一人芝居の長所短所 | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

昨日はリッキーさんのライブを観に行ってきました。

毎月1回開催されるワンマンスタンダップコメディ。

先月は「SAVE」の仕込み日と重なってしまっていけなかったので、2ヶ月ぶりでした。

軽妙なトークで1時間ちょっと。こじんまりした劇場で、満員のお客さんたちと楽しい時間を過ごしてきました。

 

リッキーさんはスタンダップコメディの他に一人芝居もされている方なんですが、昨日はちょっと興味深いというか、同感だなあと思うことを話されてたんですね。

それは「距離感」ということ。

スタンダップコメディや一人芝居は、客席のお客さんを相手にしています。一人で舞台にいるんだからまあそうなりますよね。スタンダップコメディは特に、お客さんの反応を見て内容を変えていくことすらあります。

一人芝居の場合は台本があるので、客席の反応で変えていくということはありませんが、それでもその時その時の空気感が自分の演技に影響してくることはあります。私はまだまだ未熟ですので、客席の反応を感知したり取り入れたりすることはできないんですけども。

それでも、舞台で演じているのは自分だけなので、「相手役のリアクション」とか「やりとりのタイミング」を気にすることはありません。全部自分の脳内にしか存在していませんからね。

だからある意味、「自分に都合のいいリアクションを想定して演技する」ということができてしまうのです。

 

ところが、通常の芝居(複数人が登場するもの)は相手役がいます。

会話だろうがアクションだろうが、自分一人で完結するシーンはありません。

だから自分のセリフに対して、想定していないリアクションが返ってくることは当然とも言えるわけです。

稽古始めの頃なんか特にそうですね。「え、このセリフにこんなふうに返してくるの?」とか「そのセリフをそういう感じで言うんだ」と思うことばかり。

そこが芝居の面白さでもあるのですが、一人で完結する芝居に慣れてしまうとちょっとドギマギしてしまうところでもあります。

あと、間がね。一人なら自分のタイミングでできますが、相手がいるとそういうわけにはいきません。ちゃんと息を合わせていかないとシーンがつまらなくなってしまうのです。

 

最近私も一人芝居が楽しくなってきていて、なんでこんなに楽しいんだろうと思っていたのですが、その理由がわかった気がします。自分の都合でできるからなんですね。

相手役のいる芝居のときは意識を切り替えていかなくてはならないのだなと、改めて気づかされました。

 

リッキーさんのライブって、ちゃんと笑えるところもあるんですけど、基本的にリッキーさんが真面目な方なのか、真剣に話を聞いてしまうことが多々あります。昨日も真面目な話だったなあ。きちんと考えなくちゃいけないことではあるんですけど、なんとなく億劫で避けてしまっていたことがテーマでした。

 

自分だけで完結しないようにすること。相手のセリフをきちんと受け止めること。もっと言えば、周りの人の存在を正確に意識すること。そういう基本に立ち返って稽古に挑みたいと思います。ははは。私も真面目だわw