浮き上がってくるもの | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

今日は、関わっているイベントに関連するフィールドワークに行ってきました。

 

昭和39年当時に高校生だった方たちに集まってもらい、当時のお話を聞く、というもの。

私たちがお話を聞いたのは、サッカー部だった方たちでした。

 

4人の方が来てくださったんですが、初対面だったので、最初は誰が誰だかわからない。

お名前を聞き、お話が始まってもしばらくの間は、ぼんやりとした印象しかありませんでした。

しかし、時間が経つうちに、だんだんくっきりとキャラクターの違いが見えてきたんですね。

そうしたら、顔まで違って見えてきて。

なんというか、一人一人が「この人」っていう感じで、くっきり認識できるようになったのです。

 

こういうことってありますよね。

見えているものは同じなのに、全然印象が変わってしまう。

短い時間だったのに、それでも浮かび上がってくるものがあるのです。

座り方、しゃべり方、言葉の選び方。

さらには、ほかの人との会話のやり取りや、ほかの人の話を聴いているときの様子などから、当時の人間関係まで浮かび上がってくるように見えました。

面白いものですよね。昔話をしていると、その当時の人間関係がふっとよみがえってくるのです。

同窓会、クラス会などでもこういう経験をすることがあります。

あれは不思議なものだなあと思います。

 

息子は別の場所で、別の人たちとフィールドワークをしていたのですが、似たような感想を持ったようです。そして、「芝居で、ああいう雰囲気や空気感が出せたらいいな」と言っていました。

 

何を話すか、どういう言葉を選んで使うか、というのも大事なんですが、雰囲気というのはリアクションで作るものなんだなあと改めて思いました。

人の話を聞いているときに、どういう表情をしているのか、とか、どういう態度を取っているのか、とか、

あるいは、どういう受け答えをするのか、などで、浮かび上がってくるもの、見えてくるものはあるんですね。

話の内容の面白さに加えて、そういうことにも気づけたので、とても有意義なフィールドワークでした。