韓国での放映は終了していますが、ネタバレOKの方のみ、おすすみください。お願い

 

ザ・ゲーム:0時に向かって 더 게임:0시를 향하여

【Episode 24】

別荘の捜索を終え、先に引き上げていく鑑識のスヒョンたち。

ガンジェ「チーム長、家政婦さんの名前は、ナ・ヨンスクさんです。彼女は、ここに来た時には、自分の車だったそうです」

ジュニョン「念のため、彼女の家に行ってみます」

ウヒョン「よし、ハンチーム長、ジュニョンと一緒に行ってくれるか?私は、ガンジェと一緒に、CCTVの映像をチェックしてみよう」

ハンチーム長「はい、わかりました」

 

~ナ・ヨンスクの自宅~

チャイムを鳴らしても、ノックをしても、誰も出てくる気配がない。

配達された荷物も玄関の前に置き去り。

ジュニョン「ご近所の話では、彼女の出入りを見た人はいませんでした」

郵便物をポストに戻すチーム長。

ジュニョン「メーターの動きを見ると、誰か家にいるようには思えませんね」

ハンチーム長「そうだな」

ガンジェからの電話に出るチーム長。

ガンジェ「CCTVの映像を発見しました。車は小型で、目立つ色なので、わりと簡単に見つかると思います」

逃亡の足取りがつかめたことをジュニョンに知らせるチーム長。

ウヒョン「あの道は、どこに向かってるんですか?」

スタッフ「ソウル方面ですね」

ガンジェ「家に向かったとは思えません。ですが、ここからは、たくさんの道路があるので、追跡するのは時間がかかりそうです。」

チーム長「わかった。こっちも引き上げる」

 

自宅には向かわないだろう、と推測するチーム長。

チーム長「ガンジェたちが、引き続き、追跡する」

ジュニョン「一体、どこに隠れるつもりなんでしょうか?」

 

~地下室~

推測に反して、戻ってきていたヒョヌ。

家政婦さんに、水と食料を買い、毛布も持って、地下室に降りてくる。

ヒョヌが目隠しを取ろうとするだけで、怯えるヨンスクさん。。。

それでも、ゆっくりとアイマスクを取り、口に貼ったテープと外す。

恐怖のあまり、縛ったロープを切ろうと、ペンチを取り出しただけで、「助けてください」と泣いて命乞いをする家政婦さんに、ペットボトルの蓋を開けてあげたり、パンをあげたり、毛布を足にかけてあげるヒョヌ。


少し離れたところで、水を飲むヒョヌを見て、ひどいことはされないと思ったのか、ようやく、水をのみ、パンを食べだす。


ヨンスク「お願いだから、家に帰してください。このことは、一生、墓場まで持っていきます。あなたのことは見なかったと言いますから。私が窓を破ったと言いますから。自分で壊して、怖くなったから、逃げたんだと説明しますから。ですから、どうか・・・お願いです。助けてください」

ヒョヌ「アジュンマ(おばさん)・・」

ヨンスク「はい」

ヒョヌ「アジュンマはなぜ、僕の言葉を信じないの?」

ヨンスク「え?」

ヒョヌ「僕はアジュンマを殺すつもりはないと言ったはずだ。それなのに、なぜ、僕がアジュンマを殺すって考えるんですか? アジュンマも、僕の言葉より、他の人の言葉を信じるんだな?」

ヨンスク「違う、違うの。そういう意味じゃないの」

立ち上がり、家政婦さんの目の前にしゃがむヒョヌ。

ヒョヌ「アジュンマ・・・。今、僕が何に腹を立ててるか、わかりますか?被害者なのに・・・。世間は、僕を加害者のように扱うんだ。気が変になりそうだ。」

うんうん、と涙を流しながら、頷く家政婦さん。

 

その時、上で、物音がするのに気づいたヒョヌ。


懐中電灯片手に、ヒョヌの自宅の様子を見にきたジュニョンとチーム長。

家政婦さんも、チーム長が転がした缶の音に反応する。

とっさに、家政婦さんの口を手でふさぎ、物陰に隠れるヒョヌ。


ジュニョン「なにか、聞こえませんでしたか?」

チーム長「さぁ、どうかな」

ジュニョン「確かに、なにか聞こえました」

地下室に降りていくジュニョン。

暴れたりしないように、毛布で覆った家政婦を抱えこむように、隠れているヒョヌ。

もう少しで遭遇するというところで、階上から、チーム長に呼ばれ、戻っていくジュニョン。

 

ほっとしたヒョヌが、深呼吸する。

 

上にあがってきたジュニョンに、ナ・ヨンスクさんの車が見つかったと告げるチーム長。

ジュニョン「どこでですか?」

チーム長「テジョン方面に向かうチョナンインターチェンジだ」

ジュニョン「テジョン?」

チーム長「ああ。そこに家族が住んでいるらしい。どっちにしろ、ここにいるとは思えない、引きあげよう」

ジュニョン「はい」

 

完全に、二人の気配がしなくなり、安心したヒョヌが、「すまなかった。音がしたものだから・・・」と謝ると、だらんと下がる腕。

動かない家政婦さん。

ヒョヌ「アジュンマ?」

ヨンスクさんに被せていた毛布を取ると、すでに、こときれている。

あまりのショックに、自分の口を手で押さえながら、甲高い笑い声のような叫び声を上げるヒョヌ。

 

~喫茶店~

イ・ジュニと会うナム・ウヒョン。

ウヒョン「もうだいじょうぶなのか?」

ジュニ「ええ、おかげさまで。うちの記者たちが、20年前の被害者の方たちに会ってきました。まもなく、時効の制限法に関する記事が発行されます。そうなると、あなたは厳しく批判されることになるでしょう。被害者遺族の方々は、係長様を訴える準備に入るでしょう。」

ウヒョン「偽装の告白をしたときに、(それについても)予期していたよ」

ジュニ「キム・ヒョンスと共に、監禁されていたとき、チョ・ピルドゥがどうやって、たやすく犯人として罪に問われることになったのか、奴から聞きました。」

ウヒョン「お?」

ジュニ「全部、ヒョンスの仕業でした。キム・ヒョンスが、チョ・ピルドゥに罠をかけたんです。」

乗り出すオヒョン。

ジュニ「もし、なにか助けが必要であれば、遠慮なく、知らせてください。証言します」

ウヒョン「そうか。ありがとう」

この2人は、恩讐を乗り越えたって感じがするけれど・・・、まだ、乗り越えられないお子達がいるからね。。。

ジュニ「聞きたいことがあるんです。チョ・ヒョヌと一緒に、車に乗っていた警察関係者とは、どなたなんですか?」

オヒョン「実は、我々は、彼のおかげで、ミジンの居場所を見つけることができたんだ。」

ジュニ「うちのミジンを・・ですか?」

オヒョン「ああ。あの子を一度救出したにも関わらず、我々は、最後まで、守ってやることができなかった。私が言えるのは、ここまでだよ」

溜息をつくウヒョン。

 

~病院~

廊下に、クリスマスツリーが飾ってある。。。

あの事故から、どれくらい経ったのかな。。。

マスクで顔を隠したヒョヌが現れ、ナースステーションの前を通っても、看護師たちは、クリスマスのシフトの調整をしたり、予定を話したり、誰も注意を払わない。

 

~テピョンの病室~

意識を戻さないテピョンのもとに、強力班のメンバーが顔をそろえている。

ここでも、クリスマスツリーが置かれ、メッセージも飾られている。

ドアのガラスから、中の様子をそっと覗うヒョヌ。

 

ろうそくを灯したケーキをガンジェが大切に運んでくる。

ガンジェ「テピョンさんの回復を祈って、ろうそくを吹き消しましょう」

ボンス「いいですね」

ガンジェ「さぁ、1、2、3!」

ハンチーム長とウヒョンも、息を吹きかける。

眠ったままのテピョンを、寂しそうに見つめるジュニョン。

ハンチーム長「テピョンさん、今年が終わる前には目を覚ましてくれよ」

ボンス「テピョンさんが目を覚ますのを、祈ってます。起きないとだめですよ」

ガンジェ「そうですよ!早く起きてくださいね。俺、ジュニョン先輩との仲が気になってるんですからね。それについても、話してもらいますからね」

一同「・・・・・・・・」

じ~っと、ガンジェを睨むジュニョン。

さすがのガンジェも、変な雰囲気に気が付き、「なにか?」と周囲を見回す。

ガンジェ「いえ、俺は刑事の勘として、二人の間になにかあるんじゃないかと思ったわけですよ」

 

チーム長「おいおい、お前たち二人、どうなってるんだと?」

笑いながら、ポンポンとテピョンの足元を叩くハンチーム長。

 

ガンジェ「なに聞いてるんですか? ただの友達だと思ってるんですか?」

チーム長「ああ、まったく。おまえに彼女がいないのも無理はないな。お前以外、みんな知ってるぞ」

ガンジェ「え? 何を(知ってるって)?」

知らぬ存ぜぬと、無言のジュニョン。

ガンジェ「係長様も知ってたんですか?」

本気で驚いてるガンジェ(笑)

笑いをこらえながら、「知らんよ・・・」と答えるウヒョン。(笑)

ガンジェ「え、え、え?ボ、ボンスは?」

ボンス「当然、知ってますよ」

ガンジェ「まじで?」

ボンス「ヤン係長でさえ知ってるって賭けてもいいっすよ」

ガンジェ「なんだと? おい!なんだよ、もう!」

 

ドアの向こう側で、そんな会話を聞いているヒョヌ。

重い足を引きずりながら、そのまま、帰っていく。

 

******************

~仁川空港~

キャリーケースを転がしながら、歩いているコート姿の女性。

あ、ヒョヌのオンマだ!

生きてたんだね。

10歳だったヒョヌを、バスターミナルで置き去りにして以来です。

 

タクシーの運転手が、どちらまで?と訊ねる。

オンマ「サンチョン納骨堂まで、お願いします」

 

~納骨堂~

以前、警察を辞めたナム・ウヒョンが真っ先に訪れた場所です。

「なにか、御用でしょうか?」

「あの・・・身寄りのない方の遺骨が安置されていると伺ったんですが・・・」

「故人の方のお名前はわかりますか?」

「チョ・ピルドゥです」

「ああ、故人との御関係をお伺いできますか?」

「・・・・妻だった者です」

 

案内されるヒョヌオンマ。

「こちらです。どうぞ」

“チョ・ピルドゥ”と書かれた箱に手を伸ばし、涙を流し続けるヒョヌオンマ。

 

~病院~

テピョンの病室から、一同が出て来たところで、ウヒョンに電話がかかってくる。

ウヒョン≪はい、ナム・ウヒョンです。≫

スタッフ≪あ、こんにちは。こちら、サンチョン納骨堂の者なんですけど。≫

ウヒョン≪ああ、ええええ。≫

スタッフ≪今、こちらに、チョ・ピルドゥさんの奥様がいらしています。彼女は、ご遺灰の引き取りを望んでいらっしゃいます。どう処理したらいいでしょうか?≫

ウヒョン≪あ、ちょっとだけ、その方に待っていてもらってもいいですか?これからすぐに向かいますので・・・≫

 

チーム長「誰からですか? どうかしたんですか?」

ウヒョン「チョ・ピルドゥの遺灰を安置している納骨堂からだ。奥さんが、遺灰の引き取りに来たそうだ」

ジュニョン「それでは、納骨堂に、チョ・ヒョヌのお母さまがいらしてるんですか?」

 

~納骨堂~

ヒョヌオンマ「あなた方が、私を探していらっしゃると思っていましたが、一度の電話でお目にかかれるとは思いませんでした」

ウヒョン「ヒョヌオモニ・・・」

ヒョヌオンマ「そんな風に、呼んでいただくのを聞くと、恥ずかしいです」

オヒョン「申し訳ありません。どうお呼びしたらいいのか、存じませんでしたので・・」

ヒョヌオンマ「いいえ、とんでもないです。母親のくせに、自分が助かりたい一心で息子を捨てて、逃げ出したんですから・・・。恥ずべきことです」

ジュニョン「今まで、どちらにいらっしゃったんですか?」

ヒョヌオンマ「中国の西安です。ニュースで知ったんです。息子が自首したことも聞きました。息子は、死んだと思っていたんですが、あの子がどんな風に生きてきて、人を殺したのか、聞いたとき、全て私の責任だと思い、苦しくてたまりませんでした。ですが、事故にあったときいて、私が二度、あの子を殺したように感じました。。。私は、再審を請求するために、ここに来たわけではないんです。どうか・・・死体でも構いませんので、どうか、息子を探していただけませんか?」

涙ながらに訴えるヒョヌオンマ。

ジュニョン「息子さんは、生きているかもしれません」

ヒョヌオンマ「うちのヒョヌが・・・?」

ジュニョン「彼が生きているという状況証拠があがってます」

複雑ながらも、ほっとしてしまうヒョヌオンマ。

チーム長「もし、我々が正しければ、彼は人質と一緒にいます」

また、奈落に落とされるヒョヌオンマ。

ジュニョン「お母さま、どうか、あなたの息子さんがこれ以上人を殺さないように、我々に手を貸していただけませんか?」

浅い呼吸を繰り返しながら、ジュニョンを見つめるヒョヌオンマ。

 

~係長室~

ヤン係長「それじゃ、チョ・ヒョヌが生きてるかもしれないって言ってるのか?」

ジュニョン「ええ」

ヤン係長「地元の警察はなんと言ってるんだ?」

ハンチーム長「事件は彼らの管轄で起きたので、事件の詳細を捜査しています。うちの強力班も、引き続き、進行中です」

ヤン係長「つまり・・・お前たちは、チョ・ヒョヌの母親を利用し、チョ・ピルドゥの葬儀に、チョ・ヒョヌを来させる気なのか?」

ジュニョン「はい」

ヤン係長「だが、その母親は、彼を遺棄し、20年ぶりに姿を見せたんだぞ。奴が来ると思うか?」

ジュニョン「父親の葬儀なんです。来るかもしれません」

ヤン係長「もし、来なかったら?」

ジュニョン「おそらく、彼は、父親のことを長い間、嫌い、腹を立てて来たと思うんです。父親が冤罪だったとわかった時、父親に憤っていた以上に、傷ついたに違いありません。それがこの復讐を始めた理由なんです。彼は、父親に申し訳ないと感じているので、葬儀にくるはずです。私が、母親を説得します」

 

~記者会見場~

すでに、記者たちが集まっている。

ハンチーム長が、到着したジュニョンに、演台のほうに誘導する。

ヤン係長が、「よし、すぐに始められるぞ」と、演台に立つように、合図する。

 

「会見を始める前に、メディアの皆さんには、チョ・ヒョヌに関する誤った記事や未確認の記事をあげることを止めていただくよう、お願いしたいのです。記者の皆さん、事実に基づいた記事を報道していただくよう、お願いします。」

パク記者「それでは、そちらも、事実に基づいたプレスリリースを提供していただけませんか?我々は、警察が、イ・ミジンさん殺人事件の容疑者として、ク元監察官を緊急逮捕したことを承知しているんですよ。チョ・ヒョヌがクだとわからなかったのは、なぜですか?それを証明する科学的根拠がないからですか?」

ジュニョン「いえ、(証拠は)あります。最近になって、我々は、彼の生物学的関係を証明できるご遺族と連絡を取り合うことができました。そして、その方は、DNAの提供についても了承してくださっています。さらに、その方のご助力のおかげにより、チョ・ピルドゥさんのご遺灰は、きちんと埋葬されることになりました。」

記者「では、そのご遺族というのは、どなたですか?」

記者「彼がチョ・ピルドゥさんの息子であると証明できるとしたら、それは、チョ・ヒョヌの母親なのではありませんか?」

ジュニョン「ええ。そのとおりです」

 

ニュースを見ながら、驚愕するヒョヌ。

ジュニョン「チョ・ピルドゥさんの個人葬をあげるにあたり、最後に、記者の皆さまに改めて、ご協力をお願いしたいと思います。我々、警察は、ご遺族が個人を静かに送り出してさしあげられるよう、支援いたします。葬儀は、明日の午前10時からを予定しています。もし、他の他族の方がこの放送をご覧になっていたら、葬儀にご参列いただきたいと思います」

 

自分を捕まえるために、母親だけではなく、無実だった父親の死さえ利用する警察に対し、怒りに震えるヒョヌ。

 

~ヒョヌの病室~

テピョンの手を握りしめるジュニョン。

ジュニョン「テピョンさん、私、チョ・ヒョヌを捕まえて、罪を償わせるから、心配いらないわ。私、テピョンさんが目覚めるのを信じてる。だから、お願い、目を開けて・・・。ね?」

 

~葬儀当日~

工事関係者に扮した警官を入り口付近に配し、指示をしたり、モニター車に乗り込んで、準備をするボンス。

ガンジェやチーム長もそれぞれ、持ち場についている。

 

ボンス「こちら、強力1班のタンサンス、タンサンスです。← 自分で言った(笑) マイクのテスト中です。聞こえますか?」

ガンジェ「はっきり聞こえてるよ。現在の時刻、午前9時50分。入り口には、誰もいません。強力2班が記者たちを止めてくれてるようです」

 

葬儀が始まり、神父さんがお祈りの言葉を始める。

ジュニョン「だいぶ、前に連絡をしたのに・・・。彼がこなかったらどうしましょう」

ハンチーム長「まだ、時間はある。もう少し待ってみよう」

ジュニョン「はい・・・」

 

ヒョヌオンマも、ヒョヌが来るのでは・・・と落ち着かない様子。

手に持ったチョ・ピルドゥの遺骨箱を、お墓に埋葬する。

 

その時、黒い自動車が、駐車場に入ってくる。

 

ボンス「黒い車を発見。ターゲットかどうか、確認してください。繰り返します。黒い車を発見。ターゲットかどうか確認してください」

 

一斉に、車を取り囲む警察官たち。

ガンジェ「全車両を確認しています。どうか、窓をあけてください」

自分の身分証を見せるガンジェ。

ガンジェ「警察です。どうか、車の外に出てください」

 

その時、車の窓がおり、中にいた、見知らぬ男性が、顔がみえるように、黒いマスクを下げる。

男性「あの・・・言われたとおりにやっただけなんです。この車をここまで、運転すれば、金を払うって言われました」

ガンジェ「誰に?」

男性「チョ・ヒョヌです」

 

やりとりを無線で聞いていたジュニョンやチーム長にも、衝撃が走る。

男性「トランクに、ソ・ジュニョン刑事様宛てに、贈り物が入っていると言ってました」

ガンジェが、はるか遠くに見えるジュニョンのほうに視線を向ける。

 

テピョン:ハンチーム長様やボンスさん、ガンジェさん、同じ日に、爆弾テロのせいで、みんな亡くなるんです

 

ジュニョン「まさか・・・爆弾?」

咄嗟に、黒い車に向けて、走り出すジュニョン。

 

ガンジェが、後ろのトランクに近づき、手をかける。

ジュニョン「ガンジェ、だめよ。開けないで、ガンジェ、開けないで!!」

ジュニョンの叫び声が聞こえても、自ら、トランクのドアを開けるガンジェ。

その目に飛び込んできたものは・・・

 

ガンジェ「爆弾じゃありません。先輩・・・」

ジュニョン「じゃ、なんなの?なにがあったの?」

ガンジェ「ナ・ヨンスクさん・・・の遺体です。ナ・ヨンスクさんの遺体が入ってます」

 

その時、ジュニョンの携帯が鳴り始める。

 

ジュニョン≪もしもし?≫

ヒョヌ≪もう届いた頃だと思うけど、受け取った?≫

ジュニョン≪どこにいますか?チョ・ヒョヌさん、どこにいるの!! ≫

ヒョヌ≪俺が(そこに)現れると思ったとは、信じられないな≫

 

モニター車で、霊園内の監視カメラの映像を確認し、ヒョヌらしき人物がいないかどうか、探すボンス。

 

ヒョヌ≪本当に、失望したよ。≫

ジュニョン≪なぜ、殺したの?≫

ヒョヌ≪君がうちに来なければ、あの人は死んだりしなかった。≫

それは違うよ。それも、認められないの?えーん

 

ヒョヌ≪それに、君は母を巻き込むという大きな間違いを犯した。≫

 

なにかあったのか、と心配そうに、ジュニョンのほうを見ているヒョヌオンマ。

 

ヒョヌ≪僕が、この世で一番殺したいと願っている人間が・・・母なんだから≫

ジュニョン≪今、どこにいるの? チョ・ヒョヌさん、会って話しましょう≫

 

病院の廊下を歩いているヒョヌ。

 

ヒョヌ≪何の話をするの?≫

ジュニョン≪事故のあと、ひどいケガをしてるはずだわ≫

ヒョヌ≪今更、僕のことを心配してるのか?≫

ジュニョン≪会いましょう≫

ヒョヌ≪そうだね。でも・・・一つだけはっきりさせておきたいことがあるんだ。あの事故は・・・事故じゃなかったんだよ。殺人だ・・・≫

 

テピョンの病室のドアを開けるヒョヌ。

ヒョヌ≪僕たちは、殺人者同士だ、でも、そのうちの一人は、皆に囲まれ、手厚く、世話をされている。人生って、恐ろしいほど不公平だよな。≫

ジュニョン≪だめよ、チョ・ヒョヌさん。テピョンさんはダメ!≫

 

電話を切るなり、飛び出していくジュニョン。

 

テピョンのベッドの脇に腰掛けるヒョヌ。

ヒョヌ「最初は、わけがわからなかった。でも、今はわかるよ、なぜ、俺を殺そうとしたか。みんなの死を見たんだろう。刑事たちの死を・・・。そして、ジュニョンを見る時はいつも、見えているんだろうな、・・・・・俺が彼女を殺すところが。なんで、20年前と同じように、教えてくれないんだよ?そうすれば、すぐにでもわかったのに・・・。以前は、どんなふうな死に方だったんだ?」

おもむろに、立ち上がると、人工呼吸器のコードを引き抜いていく。

 

◆◆◆

焦りながら、車を運転しているジュニョン。

 

~病院~

何食わぬ顔をして、テピョンの病室から出てきたヒョヌ。

誰にも見とがめられることなく、ヒョヌが消えたところで、タイミングよく、お見舞いにきたイ秘書!!

でかした❗イ秘書グッ


綺麗な花束をかかえ、「おはよう~」と声をかけながら、病室に入ってきたイ秘書、呼吸器のコードが抜けているのに気づく。

イ秘書「テピョンさん!! 先生様!先生様!!」

慌てて、医師を呼びにいくイ秘書。

 

~十字架の部屋~

ペク先生の声が聞こえる。

先生様「目をあけなさい。もう行かなければならない時間だ」

少しだけ先を、一歩一歩、すすみ始めるペク先生。

テピョンが後悔の言葉を口にし始める。

テピョン「僕は、あまりにも傲慢でした。愚かでした。。。僕は、人の死を変えようとしただけで、なぜ、その誰かの死を変えるのかについて、考えていなかったんです」

先生様「いずれにしろ、それが、神が殺人を見逃している理由であろう。人間というものは、悟りを開いても、一歩外にでれば、また、バカげた選択をするものなのだ」

テピョン「二度目のチャンスをもらうことはできませんか?1度だけ・・・。もう1度だけ、できませんか?こんなふうに、去る事なんて出来ません。戻らないと・・・。」

何も言わずに、歩きだすペク先生。

テピョン「先生様・・・先生様!」

光の中に、いざなわれるペク先生。

 

~病院~

廊下を駆け抜けるジュニョン。

テピョンの病室に入ると、ベッドに、テピョンの姿はなく。。

呼吸器のマスクも無造作にベッドの上におかれたまま。。

慌てて、廊下に飛び出すジュニョン。

 

その時・・・正面に、イ秘書に支えられ、点滴台を押しながら歩くテピョンの姿が・・・。

目と目が合うテピョンとジュニョン。

あの浜辺の時のように、今度は、ジュニョンがテピョンに向かって、走り出し、ぎゅっと強く抱きしめる。

泣きながら、強く抱きしめるジュニョンの背中を、優しくトントンするテピョン。

ジュニョン「ありがとう・・・」

テピョン「ごめん」

ジュニョン「ありがとう・・・」

そんな二人を微笑ましく見ていたイ秘書が、静かに、フェードアウト(笑)

 

~空港~

ヒョヌオンマ≪また、逃げ出すと思われてるでしょうが、どうか理解してください≫

ヒョヌオンマが電話をしている相手は・・・ジュニョンでした。

 

ジュニョン≪マスコミのせいで、大変な目に合われているのをわかってます。あなたのDNAサンプルをいただけたので、とても助かりました≫

ヒョヌオンマ≪意識不明だった方はどうなりましたか?≫

ジュニョン≪幸いにも、意識が戻りました≫

ヒョヌオンマ≪よかったです。では、これで失礼しますね≫

ジュニョン≪あの・・・チョ・ヒョヌさんについてわかり次第、連絡しますね。≫

ヒョヌオンマ≪はい≫

 

エスカレーターの上で、待っているヒョヌ。

怯えた目で見上げるオンマ。

じっと、自分の母親を見下ろしている。

向かい合うふたり。


黒いマスクをはずすヒョヌ。

ヒョヌ「息子だとすぐわかったところをみると、あんたも結局、母親なんだな」


一歩だけ、オンマに近づくヒョヌ。

ヒョヌ「あんたの人生の残りを、苦痛で満たしてやるよ。あんたが産んだ息子が何をするのか、必ず見届けるんだな。みんな、あんたのせいなんだから」

ショックで呆然となったオンマをそのままに残し、立ち去るヒョヌ。

 

~病室~

意識が戻ったお祝いに集まった強力班。

また、ケーキかい!(笑)


「さぁ、テピョンさん、おめでとう!!」

「おめでとう!」

「おい、まだ、目覚めたばかりなんだぞ。ケーキは早すぎないか?」

「気分の問題ですって」

「そうです、そうです・・・」

「ケガしてるときの、コーラは最高だぞ」

「おい、おまえら、このピザやチキンは何なんだ?」

 

テピョン(みんなの死が見えなくなってる)

 

「ボンスが買ったんですよ」

「こいつ! 頭、空っぽなのか?」

 

テピョン(これって、僕の能力がなくなったってことなのか?)

 

ガンジェ「テピョンさん。あなたが意識不明だったとき、先輩が目が無くなるくらい泣いたのを知ってますか?」

ぱっと、ジュニョンのほうを見るテピョン。

ジュニョン「誰がそんなに泣いたりしたのよ」


その時、ノックが聞こえ、ギチャン署の刑事たちが入ってくる。

刑事「ギチャン署から来ました。キム・テピョンさん、あなたは、爆弾製造犯のソン・ミンジェと接触しましたか?」

じっと、刑事さんの顔を見つめているテピョン。

ああ、こっちの刑事さんの死は見えてるの?見えてないの?

そこんとこ、ものすごく重要なんだけど!


刑事「チョ・ヒョヌ殺害の計画に関し、いくつかお聞きしたいことがあります。署までご同行願います」

ギチャン署も、爆弾の出所とか、ちゃんと捜査してるってことよね。。。


ナム・ウヒョンが間に入る。

ウヒョン「イ刑事、彼はまだ、具合がよくないんだ。こんなの、必要なのか?」

刑事「係長様、どうか、手だししないでください。どうか、ご協力ください」

今度は、ガンジェやチーム長たちの顔を順番に見ていくテピョン。

 

そんなテピョンの様子を変に思いながら、見つめるジュニョン。

 

テピョン:しかし、彼らの死だけは見ることができない。それって、ぼくのせいで、みんなが死ぬからなのか?

 

★『ザ・ゲーム:0時に向かって』24話の雑感★

新たな展開ね。

って、今週・来週で終わりなんだよね。

はやいものです。


悲劇を自ら招き入れてるヒョヌは、加速度的に転落していってます。

しかも、あの状態で、オンマ、中国に帰れるの?

手のひら返しの溺愛もどうかと思うけど、この、愛情の薄さはどーなんだろう?


なにげに、車のトランクを躊躇なく、開けたガンジェ、自分を盾にするつもりだったのかな。

あれ、ホントに爆弾だったらどーすんの?

タイマー音が聞こえなくても、扉と連動して、スイッチオンとか、よくあるじゃん。

彼女もいないって聞くと、もう、おばちゃん、他人事ながら心配だよ。(笑)


あ、テピョン、目覚めました。

うん、これは折り込み済みだったので、次回に乞うご期待~って感じです。

 

★『ザ・ゲーム:0時に向かって』25話に続く★