日常への帰還~京都・城崎の旅 | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

二泊三日の旅行に行ってきました。

一泊はけっこうあるけど、二泊はかなり久しぶり。

二泊すると中日がまるまる旅先での行動になるので、非日常感が高まりますね。

 

夫のリフレッシュ休暇を利用しての旅行だったので、週の真ん中、平日の旅行となりました。

人混みが苦手な夫婦ですので、平日がよかろうということでそういう選択をしたわけですが、思いがけない落とし穴がありました(笑)。そう、「定休日」という落とし穴。

ゴールデンウィークが終わって、次の旅行シーズンが始まるまでの期間は、娯楽施設や観光施設はお休みがあるんですね。(つまり日常、平常営業ということです)

あとは、この暇な時期を利用してのリニューアル工事の実施。これにはちょっとやられました。

まあ、事前の調べが足りなかったということなんでしょうけどね。でもそういうハプニングもまた面白いと思えた旅行でした。

 

お天気がずっと心配だったのですが、なんとか3日間いい天気が続いてくれました。

暑すぎず、寒すぎず、雨も降らず。

出発の日はこんな空でした。

刈谷ハイウェイオアシスで見上げた空です。気持ちの良い風が吹いていました。

 

今回の旅程は、初日に京都太秦映画村、中日は福知山城と天橋立、最終日は城崎マリンワールドへ行くというもの。

映画村は何十年も前に一度行ったきりで、最近では山陰本線の車窓から見えるエヴァの躯体が気になっていたので行先に選んだのですが、なんとここが大規模なリニューアル工事の真っ最中でした。広い敷地の中に江戸時代のオープンセットがあったのですが、そこが全面的に解体されていました。空いてる土地にこじんまりとセットを作って、撮影はそこで行なっているとのことでした。たまたま通りがかった役者さんがちょっとガイドをしてくれて、忍者ショーも見ることができてよかったです。

エヴァもよかったですよ。思い残すことはもうありません。

聞けば、いずれこのNERV京都基地もなくなるとか。間に合ってよかったです。

 

初日は京都市内のホテルに宿泊。めったに食べられないような豪華な夕食をいただきました。

翌日の明け方に、部屋の窓から見えた景色。

春はあけぼの、を実感しました。

 

翌日は、福知山城を目指して出発。

ここも、山陰本線の車窓から見えていて、ずっと気になっていた所です。

私はそれほど歴史好きではないのですが、それでも城にまつわる様々な事柄を知るのは楽しいものです。

明智光秀ってこんな人だったのかあ、という驚きもあり、城内で見られるPRビデオもまた興味深いものでした。福知山の高校演劇部や地元劇団の人たちによって作られた映像でした。

青葉が本当にキレイでしたね。

 

たっぷりお城を満喫したあとは、天橋立を目指しました。

話には聞くものの、どんなところだろうと想像が膨らんでいましたが、想像以上に素晴らしいところでした。

ふつう、天橋立というとこういうイメージですよね。

これは、天橋立ビューランドからの眺望。「また覗き」は専用の台がありましたが、そこの説明がちょっと面白かったです。逆さまに見ると龍が天に昇るように見えるという理由は知っていましたが、もう一つ「また覗きをしていると頭に血が上って幻覚を見るようになる」という理由もあると書いてあったのです。そんな理由?!

逆さまに覗かなくても十分素晴らしい景色でしたよ。

飛龍観回廊というのが設置されていて、中空に通路があるのです。ここからはさらに素晴らしい景色が見えました。ちょっと怖かったけど。

 

ビューランドへ行く前に、駐車場から歩いて端を渡り、龍の頭部に当たる場所を少し歩いてみました。

非常に細かい白い砂の浜が続いており、穏やかに波が打ち寄せていました。写真の白っぽい部分です。

 

松林の中を向こう側まで歩いていけるみたいです。3.6キロほどということで、片道50分くらいなんだそう。時間がなかったので入り口あたりで引き返しましたが、向こう岸まで歩いて行くというのも面白そうだなと思いました。

静かでキレイな砂浜でした。

 

天橋立を出て山道をたどり、城崎温泉へ。

宿は温泉街からはちょっと離れたところにあり、有名な城崎温泉の外湯に行くには旅館のマイクロバスに乗っていくようになっていました。

そう、ここで平日問題が発生したのです。城崎温泉は水曜日と木曜日に交互にお休みをするそうで、私たちが行った時は、「一の湯」という洞窟のある温泉と「まんだらの湯」がお休みでした。「一の湯」は万城目学さんの書いた小説に出てきたので行ってみたかったんですけどね。

息子お勧めの「御所の湯」を楽しんできました。露天風呂がとても見事で、気持ちのいいお風呂でした。

そうそう、その日は旅館もお休みしているところが何カ所かあったんですよね。旅館がお休みしてるっていう状態が不思議な感覚でした。息子曰く、「こういう時期に休まないと、休むときがない」とのこと。ゴールデンウィークが終わって、夏の観光シーズンが来るまでの間は、定期的にお休みを取るようになっているのかもしれません。また、平日の夜ということもあってか、かなり人通りが少なく、それはそれで風情があっていいものだと思いました。以前に来たときは、通りに人が溢れていて落ち着かないなあと思ったものですから。

 

この日は満月の前日で、旅館の部屋からはこんな景色が見えました。

手前の川にはコウノトリが来ることもあるそうです。この日はアオサギがたくさんいました。

月がうまく水面に映って、お気に入りの一枚となりました。

 

福知山城と天橋立を満喫した一日は、短いような長いような不思議な時間感覚の一日となりました。「日常から離れる」ってこういうことなんだなと、初めてわかった気がします。

 

最終日は、すぐ近くにある城崎マリンワールドへ行ってみました。

朝イチで入場したので人影もまばらで、ちょっと不安になるくらいでしたが、昼頃にはそこそこお客さんも入っているみたいでした。

アジの釣り堀があったんですが、朝早くということもあってか、アオサギたちが食事に来ていました。ものすごくたくさんのアジが泳いでいるんですよ。だからなのかなあ、ゆうゆうとアジを捕まえて食べていました。すごく面白くて、けっこう長い間アオサギを見てましたね。全然水族館と関係ないんですけど(笑)

アジを食べるアオサギ

 

イルカのショーも見ました。

観客参加のコーナーがあって、思い切って参加してみました。

トレーナーさんに3つの合図を教えてもらって、イルカに合図をする、というもの。

手を叩く動作をするとイルカがひれを打ち合わせる動作をしてくれる。

両手を広げてぐるっとまわるとイルカが体を回転させる。

右手を勢いよく挙げるとイルカがジャンプする。

この3つ。最初にきちんと気を付けの姿勢をして、イルカの目を見ながらこの動作を行なうと、ほんとにイルカがこれらの動きをしてくれるのです。合図の前にイルカの目を見たら、ちゃんとこちらを見ていることがわかって感動しました。すごいなーイルカ。かわいかったです。

 

城崎マリンワールドは日和山海岸というところにあります。

日本海なんですよねえ。とても穏やかで透明度の高い海でした。

後ノ島という小さな島があるんですが、そこに謎の建物がありました。

以前は何かに利用していたようですが、今はそのまま放置されているとか。ちょっと竜宮城みたいな感じです。手前には岩の上に大きな亀の像があるんですが、あちこち欠けたりしていて、ちょっとものすごい風情であります。

 

小高い丘の上に「日和山海岸ミュージアム」という建物があり、コウノトリをめぐるいのちの再生についての展示がありました。

ここからの景色がほんとにキレイだったんですよね。

私が住んでいるあたりだとこんなに透明度の高い海はなかなかありません。

泳いでいる魚の姿までよく見えました。

 

しかしね。この城崎マリンワールドでもちょっとした問題がありました。

なんと、リニューアル工事の真っ最中で水族館の展示がまったく見られなかったのです。

行ってからわかったこと。びっくりしました。建物の外側にいるトドやアシカ、アザラシ、ペンギン、イルカなどは見られたんですけどね。お魚は見られなかった~(泣)

トドのダイビングというショーは面白かったです。一番大きなオスのトドが、お腹から飛び込むという芸を見せてくれたんですよ。本来は頭からスムーズに飛び込むんでしょうけど、あえて「腹打ち」の態勢で飛び込むことで盛大に水しぶきを上げるという芸。かなり派手に水しぶきがあがっていました。

動物園でもそうですが、ああいう所にいる動物は常に人間を観察してますよね。じっとこちらを見ていますし、人が来ると寄ってきたりします。野次馬みたいな気分なのかなあ。

 

魚は見られませんでしたが、景色やショーをたっぷり楽しみ、ついでにアオサギもじっくり観察できて充実した時間を過ごせました。

このあとは出石へ向かい、出石そばを堪能しました。

もう何度目かの辰鼓楼。

 

去年の夏に息子が立った「永楽館」も見たかったんですが、なんと定休日。

平日問題がここでもたちふさがったのでした。いやはや。

 

リニューアルと平日問題はあったものの、おおむね行きたいところへ行って見たいものを見ることができたので、大変満足した旅となりました。

ホテルの朝食バイキングでお腹いっぱい食べると夕方までなんにも食べなくてもいけるってこともわかりましたよ(笑)

 

帰りの道中で見た夕焼け。