あの神社、お参りしたかったなあ。
どこだかわからないが、大きな神社に来ていた。
広い境内にはさくさんの人がいて、思い思いに散策していた。
池もあったような気がする。池の周りを岩や低い木が取り巻いていて、アジサイなんかも咲いてた気がする。
土産物を売る店もいくつかあって、その神社のあちこちを写した写真とか、そうだ、木で作られた耳かきなんかも売ってたな。
あとで買おうかなと思いながら、まずは参拝しようと思った。
夢の中の私は、右手の方に本殿があると思っていたのだが、目の前に看板があって、それを見るとどうやら参拝の順路が書かれているらしかった。
よく見ると、本殿は山の上の方にあるらしい。
ざっくりと描かれた岩山に、赤い線で参拝の順路が書かれている。
右手の方ではなく、左手の方に登り口があるようで、そこから山のてっぺんの神殿へ登って、ぐるっと回って降りてくるようになっていた。
うわー、登るのかあ、とちょっとげんなりしながらも、でもせっかく来たんだしと思い直して歩きだそうとしたとたん。
ピンポーンとチャイムが鳴った。
一瞬、何が起きたのかわからなくて混乱した。
あれ? 神社に来ていたはずなのに、なぜ家のチャイムが聞こえるんだ?
脳裏にはくっきりとあの看板の絵が浮かんでいる。
今からお参りに行くのに、と思いながら目を開けた。
夢、見てたんだ。
時々、ものすごくはっきりした夢を見ることがあって、そういうときはどっちが現実なのか一瞬わからなくなる。あまりにもリアルな感情が残っているから。
「夢、なんだよな」と改めて自分に言い聞かせないといけなくなる。
それにしても、あの神社(いやほんとは神社なのかどうかも定かではないのだが)、お参りしてみたかったなあ。山を登る参道はどんな感じだったんだろう。一周回ったらけっこうくたびれたかもしれないな。
写真と耳かき、買いたかったな。わりと使いやすそうな耳かきだった。