久しぶりの観劇 | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

「SDなお見合い」

今日が最終日ということで、思いきって行ってきました。

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何か月ぶりだろうなあ。

入場制限をしているので最大10名までなんですが、今日は私を入れて4人でした。

前後左右が広々としているのはいいんですけど、やっぱりちょっとさみしかったかなあ。

しょうがないことなんですけど、若干気持ちが萎える光景ではあります。

 

さて、お芝居の内容は。

このご時世の中、お見合いをしようとしている2人の男女。

テーブルは縦長につなげられていて、その両端に二人は座っています。

あれですね、よく映画などで描写されるような大貴族とか大金持ちの食卓みたいな感じで、長いテーブルの両端に二人が座ってるわけです。(実際は2mちょっとってとこだと思いますが)

二人はフェイスシールドを装着しています。その状態でお見合いを始めようとしているんですね。

この二人の会話がとても「今」を感じさせるもので、また、どことなく「逃げ恥」と似たような雰囲気のあるお芝居になっていました。なんていうかな、極力「理性」や「知性」で物事を解決しようとする、というか。

あと、なるべく正直に、相手に誠実に会話しようとしている人たちとして描写されていました。

ユーモラスなやりとりや、思わず本心がにじみ出たと思わせるような表情もあって、30分という短い時間でしたがお芝居の世界を堪能することができました。

 

舞台はビニールを貼った衝立で客席と仕切られていて、役者さんはその向こう側でお芝居をします。

開演前のあいさつのときには、その衝立とフェイスシールドにさえぎられていたせいか、声がくぐもって聞こえ、「これ、大丈夫なのかな」と心配になりました。

でも、芝居が始まったらそこはプロの役者さん、明瞭な声でやりとりしていたのではっきり聞き取ることができました。それに、ビニールの衝立もいつの間にか気にならなくなっていたのです。それだけ芝居に引き込まれていたんでしょうね。

 

あっという間に終わってしまって名残惜しかったので、少しお話させていただきました。

やっぱり生の演劇はいいな!という感激を伝えられてよかったです。観劇に感激。

 

「SDなお見合い」はまさに今ならではの題材だったと思います。こういう時にできることの一つなのかなと。

エンターテインメント界はほんとに苦しいところですよね。

人にたくさん集まってもらいたいというのが基本なのに、集まってもらうわけにはいかない、という。

人間社会って(主語がでかいw)ほんとに「たくさん集まること」で成立している部分が大きいんだな、と改めて思いました。そこを封じられると手も足も出ないんだなと。

 

この先どうなっていくのかなあ。

久しぶりに生の演劇に触れることができてうれしかったけど、不安も深まってしまいました。