城崎にて 前編 | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

どうしてもこのタイトルで書きたかったんです😅


息子が試験を受けている間、半日時間が空くので、城崎温泉へ行ってみようと思っていました。

電車の本数が少なくて1時間待つことになりましたけども。

電車も自動ドアじゃなくてボタンを押して開閉するタイプ。

身延線もそういう電車じゃなかったかしら。こんなところで親近感を持つとは意外でした。


電車はゴトゴトと進んでいきます。

「玄武洞」という駅では川の向こう側に大きな岩が見えました。


この川には驚きました。最初湖かな、なんて思ったくらい、水を満々とたたえ、ほとんど動きをかんじなかったからです。


電車の窓から急いで撮りました。切り取るとなおいっそう湖みたいですよね。
円山川というんだそうです。
山のふもとにこんなに広くて水量たっぷりの川があるという景色が見慣れなくて興味深かったです。
道沿いには「海の駅」というのがあって、これにもびっくり。
「道の駅」はよく知ってますけどね。所変われば品変わる、ですねえ。

そして電車は城崎駅へ。
駅には今風のかわいい「鉄道むすめ」のキャラクターがいました。
駅舎を出るとそこはもう温泉町。
土産物屋さんがずらっと並び、そこここに温泉が。
ここはみんな外湯なんだそうです。だから、次々と温泉をはしごして楽しむのだとか。浴衣に褞袍を羽織った人たちが下駄の音を響かせてそぞろ歩いていました。
今は蟹のシーズンなんですね。

このオブジェも面白かったなあ。
そして店先にはたくさんの蟹、蟹、蟹。但馬牛と蟹で溢れていました。

とりあえず私もそぞろ歩きの仲間入りをして、まずは城崎文芸館を目指しました。
通りからちょっと入ったところにあるので、文芸館は静謐な空気に包まれていました。


志賀直哉、名前の文字を説明する時によく使いますが、実はあんまり作品を読んだことがなくて😅
「小僧の神様」がやっとかな。
「城崎にて」は流し読みでございました。
ここで面白い企画をやってました。
城崎温泉限定販売の出版社があるんだそうです。
「本と温泉」というレーベル。
今回はそれのつくり方という企画展でした。


なんと万城目学さんの作品があったので即買い。ほくほくでございます。
湊かなえさんの作品は、蟹の脚みたいな装丁の箱に入ってるんですよ。これは湊さんファンの友人へのお土産にしました。

こういうのをお土産にすると楽しいですね。
静かな文芸館を楽しんだあとは、またそぞろ歩き。
やはり古い街なんですね。道がとんでもなく狭い。あれは車が走るようにはできてないですわ。あちこちで詰まっておりました。
立ち並ぶ旅館はどこも風情がありました。
木の窓枠のガラス窓、時間が染み込んで飴色になった木の手すり、黒い瓦屋根。いったいいつの時代に紛れ込んだかと思うようね雰囲気でした。そう、まるで「千と千尋の神隠し」の世界。
唐突に現れた四所神社には輝く銀杏がそびえたっていました。


さて、私には一つ計画がありました。
せっかく来たのだからロープウェイに乗ってみたい。
この神社からもう少し行ったところに乗り場があるようなので、私は先を急ぎました。
……………明日に続く。