セリフを自分の言葉にする | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

昨日に引き続き、「疾走れ!小五郎」の稽古。

 

今までずっと本読みをしてきたのだが、ぼちぼち立って動いてみようという段階になってきてる。

毎度のことながら、芝居はセリフが入ってからが稽古の本番だなと思う。

座って台本の文字を読んでいるのと、実際に立って動きながらセリフを言うのでは全然感覚が違う。

見ているのが紙面の文字なのか、現実の人間なのかでこうも見える景色が違ってくるのかと思う。

 

台本に書かれた文字を、自分の口を通して実際の音にする。

実に難しい作業だと思う。

心で思ってる、頭で考えている音と、実際に発せられる音の間に、とんでもない乖離がある。

動きを入れることで意識が分散されるし、相手の反応もそのつど違う。

反復マシーンではないので、相手の言葉のニュアンスや動きに対応していかなくてはならない。

そのためには、文字がきちんと自分の言葉に変換されていなくてはならないのだ。

 

まずはセリフを覚えて、動きも連動して覚えて、それからその言葉を自分のものにする。

自分が演じる役が、何を感じて、何を考えてその言葉を発しているのか。

それを自分の身体を通じて納得しなくてはならないのだ。

 

「セリフが自分の中にすとんと落ちる」

その感覚を早く見つけたい。

そうなってからが、芝居の楽しさの本番が始まるのだ。

 

うん。がんばろう。