一冊の本が人生を変えることがあります。
奈良の生駒でヒプノセラピーのサロン「RAINBOW ORB (レインボウオーブ)」を主宰する珊瑚珠色さんはかつてアロマセラピストとして活躍していたころにクライアントさんからもらったブライアン・ワイス博士の『未来世療法』を読み、ヒプノセラピーを知りました。
それが契機となり日本ホリスティックアカデミー(JHA)でヒプノセラピーの全講座を学ばれました。特に生死にかかわるセラピーを扱うことに深い関心を抱き、悲嘆療法、年齢退行療法、前世療法などをベースにしたターミナルヒプノ(余命告知を受けた方とその家族のサポートを行うヒプノセラピー)を開発し、それを専門にしたヒプノセラピーを主に行っています。
そしてこのほどご自身の体験とクライアントさんとのセッション体験をもとに書籍『魂はいつも君のそばにいるよ -- 生死のためのヒプノセラピー』(静林書店刊:定価2000円+税)を「JHA出版サービス」を利用して出版されました。
この本は以下のショップから購入できます。
《ホリスティックメディアショップ(HMS)》 (※HMSでは筆者のサイン入りカードが付きます)
https://hms.sound-st.com/book.html#sango
《アマゾン》
この本に掲載されている17のケースからは筆者の人間愛とクライアントさんに対する思いやりや労わりや優しさが伝わってきます。
この本には筆者による人生の体験とクライアントの感想が綴られています。その言葉の一つひとつが重く貴重な価値をもっています。
特に丸々一章を費やして描かれたある年老いた病気の母親とその娘さんへの一年以上の月日をかけて行われた誠心誠意のターミナルヒプノには心打たれるものがあります。
深い信頼関係のなかで、この母親は娘さんも驚くほどに珊瑚さんに心を開くことができました。最終的には「病気を和らぎながら眺めていようという気持ち」になり、その奥に「大きな、大きな、気づくべきことがたくさん」あることにも気づかれました。
それらをたくさん気づかれてこの母親は旅立たれたのです。
それ以外の16の症例のそれぞれも深い感動を覚えることなしに読むことはできません。人の経験によって読む者も心を突き動かされ、自然に癒されるということが実感されます。
ラポールをしっかりと取って、クライアントの気持ちを思いやりながらしっかりとセッションの出来るセラピストに出会えれば確実にクライアントさんは癒されます。
また、この本には死を覚悟した筆者の体験も描かれています。患者の気持ちを思いやることもできず、医術も未熟な医師が呆れ果てた言動と誤診で筆者を絶望の淵に追いこんだ実話です。
それが筆者の心に反骨精神を引き起こしてくれたとしてもこの医師は「医師失格」の前に「人間失格」というしかありません。この本を読んで猛省すべき存在は大勢いるのではと思いました。
人は経験によって喜び、経験によって傷つき、経験によって学ぶ知識と智恵を活かすことで、よりよく生きることが可能になります。
セッションを受けられた方の感想文にこのような描写がありました。
「最高に癒され、満たされた状態で終了したセッションでしたが、終わってからもその状態は続いています。心のなかはまちがいなく穏やかになりました。あのときこうしていれば、こう言っていれば、という過去へ向かう後悔の念がなくなり、自分の今を、この体で強く感じられるようになりました。もっと自分を信じて、周りにあふれるたくさんの愛情を受け取って、生きていこうと思います。」
セッションもそうであるように、この本も生きる意欲を起こさせてくれます。
悲嘆を経験した人、死の予期悲嘆や死別による悲嘆などで悩み苦しんでいる方は勿論のこと、すべての方にお薦めしたい一冊です。