北区AKTSTAGE 旗揚げ公演を見て、演劇について考えた 1  | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

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昨日は、脳みそが激しく引っ掻き回された一日でありました。
知的興奮やら、精神的ドキドキやら、あまりに広範囲にわたる刺激のために、今日もまだなんだか脳みそがふわふわしております。いつものことだとか言わない。

上の写真は、昨日撮ったもの。飛鳥山公園の中にある「桜の賦の碑」だそうです。
よくわかんないけど撮ってみました(笑)

メインの観劇感想と演劇についての考察へ行く前にちょっと寄り道。
そもそも私、王子駅っていうとこへ行ったのが生まれて初めてなんですわ。
なんでここへ来ることになったのか、つらつら思い返してみると、セレンディピティとでも呼びたくなるような偶然から話が始まっていたのです。

あれは6月のとある日のこと。ずっと芝居でつながっているKと昔話をしていました。そこでふと「そういえば、あいつどうしてるかなあ」という話になったと思ってください。この「あいつ」というのが、10年ほど前に拙作の芝居に出演してくれた大石敦士くんなんですが。
「高校を出て東京へ行ったっていうのは聞いたけどねえ」などとおぼつかない記憶を探っていても埒が明かないので、ネットで検索してみました。以前検索したときはヒットしませんでしたが、今回はばっちりヒット。ブログもやってるし、タレント名鑑にも載っちゃってる( ̄□ ̄;)!! なんか本格的に俳優さんになってるじゃないの、と、田舎のおばちゃんは大はしゃぎしてしまいました(*⌒∇⌒*)
ブログを見ると、近々旗揚げ公演があると書いてあります。チケット予約はメッセージをくださいとも書いてある。私は恐る恐るメッセージを送ってみました。
「だれ?」って思われないかなあとドキドキしながらね。
……ちゃんと覚えててくれました。ブログやっててよかったなあと思いましたよ。
チケットを頼んで、はるばる東京まで芝居を観に行く事にしたのでありました。

ほんとにねえ、呼ばれたとしか思えませんですよ。ドンピシャのタイミングで話題になって検索するなんて。こんなこともあるんですね。

で、王子駅ですわ。
グーグル先生でしつこく調べました。京浜東北線? そんなのがあるんだ。ふむふむ。南口?そりゃまたずいぶん遠い経路だね。いやいや北口からいけるやん。
などなど試行錯誤を続けているときに、ふと気づいたのが線路の西側。
「飛鳥山公園ってなんなん?」と。けっこうな面積をもつ公園のようで、春は桜の名所らしいですね。今は緑が豊かな森林浴って感じかな。
どうせなら、ここを散策してみようと思って、ちょっと早めに東京へ向かったのでした。
北口から西へ出ると風情のある光景が広がっていました。一瞬、昔の遊郭?と思った私の頭は腐ってます。
音無親水公園というところだそうです。水遊びできるように整備された水の流れに、子どもたちの声が響いていました。
飛鳥山公園にも大噴水というのがあって、たくさんの子どもが取り付いて水を戯れていました。周囲には暑さにうだる親が若干羨ましそうに子どもを見守っていました。
飛鳥山といいながらたいそう低いわけですが、それでも上まであがってしまうとそこそこ高さがあります。昨日掲載した写真↓
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これ、「アスカルゴ」っていう名前なんだそうですが、その窓から見下ろした光景がこちらになります。
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赤い帯みたいなのが明治通りですかね。

そんなこんなで遊びつつ、気づけば開場時間が近づいてきておりました。
トコトコと北とぴあへ向かいます。
なんですな、グーグルマップというのはやけに距離を遠く感じさせますな。
実際にその場に立ってみれば、駅から北とぴあはすぐそこでした。迷う余地なしw
中に入れば目の前にエスカレーター。上の方で客入れの声が聞こえてきます。
いよいよ観劇の始まりです。

ちょっとその前に(またか)。
今回の観劇旅行では、(私にとって)とてもめずらしい体験をしました。
それは全然知らない人と社交した、というもの。
最初は、「広島に原爆を落とす日」を観終わって、近くの喫茶店でお茶してるときでした。丸いテーブルで相席になった方が芝居のパンフを持ってらして、私に声をかけてこられたのです。今その方も同じ芝居を観ていたということで、しばし歓談することに。
芝居を観終わったあとの興奮が残っていて誰かと話したいところでしたので、とても楽しく話ができました。でも、こんなことってほんとにあるんですねえ。
地元で知り合いの劇団の芝居を観たって誰とも話をしたりしないというのに(笑)。見知らぬ土地ゆえの出来事だったのでしょうか。それともその方が非常にフランクな方だったのか。
非社交的な性格ですので、私の方から知らない人に話しかけるなんていうハードルの高いことはできませんが、話しかけられればちゃんと受け答えくらいはできるようになりました。大人になったんです( ´艸`)
その方は久保田創さんのファンだそうで、そこからの追っかけだとおっしゃってました。つか作品にはあまり詳しくないとも。
で、私もそうなんですね。つか作品をまともに舞台で観るのは初めて。せいぜい映画を観たことがあるくらいなんです。そんな話をしてました。
2度めは、劇団初のオリジナル「我が上なる星空」を観るために客席に座っていた時。となりにきた男性となぜか少しお話してしまいました(〃∇〃)
解散前のつかこうへい劇団に所属してた方だそうで、あつしくんの同期だとか。
その方は進路を映像のほうに変えて、今がんばっておられるそうです。
名前を出していいかどうかわかんないので、ここには書きませんが、ペタをいただきました。著名な陶芸家と同姓同名だそうで、検索するとそっちが先に出ちゃうのが悩みの種だとおっしゃってました。タイヘンダナア。
隣の席の人と話をする、というシチュエーションは、ありそうでなかなかないもんです。少なくとも私にはありません。良く言えば人懐こいおばちゃんがやたら話しかけてくるというパターンならありますけどね(笑)

以前読んだ平田オリザさんの演劇の本の中で、「電車のボックス席で一緒になった見知らぬ人に話しかける」というシチュエーションが、どうしても高校生にはできないんだ、という話が書いてありました。
今回の自分の体験から、このエピソードが非常に実感を持って迫ってきましたよ。
「話しかけられる」というのはこういう感じなのか、とか。話しかけられないという状況はどういうものなのか。

生身の私はこういう非日常体験で精神的に軽くパニックを起こしていたのですが、もう一人の私はさっそく手帳を出してメモってました(笑)。
現実の私はヘタレですから、その場でちょっと会話しただけで終了してしまいますが、設定としては、ここから人間関係が始まるというのがありなんだなと。
なるほどね~(メモメモ)って感じでした。

ここまでで長くなってしまったので、続きます。m(_ _ )m