韓国での放映は終了していますが、ネタバレOKの方のみ、おすすみください。
ザ・ゲーム:0時に向かって 더 게임:0시를 향하여
【Episode 20】
~署長室~
新聞を、バンっとテーブルに(強めに)置く署長。
署長「本当にこれが最善だったのか!?」
ナム係長「申し訳ありません。これが、あいつを公然と捜査できる、たった一つの方法なんです。」
署長「相当、物議をかもすだろうな。大丈夫なのか?」
ナム係長「覚悟はできてます」
~係長室~
私物の整理が済み、部屋から出てくるナム係長。
出迎える強力1班。
ナム係長「辞任する前に、これをまとめておくべきだったよ」
私物箱を見せるナム係長。
ナム係長「お前たちに、私の負担を引き渡すようで、申し訳ないよ」
チーム長「そんなこと言わないでください」
ジュニョン「どちらに滞在される予定なんですか?」
ナム係長「まぁ、どこででも。自宅には、どうせ記者たちが押しかけ、泊まり込むだろうし、おそらく、しばらくの間は、適当なところにいたほうがいいだろうな。」
ジュニョン「捜査状況については、今後もご報告を続けます」
ナム係長「ああ、感謝するよ。私にできることはなんでもやってみようと思う。いずれにせよ、この件、頼んだぞ」
去ろうとするナム係長に、「お持ちします」と声をかけるガンジェ。
ナム係長「大丈夫さ。」
1階に降りていくと、出入り口にはマスコミが殺到している。
「お、来たぞ」
「出て来た!」
現れたナム・オヒョンに反応する記者たち。
一瞬、ひるんだように立ち止まるも、堂々と正面から出ていくナム・オヒョン。
後ろで、心配そうに見守る1班の4人。
ガラス扉が開かれ、一斉に、カメラの放列に囲まれるオヒョン。
怒涛のように、質問を浴びせかける記者たちと、その中心にいるオヒョンの様子に、見ていられないチーム長たち。
~係長室~
綺麗に片づけられたデスク。
まだ、係長 ナム・オヒョンの名札だけが残されているのを複雑な思いで見つめているジュニョン。
その後ろ姿をじっと見ているテピョン。
署の外のベンチに座るジュニョンに、飲み物を差し出すと、「すみませんでした」と謝るテピョン。
テピョン「ジュニョンさんにとっては、父親代わりの人だったのに・・・」
首を振るジュニョン。
ジュニョン「係長も考えていたことだと思う。それでも、まだ、マスコミを利用したことのほうが心配なの。」
更に、ジュニョンのほうを向くテピョン。
ジュニョン「チョ・ヒョヌを、今まで以上に挑発したことになるんじゃないかしら」
テピョン「心配なの?」
ジュニョン「少しね。私も幼いころ、マスコミからの嫌がらせを受けたから、大人になっても、どう対応していいのか、難しいと感じるの。若い時に傷ついたせいかもしれないけど。思い出すと、胸が痛くなるわ。たぶん・・・あの人も同じだと思う。」
ちらりと、テピョンを見て、すぐに飲み物を口にするジュニョン。
テピョン(ジュニョンさんが僕の視線を避けている。僕にはわからない感情が、二人の間にはあるのだろうか・・・。)
~ク・ドギョン(ヒョヌ)の自宅~
こちらも、ものすごい記者たちが、ひっきりなしに玄関の戸を叩き続けている。
「ドアをあけてください!」
「すみません!」
「出てくるべきでしょ!」
「なにか話してくださいよ」
キッチンに座り込んでいるヒョヌ。
「ク・ドギョンさん、ハナ日報のパク記者です。話をしませんか?」
イェジにも、建物の横の様子を見てみろ、と指示する。
マスコミのドンドンと玄関の戸を叩き、わめいている声を聞きながら、キッチンの床に座りこんでいるヒョヌ。
子供の頃、父親が“真夜中の殺人魔”と言われ、被害者家族や近所の人たちに自宅に押し掛けられた時のことを思い出す。
動物の血を浴びせられ、一斉に責められた母親と、それを守ろうとした自分まで石礫を投げられた、思い出したくもない状況。
じっと耐え続けるヒョヌ。
地下室にいるヒョンスたちにも、大勢の人たちが押しかけている声は届いている。
ヒョンス「おい、どうやら、お前が行方不明になったことが発覚して、お前を探しにきたようだぞ。お前にとって、チャンスだぞ。ここを出られる最後のチャンスだ!まず、先に俺の手をほどいてくれないか?お前の娘を殺した真犯人を捕まえたくないのか?」
壁にもたれ、目を閉じ、一切、反応しないイ・ジュニ。
ヒョンス「ま、お前の娘を殺した真犯人はお前だがな」
仕方なく、自分で大声で叫びだすヒョンス。
ヒョンス「おーい! ここに人がいるぞ!ここだぁ!!ここに人がいるぞぉ!おーい!」
~ソウル中央署~
署長の謝罪記者会見が開かれる。
署長「警察は、この事件を、誠実さの機関になるために最善を尽くすための事例として記憶いたします。私たちは、できるだけ早く犯人を逮捕し、国民の安全を守ることに全力を注ぎます。
この件についてご懸念をおかけしましたことを改めてお詫び申し上げます。」
記者たちの後ろで、起立して控えている強力1班のメンバー。
ナム係長の後任のヤン係長が強力班にやってくる。。
わ~、見るからに、下衆(笑)
上に弱くて、下には強気。。。
失礼だけど、本当に下衆(笑)
※時々、見かけるのよ、この俳優さん。。。憎まれ役がお上手で。。。
署長様は、緊急事態だから、協力しあって、キム・ヒョンス逮捕に向けてうまくやれっていうけど。。。みんな嫌な予感しかしてない。。
ヤン係長「つまり、お前たちが問題の1班なんだな。お前たち一人一人、今晩、俺と一緒にミーティングするぞ。お前らと一緒に働けるか、見てやるからな。わかったか!」
渋々、返事をするガンジェたち。
一旦、去りかけて、踵をかえし、ハンチーム長の前に戻ってくるヤン係長。
返事してないの、ちゃんと聞いてたのね。(笑)
ハンチーム長「わかりました」
チーム長の身分証を手に取り、「情けないハンって意味か・・・」とバカにするヤン係長。
新係長、好感度ゼロ。
~納骨堂~
花束を持って立っているナム・オヒョン。
女性スタッフ「ご連絡をいただいた方ですか?」
オヒョン「はい。無縁供養になっているチョ・ピルドゥさんのお骨がここだと聞いたので・・・」
女性スタッフ「ええ。こちらです。どうぞ」
倉庫のような建物のカギを開けるスタッフ。
オヒョン「ありがとうございます。それから、もし、今後も、私のほかにも、こちらに会いに来た人間がいれば、連絡をもらうことはできますか?」
女性スタッフ「はい、そうします」
簡易に名前を書かれた四角い箱が積まれている中に、チョ・ピルドゥと書かれた箱を見つけたナム・オヒョン。
オヒョン(申し訳ない。20年間、無実にもかかわらず、塀の中にいることになってしまったのに、亡くなったあとでさえ、こんなところに閉じ込められているなんて・・・。本当に申し訳ありません)
深く頭(こうべ)をたれるオヒョン。
『推理の女王2』では、恐るべしキム室長役だったので、ずっと、なにか裏があるんじゃないかと疑ってましたが、いい人でした。ミヤナムニダm(_ _)m
オヒョンが出てくると、テピョンが外で待っている。
テピョン「こちらにいらっしゃると思っていました」
オヒョン「私に、こんなに良くしてくれるのは、ジュニョンのためかね?」
照れるテピョンに、「私は、鋭いんだよ・・・」と、ちょっと得意げに話すオヒョン。
オヒョン「二人はお互いに、同じ気持ちを持っているようだな」
テピョン「私が・・・もっと好きなんです」
頷くオヒョン。
オヒョン「あの子は、ずっと寂しい人生だったんだ。傷つけずに、よくしてやってくれ」
テピョンの肩をポンポンと叩くと、坂道を戻り、帰ろうとするオヒョン。
テピョン「もし、僕が失敗してしまったら、係長様が力になってあげてください」
驚くオヒョン。
オヒョン「失敗とはどういう・・・?」
テピョン「その時がくれば、わかりますよ」
今度は、テピョンが先に、坂道を下っていく。
~ヒョヌの家の地下室~
階段を下りて来たヒョヌ。
ヒョヌ「あんたには、こいつを殺す気力がないようだな」
座り込んでいるイ・ジュニに話しかけるヒョヌ。
ジュニ「お前の思い通りになるつもりはない・・・。他のやつらのことはどうか知らないが、奴はお前の無実を証明するチケットじゃないか。違うか?」
ヒョヌ「だてに記者はやってないんだな。さすがに、切れ者だ」
食事を置くと、立ち上がったヒョヌをみて、檻に張られた金網に近づくジュニ。
ジュニ「ヒョヌや、俺がお前の無実を証明する記事を書いてやる。こいつがお前の父親をどんなにひどい目にあわせたのか、お前が今までどれだけ苦しんできたのか、世間に訴えてやる。」
冷ややかなに、ジュニを見下ろすヒョヌ。
ヒョヌ「そんなことで、俺が感動するとでも?ただ、黙って食え!」
戻っていくヒョヌ。
愉快そうに、ちらりとジュニの方をみるヒョンス。
~カラオケ~
「係長様!!」
ノリノリで歌うヤン係長を、むりやり盛り上げるガンジェとボンスたち。
しかたなく、拍手して付き合うジュニョンが、モロ、顔に出ちゃってるチーム長に、立つように合図を送る。(笑)
ボンスは、それなりに自分で楽しんでるっぽい。
悲しいサラリーマン社会の縮図がそのまんま、繰り広げられてます。。
みんなぐったり。。。
結局、廊下に出て来てしまったチーム長、ジュニョン、そして、買い出しから戻ったガンジェ。
ガンジェ「ボンスがいてくれて良かったです・・・」
チーム長「なんで? お前だって、歌、上手いじゃないか」
ガンジェ「ええい、チーム長様!」
ジュニョン「私は、あんな人間がうちのチームの係長だってことが信じられません・・・」
チーム長「そのとおりだ」
あ~と顔を覆ってしまうチーム長。
そこに、テピョン登場。
テピョン「あれ? なんで、みんなして、ここにいるんですか?」
チーム長「ああ、テピョンさん。いいところにきたな。歌、うまいか?」
テピョン「え??」
なんとかしてきて・・・と首をかしげて、見上げるジュニョン。。
そんなこんなで、酔っぱらったヤン係長の相手を引き受けたテピョン(笑)
ヤン係長「つまり、人の目をみると、その人間の死を見れるってことなのか?」
テピョン「ええ」
ヤン係長「こいつ・・・。じゃ、俺はどうなのか言ってみろ。え? え?」
ただただ、存在がムカつく!(苦笑)
おもむろに、テーブルの上の(ガンジェに買いにいかせた)チキン1羽を、両手でバラバラに割り始めるテピョン。
テピョン「爆弾が爆発して、身体がこんなふうに引き裂かれるんです。これがあなたの死です」
ヤン係長に、鶏の足を差し出すテピョン。
ヤン係長「ば、ば、爆弾?!」
テピョン「ええ。ですから、こんなふうに、ここで過ごしてる場合じゃないと思いますよ。わかります?」
さすが、いつも、大物を相手にしてるだけあって、この程度は朝飯前なのね。
~ヒョヌの家の地下室~
金網にもたれて、ぶつぶつ呟いているイ・ジュニ。
ジュニ「ここを出たら、どんなことがあっても殺してやる。ミジンと同じくらい苦しませてやる」
背後から静かに近寄ってきたヒョヌ。
ヒョヌ「あんたの娘はどのくらい苦しんだと思う? 助け出されるまでに、合計4時間と20分かかった。そして、絞殺するのに、45秒かかったかな。あんたは、あの子がそんなに長い間、苦しんだことを感謝すべきだよな。俺が、あんたの代わりに、あの子を殺した理由をよく考えてみろ。それが、一番、お前が苦しむことになるからだ」
立ち上がるヒョヌ。
涙があふれるジュニ。
~ヒョヌの自宅前~
外階段に沿って、マスコミ各社の人間が座り込みをしている。
パク記者「オ・イェジ、(そうやってると)お前も記者らしく見えるな。さぁ」
差し入れのコーヒーとカイロを手渡す。
イェジ「ありがとうございます。でも、一体、どういう人間なんでしょう。私たちがあんなにドアをたたきまくっても、平然と中にいれるなんて・・・」
パク記者「ほっておけ。どうぜ、食料がつきたら、出てくるしかないんだ」
イェジ「ですね・・・」
パク記者「所詮、奴も人間だ。問題は、それが“いつか”っていうことだ。YBSとセヒョン新聞を見てみろ。あいつらは俺たちに追いついたぞ」
イェジ「(さらに小声になって)ク・ドギョンがチョ・ヒョヌってことですか?」
パク記者「ああ。・・・聞かれるぞ」
周囲を気にするイェジ。
携帯を取り出すパク記者。
パク記者「ああ、なんで、出ないんだよ」
イ・ジュニに電話してたのね。
イェジ「まだ、つながらないんですか?もう5日もたってますね。なにかあったんじゃないですか?」
パク記者「さぁな」
~地下室~
バックパックを背負い、外出着に着替えたヒョヌが、地下室に降りてくる。
やっぱり、あの木箱をどけると、抜け穴があったのね。。。
檻の中で横になっていたジュニが、その存在に気づく。
外階段でマスコミが張り付いているのを横目に、外に出て来たヒョヌ。
小走りにどこかに出かけていく。
~強力班オフィス~
入ってきたヤン係長に挨拶する一同。
ヤン係長「ところで、死がみえるとか言うガキはどこだ?」
ボンス「キム・テピョンさんのことですか?」
ヤン係長「ああ。まだ、きてないのか?」
ガンジェ「コンサルタントですので、毎日出勤するわけではありません」
ヤン係長「あ~、ソ・ジュニョンは?」
チーム長「今日は、父親の忌日ですので、休暇をとっています」
ヤン係長「ああ、そうか。。・・・・何してる、働けよ、情けない奴め」
あ~~~、ナム係長の時とは空気が全然違う。。。
・・・というより、今日は、肝心の11月9日です。
~駅~
列車を待っているジュニョン。
同じホームに、エスカレーターで降りてきたヒョヌ。
離れた位置から、ジュニョンをそっと横目で眺め、うっすらと微笑む。
列車に乗り込んだジュニョン。
ホーム側の通路をヒョヌが通り過ぎたのに気づかない。
ジュニョンの少し後方の席に座るヒョヌ。
携帯の中の、父親と一緒に撮った子供の頃の写真を見返すジュニョン。
そんなジュニョンの、少しだけ座席から見える姿を後方から、じっと見つめるヒョヌ。
ヒョヌ:こんなふうに、君を見るのも今年が最後になるにちがいない。
~回想~
ドギョン(ヒョヌ)「ええ、科捜研の検死チームの者です。もう、病院に到着しました」
出迎えるスヒョン(鑑識課)。
スヒョン「午前4時50分頃、火災の第一報を受けました。被害者はキム・ヘソンさん、35歳女性です・・」
スヒョンの報告を聞きながら、ふと、病院の通路で、電話をしているひとりの女性に目を止めるヒョヌ。
ヒョヌ:もう一度、こんなふうに会えるなんて思ってもみなかった。
忘れもしないジュニョンの姿にくぎ付けになり、スヒョンの言葉など、耳に入らないヒョヌ。
あ、代わりに同僚の女性が全部聞いててくれた。。
スヒョン「では、あちらでお願いいたします」
案内が終わったスヒョンと共に、話しながら、去っていくジュニョンをじっと、目で追い続ける。
ヒョヌ:君が警官になっていたなんて、夢にも思ってなかった。。。
食堂で、ヒョヌがひとりで食事をとっていると、同僚たちと入ってくる制服姿のジュニョン。
雰囲気的には、強力班に配属されることが決まったばかりくらいな感じかな。・・・って、そんな前から、ずっと見守り続けてきたんだ。
ヒョヌ:元気そうにしている君を見て、本当にほっとした。君を見ているだけで、十分、幸せな気持ちになったよ。君に慰められた。君に、死んだりせず、生きるように言われているような気がした。
ロッキングチェアに座り、うたた寝をしているヒョヌが、ぱっと目を覚まし、周囲を見回す。
ヒョヌ:友人を殺した罪の呵責から、僕は睡眠剤なしには眠れなくなっていたのに、君を見た日は、とても平穏に感じたんだ。
ヒョヌ:それが、僕が、夢をみはじめた理由なのかもしれない。
毎日の生活に少しハリが出て来たヒョヌ。
出勤前に、鏡をのぞきこみ、髪を整えてから、“ク・ドギョン”と印字された身分証を手に取る。
ヒョヌ:本当に、ク・ドギョンとして、(これからの)人生を生きても大丈夫なんだろうか?
科捜研の廊下で、ジュニョンを見かけると嬉しくて、それでも気づかれないように、気を使うヒョヌ。
ヒョヌ:他の人のように、ク・ドギョンとして君の側に立ったなら、もっと、君に近づけるのかな?
検死の結果に文句を言いながら、戻っていくジュニョンたち。
ヒョヌ:そんな欲望を持ってしまった。だが、その望みですら、結局、父の過去のせいで、止められた。
キム・ヒョンスの倉庫で、証拠が入った赤い箱を発見したヒョヌ。
人の気配に振り返ると、キム・ヒョンスが立っている。
ヒョヌ:たとえ、気づいても、気づかぬふりをすべきだった。その瞬間を避ければよかった・・・。
襲い掛かってきたキム・ヒョンスを相手に、返り討ちにしたヒョヌ。
ヒョヌ:後悔した。ずっと、後悔し続けた。こいつを逃がしてたら、一体、どうなっていただろう?もし、そうしていたら、人を殺すことを止められたのだろうか?
こんなに長い間、ジュニョンを見つめていたんだ。。。
幸せな時間を夢見たこともあったのに、それでもやっぱり、ヒョヌは、蕀の道に引き戻ってしまったのね。
墓所に到着したジュニョンを遠くから見守っているヒョヌ。
ヒョヌ:君に会えて、幸せだった。
ヒョヌが、そんなふうに、過去の回想の余韻中にいると、突然・・・。
「ジュニョンさん・・・」と花束を持ったテピョンが現れる。
ジュニョン「テピョンさん・・・?」
ヒョヌも、この場所に、テピョンがきたことに衝撃を受ける。
ジュニョン「ここにいるってどうしてわかったの?」
テピョン「ああ・・君の机の上のカレンダーを見て、考え付いたんだ。よく知ってるような数字に思ったから。。。それが、君のお父さんの忌日だった。驚かせたかな?」
ジュニョン「ええ。言ってくれればよかったのに。そうしたら、一緒に来れたわ」
テピョン「平気だよ。ソウルには一緒に帰ればいいんだから」
じっと、固い表情で二人を見ているヒョヌ。
あ~~~~~(涙)
例え、陰から姿を見ているだけであっても、ヒョヌにとっては、年に一度、この日だけは、ジュニョンと二人だけで過ごせる大切な日だったのに・・・。
テピョン「(お墓は)どこなの?」
手で示すジュニョン。
ジュニョン「あ・・・、今年もまた、お花が置いてあるわ。誰なのかしら? この人はいつも私に競うように置いていくみたいだわ」
手向けられた花束を少しずらし、自分の持ってきた花束とテピョンの分を飾るジュニョン。
時に人は意図せずとも、こんな、ごく普通の光景を見せるだけで、他者を奈落に突き落とすことも出来るのね。
その場を立ち去るヒョヌ。
ジュニョン「アッパ・・・。来たわよ。今日は、特別なお客様がいるのよ」
微笑むジュニョン。
テピョンも優しくジュニョンのほうに微笑みかける。
そんな恋人たちの後ろを黒い人影が通り過ぎていく。
こんな孤独な後ろ姿ってある?
ある・・・、悲しいけれど、往々にしてある。。。
~バー~
乾杯するジュニョンとテピョン。
ジュニョン「サプライズイベントね。気に入ったわ。」
にっこりするテピョン。
ジュニョン「アッパに誰かを紹介したのは、はじめてだった。。」
テピョン「そうなの?」
ジュニョン「いつも一人で行ってたんだけど、考えてみれば、一度だって、誰かにお願いしたことなんかなかった・・・。いつも一人だったから、人に何かを頼むのは面倒に感じてたのかも・・。でもね、テピョンさんには、切実に助けを求めたわ。ミジンを助けてほしいと頼んだ時よ。」
目の前の酒を飲み干すジュニョン。
ジュニョン「最後まで、あの子を守ってあげるべきだったのに・・・」
ミジンのことを考えると、涙がにじむジュニョン。
テピョン「ジュニョンさんのせいじゃないよ」
首を振るジュニョン。
ジュニョン「ううん。全部、私のせいのような気がするの。アッパが勤務中に亡くならなかったら、こんなことは起きてなかった。。。前に、テピョンさんに、オンマの写真を見せた時、本当は、どうやってアッパが亡くなったのか知りたかったの。確認したかったの。アッパがどうやって亡くなったのか、聞いたけど、信じられなかった。捜査資料を呼んだときでさえ、理解できなかった。でも、あなたに確認するのはもっとつらくなりそうで、怖かった。」
涙ぐんでいるジュニョン。
ジュニョン「それが、あなたをみることができなかった理由よ。そのうち、誰かの死が見えることがどんなに辛いことなのか気づいたの。」
黙って聞き続けているテピョン。
ジュニョン「テピョンさんが、突然、固まった表情をすると、また、なにか怖いものでも見たのかなって思うの。でも、私を見る時だけは、私だけを見ているんだって思うと、すごいことだなって。。。でも、私の死を見ることができないのも、怖いことだろうなって。。自分のせいで、私が死ぬのを知ってしまったのは、本当に怖いに違いないなって。」
ジュニョンの言葉を遮るように、キスするテピョン。
テピョン「そんなふうに考えないで。今、ここにいることだけに集中して。恐ろしいことは僕の瞳の中だけにとどめておくから・・・」
ジュニョンの涙を指で拭うと、もう一度、キスするテピョン。
~帰りの列車内~
テピョンの肩にもたれて、安心したように眠るジュニョン。
テピョン:なぜ、神は、僕に死を見せることを許したのだろうか? なぜ、君の死だけを見ることができないんだろう? なぜ、もう一度、あの人間に会わせたんだろうか?
さて、ここからは【テピョン視点】です。
今までの回想シーンがどんどん切り替わっていきます。
病院で、ジュニョンとともに、ヒョヌに再会した日。
テピョン:君がなぜ、僕のせいで死ぬのか、考えたんだ。
ヒョヌ「なんで、お前は、たった一度会っただけの女の子の命を救おうとするんだ? ソ・ジュニョンのためなのか?」
テピョン「お前の望みはなんだ?」
ヒョヌ「ソ・ジュニョン?(ソ・ジュニョンだと言ったらどうする?)」
ヒョヌの家の暗証番号が、1109だと知り、それが、ジュニョンの父親の命日だったとわかった時。
忌日当日、ヒョヌが地下室の抜け穴を通って、外に出て来たとき、待ち伏せしていたテピョン。
テピョン:あいつは、間違いなく、君に好意を持っているようだった。そんなあいつが、君を殺そうとしている理由を知る必要があった。
ジュニョンと同じ列車にのり、気づかれないように、その後方に座ったヒョヌを、列車の扉の外から見ているテピョン。
テピョン:それが、君を守ることができる唯一の方法だからだ。
ジュニョンより先に、墓所に到着したヒョヌが、背負ったカバンの中から、花を取り出し、手向ける姿を見ていたテピョン。
テピョン:あいつを見たあとで、わかったんだ。たとえ、どんなに切実に願おうと、どんなに努力をしようと、二人が共に生きる方法はないのだと・・・。
あいつを見たあと、僕は、これは二人の内のどちらかが死ぬまでは終わらないゲームなんだと気づいたんだ。
******************
~ジュニョンの家~
初めて、登場しましたが、かなり古い民家みたいです。。。スヒョンと一緒に住んでるっていうから、女性警官専用の寮みたいなところなのかと思ってた。。
門を開け、庭先に入ると、物珍しそうに見回すテピョン。
ジュニョン「ありがとう。ところで、いつまで、私のあとをついてくるつもり?」
照れ臭そうなテピョン。
テピョン「ちょうど、ここまで! 中に入って」
ジュニョン「お先にどうぞ」
別れがたくても、ジュニョンが中に入るのを見届けてから、門を出てきたテピョン。
今度は、ヒョヌが待ち伏せてました。
ヒョヌ「全て手に入れたなんて、思い上がるなよ。俺に手に入れられないのなら、お前も手にはできない、絶対に。」
テピョン「お前が全部わかってると思うのは止めるんだな。前に、望みはなんだ、と訊ねたよな?お前を殺す理由と、俺が死ぬべき理由を確認したかった。」
テピョン:そして、ようやくわかったんだ。僕が君を愛したせいで、君は死ぬのだ、と。
ヒョヌ「それはどういう意味だ?なんだと?」
本気でわかってないみたい。
もともとの計画ではなく、どこかで狂いが生じたせい?
テピョン「お前は、お前が生きるために殺すと言ったよな? だが、俺は、守るために殺すんだ」
宣戦布告をしたテピョン。
★『ザ・ゲーム:0時に向かって』20話の雑感★
はじめて、ドラマの中で、ゲームという言葉が使われたように思います。
制作陣からの大きなヒントだと思っていいのでしょうか?
そう考えると、ようやく、ここに来て、私がずっとブチブチ書き続けてた、テピョンの立ち位置への違和感の意味が、わかったような気がしてきたんだけど。
まさかだよね。あくまでも、比喩だよね?
世界観を表してるだけだよね?
じゃなければ、前提がわかってなかったってことになるじゃん!私ったら(恥)
(≧口≦)ノ
ああ、今後が、なんだか怖くなってきた。
私は、ただのドラマ好きなんで、ゲームクリエーターが書くような、独特な台本については、良し悪しがよくわからないです。
感情移入も難しいし。
なので、通常のドラマとして、みていきます。
あ゛~、そうでないと、ヒョヌの純情について、まともに書ける雰囲気じゃなくなるもん!(困)
お墓のシーン、私は、ヒョヌに乗り移ったかと思うくらい、彼の立ち位置で見てました。
オ・ソンミン事件で、ジュニョンが直接、自分に電話を掛けてきたとき、耳許の彼女の声にどれだけ、歓喜したのかな?
病院の外のベンチで、親しげに話せたとき、どんなに、嬉しかっただろうな。
でも、その時はすでに、破滅への道を選んだ後なんだよね。
そう、どれだけ後悔しようと、それを選んだのはヒョヌだから。。。