終わっていく | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

ここのところ、知り合いによくあきれられているんですが、去年の12月から毎月舞台に立つことになってます。

12月は所属劇団であるMUSESの「熱海殺人試験」浜松公演。

今月1月は、「あけましてよにんしばい」

来月2月は、劇団昇心ハートブレイクの「夢幻街の観測者」

そして3月は、劇団Z・Aの「マクベス」

なんともはや、とんでもない暴挙であります。ナニヲヤッテイルンダ。

なんとかなるだろうという希望的観測のもとに決めたスケジュールでしたから、とりあえずはなんとかやりくりしております。充実感といいますかね、そういうものに満たされている毎日ではあります。

もちろん、しんどいし、なんでこんなことしちゃったかなと思うときもあるんですが。

 

それでも、たゆまなく時間は流れ、いつの間にか日が過ぎていきます。

12月の公演ははや忘却の彼方、先週終わったばかりの四人芝居ですら、もう過去のものとなりました。

「夢幻街の観測者」の公演は今度の日曜日。そう、来週の今頃にはもう終わってしまってるんですね。

 

そうやって、ひとつずつ終わっていくんだなあと、なんだかしみじみした気持ちになってしまいました。

今日は通し稽古だったんですが、みんなのエネルギーがさく裂してて、とても熱い稽古場となりました。

こんなエネルギーのかたまりも、来週には跡形もなく消えてしまうんだなあ。

 

フィクションの世界では、時間は行ったり来たりできるものだったり、別の時間軸があったりと実に自由自在なんですが、今現在ここにいる私にとっては、圧倒的に一方通行の流れであって、昔に戻ることもできないし、未来へ飛ぶこともできません。

コツコツと刻まれる「時」はずっと一定の速度で流れていくだけ。

流れ去った「時間」はいったいどこへ消えてしまうんでしょうね。

 

「夢幻街の観測者」では「パラレルワールド」という概念が出てきます。別の世界、別の時間軸、そこを行き来する人。そういうお話の中にいるとひときわ、「時間」の不思議さを感じます。

 

大変だ大変だと言いながら、いつの間にか終わっていくもんなんですねえ。