ドラマ「与鳳飛」 第4集 | 江湖笑 II

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中国ドラマ・小説の各話あらすじです。完全ネタバレしております。
9/29より更新予定は…
月・水=短劇「玉奴嬌」
金・土=ドラマ「長楽曲」(前後編)

ドラマ「与鳳飛」

 

第4集

 

 

 

 

 

 

 

<4>

 

 

「刺繍は得意でしょ? 三日後に私の誕生日会があるから、この服に刺繍を入れなさい」

 白依依は南娰に衣服を投げた。言う事を聞かなければ青楼へ売り飛ばす、と脅しまで加える。

 

 

 その夜、南娰は布団と共に蒼寒聿を居室から追い出した。そして翌朝までに刺繍を完成し、白依依に届けた。

 服を受け取った白依依は、さっそく羽織ってみる。

 そこへ蒼老夫人がやってきた。

「姑姑、見て下さい。この刺繍は表嫂の贈り物なんですよ」

 いけしゃあしゃあと白依依が刺繍の部分を蒼老夫人に見せる。

 ところが老夫人が褒めた途端、白依依は顔をしかめた。

「頭痛が…」

 ちらっと南娰を見た白依依は、がさがさと衣服の中を探った。

 床に何かが落ちる。人型に切り抜かれた紙人形だ。

「どうして私の生年月日がここに?

 紙人形には白依依の生年月日が書き込まれていた。

 呪詛だ。

 

 

 すぐさま蒼老夫人は命令を下した。南娰が寝起きしている居室の捜索だ。

 蒼寒聿を含んだ全員が見守るなか、侍女の翠児が人形を見つけた。しかしそれは白依依が隠した布人形ではなく、陶器の人形だった。

 南娰は陶器の人形をひったくるようにして取り返した。

「これは子宝に恵まれるため、苦労して手に入れた人形です! 蒼家に跡継ぎが生まれなかったらどうするんですか!?

 こんなことになってごめんなさい、と南娰は愁傷に蒼寒聿へ謝った。態度の豹変に驚いた蒼寒聿だったが、話を彼女に合わせる。

「もしかして、依依妹妹は私を陥れようとしたの?

「それが本当なら、厳罰が必要だな」

「待って、私がやったですって!?

 白依依は蒼老夫人に助けを求めた。夫人は白依依の言い分を信じると言いつつ、息子に判断をゆだねる。蒼寒聿は、南娰への謝罪を求めた。

 白依依が不承不承ひざを折り、謝罪する。しかし心中では南娰を罵っていた。

 

 

 京城へ通じる山道を一台の馬車が走っている。乗っているのは蒼家の庶子で蒼寒聿の兄、蒼雲澤だ。

 彼は実母の遺灰を納めた小さな壺を大事そうに抱えていた。

 蒼府を追い出され、長年の貧乏暮らしが祟った蒼雲澤の母は、とうとう亡くなってしまった。命が尽きる寸前、彼女は蒼家の墓に入りたいと息子に願いを託す。

 その願いを叶えるため、彼は蒼府へ向かっていたのである。

 

 

 蒼寒聿が南娰に花を持ってきた。仕事でしばらく留守にすると伝える。

 さっさと行ってしまえと南娰が睨むと、彼は急いで居室から出て行く。それでも、ひとりになった南娰は、楽しそうに花を花瓶に生けた。

 不意に南娰は強い眠気を感じた。耐えられず、卓に突っ伏す。

 しばらくして、窓から男が侵入してきた。男は白依依から依頼され、催眠効果のある煙を使って侵入したのだ。

「これが美人だと評判の蒼少奶奶か。とうとう…」

 男は突っ伏す南娰に近づきながら、下卑た笑いを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

<5集に続く>