「今年の梅はもう盛りを過ぎたんですよ〜。」
と地元の方から聞いていたが、それでも、
「すご〜い!綺麗〜!」
の感動モノだった。
茨城県といえば水戸の偕楽園の梅が有名だけど、県内には桜の名所が此処彼処にある。
《西の吉野、東の桜川》
と言われる茨城県桜川市の桜は有名で、一度訪れたい場所の一つ。
「桜に纏わる話も多いんですよ。」
そう教えてくださったのは、
《水戸歴史芸能の会》と《水戸千本桜プロジェクト》の皆さまだった。
その皆さまと出会ったきっかけは
千波湖を間近に望む、和食懐石のお店『とう粋庵』さん。
こちらの社長さんとご縁をいただき、
16年前にお食事と合わせて開催した講談の会。
以来、とう粋庵さんは水戸からぎんざ寄席へお越しくださるなど、
ご縁を繋いでくださっている。
ありがたい。
お料理が美味しいのはもちろん、
社長始め、スタッフの皆さまの対応が素敵✨
細やかなんだけど気さくで温かい。
近くにあったら、何かしらにかこつけて食べに行きそう(お財布と相談しながら💦)。
このとう粋庵さんからご紹介いただいた《水戸千本桜プロジェクト》の代表、
そして教師でもある稲葉寿郎先生。
あちこちで講演もされている稲葉先生(すっごく分かりやすくて楽しい!)が
講談ネタにしたいと書かれた原稿。
相談しながら肉付けをし、そぎ落とし、その作業を繰り返すこと30回以上。
ようやく仕上ったのが【水戸 左近の桜 譚(ものがたり)】。
実はこのネタ、2021年2月に一度、水戸で読んでいる。
かなりボリュームがあったので、今回は短くすることも含めてブラッシュアップ。
そして、本番を迎えた。
古典ネタ一席、先生の解説、そして《水戸 左近の桜 譚》。
1時間の公演の後が食事。
11時と18時の2回公演。
9時前、水戸駅に到着。
9時過ぎ、とう粋庵さんへ(空いてたらタクシーで5分程度)。
すぐマイクチェックなどの舞台確認をし、
稲葉先生の前で通しで読んで最終チェック。
控え室に戻ると開演30分前💦
着替えを済ませ、台本に再度目を通しているうちに(ギリギリまで足掻くタイプです)、
昼の回の開演となった。
まずは柔らかい雰囲気でリラックスしていただこうと、
【野狐三次の木っ端売り】をマクラを入れて15分で読んだ。
先生が解説をされているうちに袴を付け替え(萌黄から金茶へ)。
10分後、再び高座へ。
【水戸 左近の桜 譚】を読んだ。
朝廷と徳川家が主軸となるこのネタ。
そこへ平安の世に遡って左近の桜の歴史を振り返る場面もあり、
耳から入る情報だけでは私も分からなくなりそうになる。
これを如何に分かりやすく、
娯楽の要素も加えながらお客さまにお届けできるか、、、
というわけで、内心かなり必死だった(笑)
そんな私の背中を後押ししてくれたのは、とう粋庵さんが拵えてくれた会場セッティング。
桜の生花がここかしこに見事な姿で生けられ、
桜のネタを読むのにこれ以上無いという演出をしてくださった。
それは私のためではなく、
お客さまに存分にお楽しみいただきたい、お喜びいただきたいという、
おもてなしの心の表れだった。
↓ 素敵ですよね〜
↓ 控え室としてお借りした部屋から見える千波湖
おかげさまで、緊張しながらもワクワクしながら読むことができた。
夜の回も同様の流れで高座を務めた。
昼夜共、お客さまからは、
「左近の桜のこと、詳しく知らなかったんですけど、
すごく分かりやすかったです。」
「楽しかった。」
「目の前に情景が浮かびました(これは会場に桜があったからかも、笑)」
とのお言葉をいただき、ホッとした。
「故郷の歴史をもっと気軽に知る機会を作りたい。」
この思いで始まった企画だったので、本当によかった。
お客さま「また会いましょうね。」
ひまわり「ぜひ〜!」
またいつか、このネタを読める日が来たら嬉しい。
そして、今日お世話になった、お会いした皆さまとの再会が叶ったら嬉しい。
ひまわり
【追記】
昼夜公演の合間に近所を散歩した。
偕楽園の中には入らなかったのだが、
千波湖近くの梅林(千波公園内?)が十分な広さだったので、
そちらをブラブラ。
天気が良くて気持ちよかった。
梅の木の前で自撮りしていたら、外国の方が、
「撮りましょうか?」
とお声をかけてくださった。
めっちゃいい人だった〜 ^_^