「ダ・ヴィンチ」を買った。
たくさんの作家さんたちが、自作について語っている。
こんなことを書きたいんだ、こんな思いを込めたんだ、と熱く語っている。
それを読むと私は奈落の底に突き落とされたような気持ちになる。
私にはなんにもない。
語りたい物語も、訴えたい思いも、なんにもない。
ただ、「なにか書きたい」という衝動しかないんだ。
だから、何も書けないんだなと思う。
わけもなく「書きたい!」という衝動だけで原稿用紙(もしくはPCの画面)に向かっても、書くべき内容がひとつも浮かんでこないから。
みんな言いたいことがあるんだな。訴えたいことがあるんだな、と思うと、ひどく自分が惨めになってくる。
たま~に、「別に訴えたいことなんてなんにもないですよ」と言って作品を作っている人もいる。面白い話がかければそれでいいんだ、と言い切る姿は清々しいしかっこいい。
私もそう言いきれればいいんだけど、あいにく、私には「面白い話」が書けない。
なんにも持ってないのに、書きたいという衝動だけを持っていることの苦しさ。
脂汗をかいてひねり出したものが、とうてい基準に達していないということがわかってしまう哀しさ。
それでも「書きたい」という気持ちを捨てきることのできないやりきれなさ。
そんなものをずっと後生大事に抱え込んでる。
せめて、アンテナだけでも高くあげて、必死でネタをかき集めようとしてるのが最近のこと。
ようやく、当たり前のことができるようになったのかもしれない。