ドラマ「寵妃凰図」 第7集 | 江湖笑 II

江湖笑 II

中国ドラマ・小説の各話あらすじです。完全ネタバレしております。
5/13より更新は
月曜~木曜:短劇「与鳳飛」(「寵妃凰図」続編)
金曜~土曜:短劇「難尋」

ドラマ「寵妃凰図」

 

第7集

 

 

 

 

 

 

 

<7>

 

 

 往来の真ん中で南娰を侮辱した蒼明斉が処分された。端王府へ聖旨を届けた太監は、嫡子である蒼明斉の世子の封号をはく奪、次男で庶子の蒼明華を世子に封じる旨を伝える。

 端王妃も蒼明斉も納得いかないが、皇帝命令には逆らえない。新たに蒼明華を世子に封じてもらうため、端王は次男を連れて宮中へ上がった。

 蒼寒聿は、まず叔父の端王を御書房に通した。

「朕の決定に不服があるか?

「滅相もございません!

 平伏して従う姿勢を見せる。しかし、これまで武国で庶子が世子に封じられたためしは無い。その点を端王は訊ねてみた。

「端王府が無くなってもよいなら、朕は世子が明斉でも構わんぞ」

 心当たりのある端王は冷や汗が噴き出る。

 

 

 端王を帰し、蒼寒聿は父を待っていた蒼明華を御書房へ呼んだ。

「明華、なぜ朕がおまえを世子に封じたか分かるか?

「分かりません」

 蒼明華は素直に答えた。

「もうひとつ、訊ねたいことがある。将来、権力を握りたいか、それとも端王府の主人になりたいか?

「私は実権を握りたく存じます。陛下のお計らいに報い、絶対的忠誠を誓います!

 

 

 かれこれ丸一日、蒼明華は南相府の庭でひざまずいていた。暗閣に加えてくれるまで帰らないと頑なだ。

 南娰は、彼を蒼寒聿の寄越した監視だと推察した。

 素衣を従えた男装の南娰は、今にも倒れそうな蒼明華に声を掛けた。

「一日放っておいた私が憎いか?

 蒼明華は青白くくたびれた顔で小さく首を振る。

「皇上の命令とは言え、奸相と陰口を叩かれる私の侍衛になることを、甘んじて受け入れられるか?

 蒼明華はうなだれた。

 南娰は、そんな彼の目の前に剣を投げた。悔しければかかってこいと煽る。剣を握った蒼明華は、やあ、と気合を込めて南娰に剣を突き出すも、足を引っかけられて無様に転んだ。

「本当の強者は、他者からの憐憫や施しを必要としない、自らの足で立っている者のことを言う」

「いつか必ず強くなって、父やすべての人に認めてもらうんだ!

 今まで日陰の身で悔しい思いをしてきたのだろう。見返したいと声を絞り出す蒼明華を見て、意欲はありそうだと南娰はほほ笑んだ。

 突然、南娰の脳裏に幼い日々の情景が浮かんだ。少年の蒼寒聿を小七と呼び、木剣で負かして師父と呼ばせる光景、太后と少年の蒼雲澤の前でひざまずく彼に、悪くなければ謝る必要はないと諭す光景だ。

 南娰の過去にこのような出来事は無かった。一体、どこから蘇った記憶なのだろうか。

 

 

 

 

 

 

<8集に続く>