昨日に引き続き、「疾走れ!小五郎」の稽古。
今までずっと本読みをしてきたのだが、ぼちぼち立って動いてみようという段階になってきてる。
毎度のことながら、芝居はセリフが入ってからが稽古の本番だなと思う。
座って台本の文字を読んでいるのと、実際に立って動きながらセリフを言うのでは全然感覚が違う。
見ているのが紙面の文字なのか、現実の人間なのかでこうも見える景色が違ってくるのかと思う。
台本に書かれた文字を、自分の口を通して実際の音にする。
実に難しい作業だと思う。
心で思ってる、頭で考えている音と、実際に発せられる音の間に、とんでもない乖離がある。
動きを入れることで意識が分散されるし、相手の反応もそのつど違う。
反復マシーンではないので、相手の言葉のニュアンスや動きに対応していかなくてはならない。
そのためには、文字がきちんと自分の言葉に変換されていなくてはならないのだ。
まずはセリフを覚えて、動きも連動して覚えて、それからその言葉を自分のものにする。
自分が演じる役が、何を感じて、何を考えてその言葉を発しているのか。
それを自分の身体を通じて納得しなくてはならないのだ。
「セリフが自分の中にすとんと落ちる」
その感覚を早く見つけたい。
そうなってからが、芝居の楽しさの本番が始まるのだ。
うん。がんばろう。