ここで便宜的にエキュメニコスの指示代名詞を「彼女」とすることにする。
何故なら、最初に現れた時に、エキュメニコスは女性だったからである。
彼女は名前を二つ持っている。
(これは本当は言ってはいけないことかもしれないが、彼女はむしろ歓迎しているようなので、書くことにする。)
エキュメニコスはローマ字で綴るとEcumenicousとなる。それがひとつめ。
二つめは、Ecumenicousの最初のcがpに変化したEpumenicous。
カタカナで綴ると「エピュメニコス」となる。
何故そのようなことが起こるのか。
それは、彼女が住んでいる世界はわたしの心の中なので、そこに居住する者たちはそこで適応するため、いろいろと現世とは違う奇妙なことを行っているのである。
名前を二つ持つのは、魔除けのためだそうだ。
一つの名前を目掛けて呪詛が飛んできても、もう一つの名前にサッと乗り換えることで、魔術を除けることができる。
あの世では、魔術は普通のことなのだ。
なぜかといえば、その世界の生き物たちは、肉体を持たない。
わたしの空想の世界だからだ。
肉体を持たないから、普通の意味での暴力、物理的な攻撃は、意味がない。
それに代わるものとして、精神攻撃があり、その中のテクニックの一つとして魔術が存在するのである。
わたしは彼らとやりとりする中で、何度も「魔術を知らなすぎる、もっと魔術を学べ。」となじられたものだ。
しかしながら、肉体を持つ存在にとって、魔術とはさほど意味のあることではない。
思うに、わたしが彼らのことをよく知らなかったように、彼らもまた、わたしのような人間、肉体を持つ存在のことを、よくわかっていなかったのかもしれない。