸びて

ここよりもうすこし外に出たら

自分のいた世界がどんなにちっぽけで

自分のいる世界がどんなにでっかいか

きっときっと気づくでしょう?


どうか気づいてと願いを込めて。


最後に。

「ヨルの綱渡り」

わたしも読みたいなぁ… 









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