夢の続きが見たい | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

あの神社、お参りしたかったなあ。

 

 

どこだかわからないが、大きな神社に来ていた。

広い境内にはさくさんの人がいて、思い思いに散策していた。

池もあったような気がする。池の周りを岩や低い木が取り巻いていて、アジサイなんかも咲いてた気がする。

土産物を売る店もいくつかあって、その神社のあちこちを写した写真とか、そうだ、木で作られた耳かきなんかも売ってたな。

あとで買おうかなと思いながら、まずは参拝しようと思った。

夢の中の私は、右手の方に本殿があると思っていたのだが、目の前に看板があって、それを見るとどうやら参拝の順路が書かれているらしかった。

よく見ると、本殿は山の上の方にあるらしい。

ざっくりと描かれた岩山に、赤い線で参拝の順路が書かれている。

右手の方ではなく、左手の方に登り口があるようで、そこから山のてっぺんの神殿へ登って、ぐるっと回って降りてくるようになっていた。

うわー、登るのかあ、とちょっとげんなりしながらも、でもせっかく来たんだしと思い直して歩きだそうとしたとたん。

 

 

ピンポーンとチャイムが鳴った。

 

 

一瞬、何が起きたのかわからなくて混乱した。

あれ? 神社に来ていたはずなのに、なぜ家のチャイムが聞こえるんだ?

脳裏にはくっきりとあの看板の絵が浮かんでいる。

今からお参りに行くのに、と思いながら目を開けた。

 

夢、見てたんだ。

時々、ものすごくはっきりした夢を見ることがあって、そういうときはどっちが現実なのか一瞬わからなくなる。あまりにもリアルな感情が残っているから。

「夢、なんだよな」と改めて自分に言い聞かせないといけなくなる。

 

それにしても、あの神社(いやほんとは神社なのかどうかも定かではないのだが)、お参りしてみたかったなあ。山を登る参道はどんな感じだったんだろう。一周回ったらけっこうくたびれたかもしれないな。

写真と耳かき、買いたかったな。わりと使いやすそうな耳かきだった。