役者の熱量 | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

開場まで時間があったので、近くにある花園神社へ行ってみました。

DSC_0150.JPG

DSC_0151.JPG

きれいな神社でしたね。

ここは、倉稲魂神(うがのみたまのかみ)と日本武尊(やまとたけるのみこと)、受持神(うけもちのかみ)の3柱の神様が祀られているそうで。

芸能の神様もいらっしゃったそうで、お参りしてくればよかったかな。

 

さて、開場となったので劇場へ。

前説があるということだったので、楽しみにしておりましたところ、思いがけずすごい前説を聞いてしまいました。

今回の一人芝居を上演する大石敦士くんの芝居仲間である久保田創さんが前説をしたんですが(あ、水鳥さんもしてましたけど)、彼の話がなんともすさまじかったのです。

敦士くんとの交遊についての話から、ご自身のお父様の話になったのですが、最後には胸がいっぱいになって芝居が始まる前から涙が出てしまいました。切なくも温かいお話でしたよ。

でも、あれ、ほんとの話だったのかしら、とちょっと思いました。

なぜなら、そのあと始まった芝居の内容がかなり現実と近いようなところから始まったからです。

実名は出るし、実際の出来事も織り込まれているし。私は見ながら「これ、お芝居なの?」とちょっと混乱してしまいました。

でも、芝居が進むうちに、そのことが気にならなくなっていきました。

実話風ではあるけれども、芝居のポイントはそこにあるのではなく、用意されたストーリーの中で役者がどれだけ本気を見せられるかが重要だと思ったからです。

 

いつの間にか私は彼が創りだす物語の世界を体感していました。

たった一人、なんの舞台装置もなく、衣装すらふだんの練習着で、でもそこには一つの世界が創りだされていました。彼の叫び、笑い、泣き顔、そのすべてが私の心を強く揺さぶりました。

本気でそこに存在していることの強さと美しさに圧倒されました。

 

でもきっと、あのあと彼は演出の人からダメ出しくらったんでしょうね。そのことを思うと、表現するということの奥の深さに打ちのめされるような思いがしました。

 

なんだかぼーっとしたまま、帰路につきました。

まだちょっと衝撃が残っています。

あんなふうに強く表現するのってすごいなあ。ああいうふうにできたらどんなにいいだろう、と思います。

(でもきっとできないだろうな)

 

なんかすごいもの観た。そんな感じです。

明日も公演があります。1公演急遽追加になったので、明日は3公演。

喉をつぶさないようにがんばってほしいと思います。

DSC_0148.JPG

 

新宿ゴールデン街劇場。面白い劇場でした。

 

あ、話には聞いたことのある「新宿ゴールデン街」、初めて見ました。

昼に見るとあんな感じなんだなー。