「この小説は実際の事件を発想の発端にしているが、フィクションであり事実とは異なる」
のページをめくると、小説が始まります。
6つのお話が詰まった、短編集。
どのお話も、こころがゾクゾク。
タイトルとともに、きっと「発想の発端」になったのであろう新聞記事が出ているのですが、それが妙にリアリティを感じてしまい、事件を起こしたひとの心情や、これが起きた経緯など、そっくりそのまま、真実なのではないかと思ってしまうほど。
「フィクションである」と、明記されているのにね。
でもね、なんとも言えない切なさが残りますね、全てのお話に。
ほんとは誰も、罪なんて犯したくないのにね。
この新聞記事からこんな背景が思いついて、形にできる作者さんはすごいなぁ、小説家さんってやっぱりすごいなぁ、小説ってすごいなぁと、再確認できる面白さでした。