雨の日の猫は眠たい | 10月の蝉

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台風27号はまったくのんびり屋さんで、困ったものです。
さっさと28号に引っ張られて立ち去ってほしいとせつに願っておりますが。

予想のコースから大きくずれて直撃は免れましたが、雨は降っています。
たぶんもうすぐ上がるとは思うんですが、ザーザーと降り続いています。


雨はほんとに嫌い。
必要なものだってことはわかってますけどねえ。嫌いなものは嫌いなんですよ。
猫だって、雨の日は外に出ませんもんね。
できることなら猫になって、どっかぬくぬくとしたところで終日まどろんでいたいです。

好きな過ごし方というか、究極の理想形としては。
一日中家にこもって、お気に入りの小説やマンガを読み耽る。
これにつきます。

むかし、独身だったころは、こういう過ごし方ができました。
独身ですから、家事はやらなくても済むんですよね。
雨の日はとにかく外に出たくない。濡れるのがほんとにいやで。
だから、一日家にこもって本の虫になってました。
さいわい、食べるものにはこだわらないタチなので、なんか腹塞ぎがあればいいと。
それでじゅうぶんしあわせでした。

雨の音は心を落ち着かせる、という説がありますが、私はだめです。
雨音を聞いたり、雨が降っている景色を見ていると、どうしようもなく不安になってしまうのです。先行きに対する不安、災害に対する不安など具体的な不安もありますが、とにかくあのどんよりと暗い空と、ビシャビシャに濡れている外界の様子を見ていると、居ても立ってもいられないような不安に襲われます。
なんかねー、「どうなっちゃうんだろう」って思っちゃうんですよ。

だから、ぴったりと窓を閉めて、カーテンも引いて外が見えないようにして過ごしたい。
本の世界に浸ってしまえば外界の音は聞こえなくなりますから、音楽は不要。
たまに、見栄を張って(だれに?)音楽を流したりすることもあるんですけど、部屋の中に音楽が流れている状態がむしろ緊張を誘うので、結局音は止めてしまいます。


結婚してからは、そんな贅沢な時間の使い方はできなくなりました。
生活そのものが、他者の都合にあわせて動かなければいけなくなりましたからね。
夫の都合、子どもの都合、そして、家庭運営のためのさまざまな用事。
そういうものが一日の中に点在していて、夫や子どもの送り迎えや、買い物などで否応なしに外へ出なくてはいけません。
結婚してからはさらに雨が嫌いになりましたねえ。洗濯物の扱いひとつとったって、雨は大変困った状態なのです。

雨が降ると、一人暮らしのころを懐かしく思い出します。
自分のためだけに時間が使えていたあのころは、ほんとに快適だったなあと。


高校生のころに、大好きな男の子とデートの約束をして、思いっきりすっぽかされたことがあります。原因は雨。
駅で待ち合わせだったのですが、私が2時間待っても彼は来なかった。
当時は携帯電話なんかありませんし、お家に電話するのはとてもハードルが高かった。
後日、待ち合わせに来なかったことを責めたら、「雨だったから当然中止だと思った」とあっけらかんと言われて、絶句したものです。
雨が降るたびにそのことを思い出します。
あたしだって、雨降りの日に出かけたくはなかったよお。でも、好きな人との約束だからと思ってがんばったのにね。
ま、世の中そんなもんだということを教えてくれた貴重な体験でした。



今日の雨は午後まで降り続きそう。
午後は知り合いが出演する芝居を見に行かなくちゃいけないんですよねえ。
やれやれ。