ペッド・ミドラーの『ROSE』が使用されているだけで、私は、入り込めます。
 

韓国での放映は終了していますが、ネタバレOKの方のみ、おすすみください。お願い

 

ザ・ゲーム:0時に向かって 더 게임:0시를 향하여

【Episode 23】

(前回ラストからのおさらい)

湖畔沿いの道路に停められたテピョンたちの車にむかって、ひた走るジュニョン。

 

ジュニョン:目をつぶるべきじゃなかった・・・。知っていなければならなかったのに。そのまま、放置しておくべきじゃなかった。あなたの気持ちは、ちゃんとわかってたのに・・・。

 

ジュニョン「テピョンさん・・・・!」


必死に走ってくるジュニョンの姿に気づくテピョンと、ヒョヌ。

それぞれ、涙を流しながら、まっすぐジュニョンだけを見つめる男たち。

 

ジュニョンの、テピョンの名を必死に叫ぶ声を聞き、はぁ・・と息を吐き、シートに背をつけるヒョヌ。

わかっていても、これだけはっきり、求められていないのがわかるのは辛いよね。

 

テピョン:これが、君を救える唯一の方法みたいなんだ。

 

内ポケットから、スイッチキーを取り出すテピョン。車の下に、爆弾がセットされている。

スイッチの上に指を置くテピョンに気がつき、はっとテピョンのほうを見るヒョヌ。

 

テピョン(ごめん。君を一人で残してしまって・・・)

目をつぶり、指を強く押すと、爆発する爆弾。

思った以上の爆発の威力で、火に包まれた車が宙を舞い、回転しながら湖面に落ちていく。

爆風に、足がとまるジュニョン。

ジュニョン「あああああ」

手で口元を押さえるジュニョン。

ジュニョン「テピョンさん!!」

ジュニョンの悲鳴とともに、完全に、湖に沈んでいく車。

ジュニョン「だめ~~~!」

 

 

◆◆◆




~テピョンの部屋~

それぞれに書いた遺書代わりの手紙を、手にしているテピョン。

 

『ジュニョンさんへ』

 

穏やかな表情で眠っているジュニョン。

手紙の束をキャビネに置くと、ベッドに腰を掛ける。

上から下まで、真っ白な服を着てるテピョン。

 

「どうした? 心配か?」

突然、ペク先生の姿が聞こえてくる。

夕景の海の写真の前に、立っているペク先生。

ペク先生は、納棺の時に着せてあげた、ワインレッドのスーツ姿ね。

テピョン「先生様・・・?」

不思議そうに声をあげるテピョン。

サングラスを外し、普通に歩いてくると、なじみの車いすに腰を掛ける。

テピョン「先生がどうしてここへ?」

ペク先生「お前が呼びだした記憶だ。お前が思い出したかった記憶なのだ。」

傍らのジュニョンの寝姿を見るテピョン。

テピョン「・・・夢なんですか?」

ペク先生「さあな・・・。そんなふうに考えるのも無理はないが、夢ではない。」

テピョン「じゃ・・・」

ペク先生「死んだのだ」

 

ここで、19話の冒頭の病院シーンにつながります。

 

医師:この人の身元はわかってますか?

救急隊:はい、27歳、名前はキム・テピョンさんです。

ストレッチャーに乗せられ、意識を失っているテピョン。

救急隊:腹部の刺し傷から、大量に出血しています。

医師:意識は?

救急隊:ありません!血圧70、心拍140です。

ストレッチャーから離れず、泣きながら、テピョンの身体にすがりつくジュニョン。

 

ジュニョン:テピョンさん!!

看護師:下がってください!

羽交い絞めで引き離されるジュニョン。

 

シャツがハサミでカットされ、心臓に電気ショックが与えられる。

モニターの数値がどんどん下がり、0になってしまう。

 

◆◆◆

ペク先生「お前が選択した方法だ。」

寝顔のジュニョンに、半狂乱のジュニョンの顔が重なる。

 

ペク先生「どうした? 後悔しているのか?」

 

テピョン「ジュニョンさんの死は変わったんですか?」

ペク先生「変わらないことを恐れているのか?」

テピョン「ええ」

ペク先生「だが、お前はその恐怖を手放したのち、旅立つことができる。そうでなければ、お前は生きることも、死ぬこともない。記憶にとらわれるだけだ。だが、それでいいのか?

 

よくない!!

 

ジュニョンの寝顔を見ながら、強く意志を持ったテピョン。

その時、心拍が停止したテピョンに、鼓動が再び戻ってくる。

 

看護師「心拍が戻りました!」

医師「エピネフリン50ml、投与!! さらに追加!!」

看護師「はい!」

医師「手術室に運ぶぞ!」

 

恐怖と戦いながら、状況がわかるまで、廊下に座り込み、待っているジュニョン。

医師が通りかかる。

ジュニョン「先生様!どうなんですか? 大丈夫ですよね?」

医師「(患者と)どういう御関係ですか?」

ジュニョン「中央署強力班のソ・ジュニョン刑事です。」

医師「緊急手術を実施しなければなりませんが、出血が多すぎるので、なんともいえません」

ジュニョン「死ぬかもしれないとおっしゃってるんですか?」

医師「まだ、生きているのが奇跡なんです。お身内を呼ばれたほうがよろしいと思いますよ。」

目の前にいるお身内予備軍を前に、恐ろしいことを口にする医師様・・・・。

ショックで、固まるジュニョン。

そこへ駆け込んでくるイ秘書。

イ秘書「ソ刑事様・・・。テピョンさんは?」

ジュニョン「今・・・手術室に入ったところです。」

イ秘書「車が爆発したと聞いたんですが、テピョンさんがどうして?」

ジュニョン「私のせいです。」

イ秘書「え?」

ジュニョン「私のせいで。。どうしたらいいの?テピョンさんが死んでしまったらどうすればいいんですか?」

 

手術が開始される。

 

~テピョンの自宅~

バスルームの鏡の前に並んで立つテピョンとペク先生。

自分の死を確認したのね。


テピョン「僕の死は・・・変わっていません。なぜ、変わらないんですか?」

ペク先生「変わってないのではない。これは、ただのお前の記憶にすぎん。言ったじゃないか。お前の記憶の中にいると。」

テピョン「それでは、チョ・ヒョヌが死んだかどうか、もしくは、ジュニョンさんの死が変わったかどうか、わからないんですね」

ペク先生「ここにいて、お前にわかることなど、何もない。いくら、会いたくても、守りたくても、お前に出来ることなどなにもないのだ。チョ・ヒョヌが助かったとしても・・・。」

驚くテピョン。

 

ヒョヌ:おまえは、なにか違うと考えているのか?お前も、一番大切な人を失ってみろ。そうすれば、わかるだろう

右頬に火傷のあとのあるヒョヌ。。

ヒョヌ「お前には探し出せない・・・ソ・ジュニョン」

 

自然と涙がこぼれだすテピョン。

 

~手術室前~

イ秘書「手術、思ったより長くかかってますね。もう10時間過ぎましたよ」

ジュニョン「テピョンさんのご両親様は?」

イ秘書「連絡がつかなかったので、メッセージを残してあります」

 

そこへ医師が出てくる。

ジュニョン「テピョンさんはどうですか?」

医師「幸いにも切り抜けましたが、意識を取り戻せるかどうかはわかりません」

ジュニョン「それ、どういう意味ですか?それじゃ、意識が戻らないこともあるってことですか?」

医師「申し訳ありませんが、今の時点では、なんとも・・・」

 

~爆発現場 貯水池~

クレーンで、車が引き上げられている。

ダイバーが必死に、湖に潜り、捜索を続けている。

 

寒そうに身体を縮めたヤン係長が、ナム・ウヒョンの側に近づいてくる。

ヤン係長「車の状態を見る限り、奴は、もう死んでるな。一体、いつまでかかるんだ・・・」

ヤン係長の独り言を、横目でとらえるオヒョン。

ヤン係長「おお、ハンチーム長、なにか出たか?」

ハンチーム長「これ以上、捜索できるとは思えません」

報告の視線は、ウヒョン。。。

嘘のつけないハンチーム長(笑)

ヤン係長「そうだろ。もう1時だぞ、1時。引き上げるぞ。」

本当に立ち去ってしまうヤン係長に呆れ果てるウヒョン。

あなたの後任なんですけど。。。(笑)

 

オヒョン「ボンスはどうだ?」

チーム長「幸いなことに、神経は無事でした。数日、休むだけですみそうです」

オヒョン「キム・テピョンは?」

チーム長「まだ、意識が戻らないそうです」

 

ウヒョン「どう考えても、こうなることをわかっていたようだ」

チーム長「え?」

ウヒョン「もしくは、彼はすべて(わかったうえで)計画したのかもしれない」

チーム長「係長様も、同じく、ご存じだったんですか?」

ウヒョン「どういう意味だ?」

チーム長「テピョンさんは、チョ・ヒョヌのせいで、我々、皆が死ぬことになると言ってたんです」

ウヒョン「お?」

チーム長「爆弾テロを起こすと言ってました。テピョンさんは、最初に我々に会った時から、我々の死を見ていたそうです」

ウヒョン「それじゃ・・・、我々を助けるために、爆発を起こしたと?」

 

******************

濡れた床。

脱ぎ捨てられた靴。

薄暗い家の中、右頬を氷嚢で冷やしているヒョヌ。。。

 

後部座席に座ってて、あの爆発の中、こんな状態で済んだの?

 

******************

電話しながら、運転している女性。

「こんにちは、奥様。・・・・ああ、今週、いらっしゃるんですね。ちょうどよかったです。お宅に掃除に向かう途中なんですよ。ええ、タイミングよかったです。どうか、お気をつけていらしてください」

 

別荘の掃除にきた女性が、庭の前に車を停め、玄関に向かうと、ドアのガラスが割られている。

驚いて、そ~っと中に入ってみる。

石が内側に落ちており、明らかに、外から侵入者がカギを開けた状況。

恐々、家の中を進んでいくと、居間にテレビがついており、何者かが使った血の付いた包帯やら、氷やら、酒やら、テーブルの上に乗っている。

 

テレビでは、ヒョヌの写真が出され、女性アナウンサーが、ギチャン貯水池で、車の爆発事件が起こった第1報を伝えている。


アナウンサー「爆発が起きたとき、車内には、チョ容疑者と、警察関係者が乗っており・・・」

近所で起きた事件に、つい、ニュースを見入ってしまった女性の背後に、水を飲みながら、近づくヒョヌ。

その気配に振り返る女性が、ひぃ~っと、声にならない悲鳴をあげる。

 

ヒョヌ「掃除婦さんなら、掃除してくれないと・・・」

ペットボトルの水を飲み干すヒョヌの顔をじ~~と見つめる女性。

 

~取調室~

提供された食事をむさぼるように食べるヒョンス。

着替えもして、髭も剃ったのか、ちょっとだけさっぱりして見える。

 

ハンチーム長が前に座り、紙を差し出す。

チーム長「今までに、お前が殺した人々を書き出すんだ」

ヒョンス「殺した? 誰を? 俺がですか?」

チーム長「チョン・ヨンミ、チョ・ボヨン、イ・ヘナ、チョン・イェスル、イ・ヨンジン、ソン・ハリム、ホン・ミナ、お前が、これらの女性たちをはじめとする12人以上の女性を殺した証拠があるんだぞ。」

はぁ・・・と溜息をつくヒョンス。

ヒョンス「でも、どうやって、見つけたんですか?俺が、あそこにいたってどうやって知ったんですか?」

ハンチーム長「チョ・ヒョヌが自首してきた」

ヒョンス「・・・・自首してきただって?」

チーム長「だから、無実のふりをしても無駄だぞ。チョ・ヒョヌは、サノ洞でお前が女性を殺したのを見たのは確かだ」

吹き出すヒョンス。

チーム長「笑ったか? そんなにおかしいか?」

ヒョンス「いえ。あの殺人鬼のことを信じてるように聞こえたからですよ。ミジンとかいう名前の子を殺した犯人は、チョ・ヒョヌじゃありませんよ。俺でもないですよ。俺は被害者ですから・・・」

笑い出すヒョンス。

 

~強力班オフィス~

証拠として、被害者の髪の毛が並べられている。

ヤン係長「これらの髪の毛は、20年前、真夜中の殺人者 キム・ヒョンスに殺された女性たちのものです。ここからここまでが・・・・誰のものかご存じか?」

報道陣に、(得意げに)披露しているヤン係長。

しかし、被害者の指名すら、うろ覚えで、写真を撮影していたイェジも一瞬、不思議に思うほど。

大演説をぶちかますヤン係長のことはほっておくとしても、ニュースバリューがないってこと?

 

~テレビのトーク番組~

キャスター「本日は、20年もの間、殺人の罪を犯したということで、刑務所に収監されていた、真夜中の殺人者として知られるチョ・ピルドゥと、その息子チョ・ヒョヌについて、話をしていきたいと思います。」

コメンテーターは、ヒョヌが、全ての刑事を皆殺しにしようと思っていたのではないか、と持論を展開する。

キャスター「全部の刑事ですか?」

ヒョヌのことを、友人を殺害し、その身分の下で生きて来た、凶悪犯だと断罪するコメンテーター。

コメンテーター「ミジンさんの殺害方法を見てください。綿密に計画されたものです。彼がなぜ、自首したのか、わけがわからないですよ」

 

~病室~

入院していたイ・ジュニの部屋に、パク記者が訪れる。

同じトーク番組がテレビで流れている。

パク記者「まだ、よくなってないじゃないですか。退院なんて、無理ですよ」

イ・ジュニ「こんな嘘っぱちなニュースが、マスコミの手で広まるのを止めなきゃならない」

パク記者「わかりますよ。でも、まずは治療に専念しないと・・・。でないと、本当に死んじゃいますよ」

 

女性コメンテーター「多くの人々は、奴がキム・ヒョンスを監禁したと言っていますが、私はそうは思いません。同居のようなものでした。」

 

パク記者「なんだよ、このニュースは・・・」

消そうとするパク記者。

イ・ジュニ「チョ・ヒョヌの遺体は、まだ発見されてない。チョ・ヒョヌが生きていて、こんなデタラメなニュースを耳にしたと考えてみろ。」

ワイシャツに着替えているジュニ。

パク記者「それでも、健康が一番ですよ。もし、なにか起こっても・・・」

ジュニ「いや、俺が書いた誤った記事のせいで、うちのミジンは死んだ。二度と、そんなことを起こさせるわけにはいかないんだ」

 

~別荘~

相変わらず、テレビがついており、その内容を、テーブルの上を徹底的に掃除をしながら、聞いているヒョヌ。

テープで、身体をグルグル巻きにされ、口にも張られた掃除婦の女性が、ソファに座らさせれている。


ヒョヌ「あの人たちが言ってるのとは違い、僕は、そんな悪魔なんかじゃないんです。アジュンマ(おばさん)を殺すつもりもありません」

ヒョヌを見たり、テレビに視線を向けたりする女性。

ヒョヌの火傷が水膨れ状態になってる。。。

 

~テピョンの病室~

意識が戻らないテピョンの側に、ボンスとガンジェが詰めている。

辛そうに溜息をつくボンス。

ボンス「もっと、チョ・ヒョヌをしっかり見張っておくべきだったんです。どうして、目を覚まさなかったら、どうなるんでしょう?」

ガンジェ「医者が生きてるのが奇跡だと言ってたそうだ。もっと奇跡がおこるように祈ろう」

頷くボンス。

ボンス「ジュニョン先輩は?」

ガンジェ「キム・テピョン氏の家だ。目を覚ます助けになるようなものがあれば、と家に探しに行ったよ」

 

~テピョンの部屋~

テピョンのベッドに腰を掛け、“ふくろさん”人形を手にしながら、呆然と座っているジュニョン。

 

テピョン:出かける前に、君に食事を作ってあげたかったんだ。いつも、食事を抜いてるようだから、君に食事を作ろうとしたんだ。これでいい?

もし、退屈だったら、あっちにある漫画を読んでもいいし、ラジオを聴くこともできるし・・・。

 

部屋を見回すと、いつも、テピョンが見ている夕景の海の絵が目に入る。

「・・・海が好きなの?」

「それなら答えられるよ。好きだって。」

 

そんな会話を思い出すだけでも、溜息を吐くジュニョン。

 

あの日と同じように、夕景の浜辺の写真の前に立っていると。イ秘書が部屋に入ってくる。

 

イ秘書「もっと年老いてから、この海で死ぬのだ、と言ってたんです」

ジュニョン「海で?」

イ秘書「ええ。鏡で自分を見る時はいつでも、見えるんですって。でも、自分がどうして、よく知らないこの場所で死ぬのか、わからないんだって言ってました。何年も、彼は、浜辺に通うだけでした」

ジュニョン「海で、彼はどうやって亡くなるんですか?」

イ秘書「心臓麻痺・・・です」

 

それを聞いて、あの浜辺での会話を思い出すジュニョン。

 

~回想~

テピョン「潮が引いてますね」

ジュニョン「不思議じゃないですか? 潮が引いてるときだけ、島に渡れるんです」

 

テピョン「(小声で)ああ、だから、どれだけやっても見つけられなかったわけだ・・・」

ジュニョン「え?」

短く首をふるテピョン。

 

もう、ここで『Rose』を流すなんて、私の目を腫らす気でしょう。

 

思い出すだけで、涙が溢れそうになるジュニョン。

 

~テピョンの病室~

枕元に、この写真を少し小さくして、額に入れ、“ふくろさん”と共に飾るジュニョン。

耳から、イヤフォンを外し、眠ったままのテピョンの耳にはめる。

『The Rose』が流れている。

ジュニョン「テピョンさんがこの歌を時々聴いてたから、持ってきたの。もっと、テピョンさんの好きなものを知りたいから、目を覚ました時に、教えてね。わかった?」

布団の中から、テピョンの手を取り出し、握りしめる。


 

~テピョンの夢?~

浜辺で、微笑むジュニョンを見つけ、駆け寄り、抱きしめるテピョン。

テピョン「ごめん。ジュニョンさん。自分の思い付きが一番いい方法だと思えたんだけど、愚かだったよ。君を一人で残すなんて、すべきじゃなかった。。」

そこまで言うと、自分が空(くう)を抱きしめているのに気がつく。

テピョン「ジュニョンさん・・・」

 

◆◆◆

その時、微かに、実際のテピョンの指がピクリと動く。

ジュニョン「テピョンさん・・・」

 

テピョンの瞳孔を確認する医師。

医師「まったく、反応は見られませんね。一般的な反射反応のようなものだと思います」

ジュニョン「反射反応ですか?」

医師「意識不明であっても、目を開けたり、手を動かしたりするひともいるんです」

ジュニョン「でも、よくわからないですよね。なにか、もっと検査したりしないんですか?」

医師「すでに、我々にできることは全てやってみたんです。よく、注意しながら見守りましょう」

 

期待してしまった分、消沈するジュニョン。

 

そんなジュニョンの様子を、陰から見ているナム・ウヒョン。

 

~病院の外のベンチ~

ジュニョン「意識は戻らないかもしれません。」

ウヒョン「そうだな、聞いたよ。心停止したせいで、脳がダメージを受けたようだと・・・。」

ジュニョン「どんなに恐ろしかったか・・・。あのような選択をする前には、何百万通りも考えたに違いありません。あの人がそんなことを考えているなんて、思ってもみませんでした」

自分を責めるジュニョンに、慰めるオヒョン。


ウヒョン「奴は、お前のことをすごく好きだと言ってたよ」

ジュニョン「・・・?」

 

~回想~

テピョン「僕が・・・もっと好きなんです」

 

チョ・ピルドゥの霊安所に参った時、もし、自分が失敗したら、ジュニョンのことをよろしくと伝えていたことを、ジュニョンに話すオヒョン。

ウヒョン「その時には、それがなんのことなのか、わからなかった。彼は、今みたいに、お前が深く悲しむのを望まないだろう」

必死に、気丈になろうと深く息を吐くジュニョン。

ウヒョン「チョ・ヒョヌが生きているかもしれない」

ジュニョン「チョ・ヒョヌが?」

ウヒョン「俺も、その管轄の担当警察と共に、そのエリアを捜索したんだが、彼らは、別荘地に誰かが侵入した痕跡を見つけたんだ。ハンチーム長は、別荘の掃除をしている女性が、ここ数日、連絡が取れないと言ってる。失踪したらしい。」

 

~別荘~

持ち主がチーム長やジュニョンたちから、事情を聴かれている。

オーナー「彼女は、もう長い我々が間、働いてくれているんです。いつもは、この場所の掃除をしてくれたり、我々がここに滞在するときには、雑用をお願いしています。でも、ここについた時、ガラスが割れていて、電話も電源が入ってませんでした。変だと思って、警察に通報したんです。」

自分の家の家政婦が行方不明になり、不安そうなオーナー。

そこへ、鑑識のスヒョンが、報告があるらしく、声をかけてくる。

オーナーに対して、「ああ。ご協力感謝します。」と頭を下げるチーム長。

オーナー「待ってください。たしか、履歴書があったと思います。」

チーム長「ああ、そうですか? ガンジェ・・・」

ガンジェ「では、私が伺いますので、こちらへどうぞ」

オーナーを連れ出すガンジェ。

 

 

スヒョン「チーム長、変なんです。」

念入りに、ガラスの破片一つ一つ、指紋を確認していくスヒョン。


スヒョン「たとえ、彼女が掃除をしたとしても、割れたガラスまでも掃除するなんてありえません。ですが、ドアノブはおろか、他の場所も、一切、指紋が検出されないんです。」

ジュニョン「全く?」

スヒョン「うん。どう見ても、拭きとったとしか思えない」

 

******************

別荘が見渡せる草むらに停めた、家政婦さんの車の中から、刑事たちの様子を見ているヒョヌ。

縛られた家政婦さんが、後部座席に座らされ、恐怖に震えている。

 

~ハナ日報~

パク記者とともに、イ・ジュニも出社する。

「あ、チーム長!!」

「もう大丈夫なんですか?」

一斉に立ち上がるスタッフたち。

「よかったです。もう戻られないのかと思いました。本当に心配しましたよ」

「みんな、ありがとう。だが、挨拶はこのへんで十分だ。みんな、会議室に集まってくれ」

「「「はい!!」」」


ジュニ「あ、オ・イェジ」

イェジ「はい?」

ジュニ「お前も入れ」

イェジ「私もですか?」

ジュニ「この事件に関しては、お前は最前線でよくやった。もちろん、おまえも来なきゃだめだ」

イェジ「はい、キャップ」

 

~会議室~

ジュニ「よし。我々は、挑発的な見出しなんか、必要ない。推論記事も発行しない。彼は、殺意で満ちていたわけじゃない、ただ、生きようとしただけだ」

イ・ジュニの意外な言葉に、みんな、少し戸惑う。

部下のつけた見出しに、愕然とするジュニ。

ジュニ「こんな見出しが、お前たちのベストなのか!!(怒)」

突然、声を荒げるジュニ。

ジュニ「(大声を上げて)すまない。ただし、これは全然、間違ってる。。。“同居”だと?!彼らは同居なんかしてなかった。よく聞け。警察が見つけることができなかった、真犯人キム・ヒョンスをチョ・ヒョヌが見つけ、拉致し、監禁したんだ。」

女性記者「まさか、キム・ヒョンスと一緒に監禁されてたんですか?」

ジュニ「そうだ」

息を飲む一同。

 

その時、イェジがおずおずと、手をあげる。

ジュニ「おお、イェジ、なにかあるのか?」

イェジ「現在、誰もがチョ・ヒョヌに注目をしていますが、正直、キム・ヒョンスの場合は、時効が成立しています。ですから、もし、彼が逮捕されたとしても、20年前に起きた事件については、罰せられることはありませんよね」

パク記者「それが、他の出版社が、キム・ヒョンスの犯した他の犯罪を見つけようと、掘り下げてる理由ですよ。みんな、2000年1月以降の犯行を見つけようとしています。そうすれば、時効は成立してませんから。その時に、記事は訂正できます」

ジュニ「人々の指は、武器にもなるんだ。クリックすればするほど、金も増える。だからその指のせいで、人が傷つこうが死のうが気にしないんだ。私もそうだった。娘さんたちを失ったご両親たちに、また、これ以上、痛みを引き起こさせることを書くのはやめよう。

さぁ、キム・ヒョンスの最初から、最後までの事件を調べなおし、記事を書くぞ。いいな?」

「「「はい!」」」


ジュニ「パク記者、お前とイェジは、20年前の事件の被害者に、もう一度会ってくれないか。彼らは、証拠を捏造したナム係長様に対し、集団訴訟を起こす準備をしているかもしれない」

パク記者「わかりました」

 

≪チョと一緒にいた警察関係者は、犯人か、被害者か?≫


~ヒョヌの自宅の地下室~

目隠しされ、口も塞がれ、縛られた状態で、すすり泣く家政婦さん。。

やっぱり、戻ってくる場所はここしかないのかな。。。


真っ暗な中で、捜索で荒らされたリビングを見て、溜息をつくヒョヌ。

 

★『ザ・ゲーム:0時に向かって』23話の雑感★

 

とにかく、一命をとりとめたテピョン。

さすが、ぺク先生。

そういえば、テピョンの両親は登場するのかな?(苦笑)


でもホント、よく助かったよね、ヒョヌも。

1話から出てきていた火傷の意味がわかって、だいぶ、カードが開いてきた感じです。


イ・ジュニも、改心の兆しが見えてきたけれど、それが、どう影響して来るのかな?

やっぱり、ターゲットはターゲットのままなのかな。


★『ザ・ゲーム:0時に向かって』24話に続く★