キャプチャーしたいシーンが一杯あって、困ってます♪
いつもの如く、ネタバレOKの方のみ、おすすみください。
ホテル・デルーナ호텔 델루나
【Episode 12】(1)
前回のおさらい
麻姑神「花を咲かせる手助けをし者のことについてはどう思っている?」
表情が硬くなるマンウォル。
麻姑神「あの者を失ったらどうする?」
麻姑神「そなたは、うぬぼれて、バカなことをしたな、マノラ・・・。花が萎れるのを見ても恐れないと言ったか? 違うぞ、お前の花は、お前が恐れるようになった時から、萎れ始めたのだ。」
その言葉に凍り付くマンウォル。
・・・チャンソンが気配を感じて振り返ると、ジウォンが立っている。
ジウォン「会いたかったよ、ク・チャンソン」
~サンチェス宅の庭~
とりあえず、精神的に立て直すマンウォル。
マンウォル「あ~、“どうして、そんなこと言うの?”とか “私、すごく怖いわ” なんて、私が言ったり、花がハラハラと落ち始めた時、あんたが死後の世界に私を引きずり込もうとするのを私が恐怖で震え始める、とか、もしかして、そういうの待ってたりする?」
微動だにせず、聞いている麻姑神。
マンウォル「驚いたりするもんですか。すでに、あんたたちが何を企んでるのか知ってるから。
・・・だから、待つ必要なんかないのよ。今すぐ、ここにあいつを連れてくればいい。そうすれば、一度で終わらせることができて、ついに私も消滅できる。それはまさに、私が耐えなければならなかった無限の時の中で、ずっと私が望んでいたものだから」
麻姑神「ク・チャンソンが、最終的にお前のもとに、あの者を連れてくるであろう」
マンウォル「なぜ、あんたたちは、ク・チャンソンを巻き込み続けるの?(怒)」
麻姑神「この件で、ク・チャンソンを巻き込んだのは、私ではない。安らかに、お前を去らせたいと願っている者がしたのだ。」
え~~~、姉ちゃんたちのせいにする気?
というか、麻姑神って、根っこは同じでしょ。
麻姑神「お前は、1000年もの時を耐え、消え去ることだけを望んでいる。それに引き換えると、ク・チャンソンが支払う代償の大きさは、とても不公平だ。これは、公平でも客観的でもなんでもない。」
マンウォル「私が、彼を引き留めたの。彼は、私の側にいることを選んだ。」
麻姑神「悪いやつだ・・・」
マンウォル「ええ、ええ、このままでいけば、どうなるか知ってるのに、彼を側にいさせる邪悪な魔女よ。」
麻姑神「ああ、ひどすぎる、あまりにも悪すぎる。お前のせいで、あの子は、最も傷つけられた者に会わなければならなくなった」
チャンソンが、生みの母を見送ったときのことを思い出すマンウォル。
麻姑神「あの子(チャンソン)が、おまえのせいで、これ以上、どんな目に合わなければならないか、わかるか?」
さすがに、チャンソンのことを言われると、強気を貫けず、指先の震えが止まらないマンウォル。
麻姑神「お前は、木の葉のように震えておるな。そんな姿を見るのは、まぁ珍しいことよ」
麻姑神を睨みつけるマンウォル。
それだけ言うと、立ち去る麻姑神。
拳を握りしめるマンウォル。
~バー・アンダーグラウンド~
ジウォン「チャンソンだよな?俺を覚えてるか?ボストンで一緒だった ソル・ジウォンだよ」
チャンソン「ああ、ソル・ジウォン。おまえだったか」
ジウォン「ところで、なんでここに来たんだ? あ~、サンチェスが俺のことを話したのか?それとも、ミラさんかな?」
頭の中で、ものすごく計算しながら、「いや、違う人からだよ」と答えるチャンソン。
チャンソン「その人は、お前を見かけたと言ってたんだが、お前が(本当に)ここにいるのを見て、驚いたよ。」
ジウォン「へぇ、そうなのか?」
CCTVで、ユナとチャンソンが話している映像を思い起こすジウォン。
ジウォン「お前が俺に会いたくて、来たわけじゃないことはわかってるんだ。で、なんで、ここに来たんだ?」
チャンソン「お前、ロースクールに入るために、韓国に戻ったって聞いてたが、もう辞めたのか?たしか、お前の親父は判事だったと言ってたよな。親父さんは、お前を諦めたのか?」
なんか、チャンソンが挑発してる。。。
ジウォン「あきらめたわけじゃないが、親父は死んだんだ。それで、今は、自分がやりたかったことをしてるだけさ」
ああ、お父さんも殺したのかな?
チャンソン「やりたいことってのは、実際にはどんなことだ?」
警戒するジウォン。
一瞬、火花が散ったあと、指をならすチャンソン。
チャンソン「ああ、ワインだろう?」
テーブルの上に置かれたワインを手に取ると「うまいワインがあるんだろうな」と席に座り、さっきまで、ジウォンが飲んでいたグラスの香りを嗅いでみせるチャンソン。
チャンソン「俺にも、グラス、もらえないか?」
ジウォン「そうか、そうしようか」
ジウォンがその場を離れると、じっと傍らにいた女性の幽霊に、「あの人間ですか? あなたを殺したのは・・・」と小声で確認するチャンソン。
頷く幽霊。
もう、悲惨な姿の幽霊を見ても、怖れることのないチャンソン。
カウンターで、デキャンタにワインを注いでいるジウォン、チャンソンの様子を窺いながら、引き出しをあけると、薬やら、注射器やらが一杯。。
ワインのデキャンタを持って、席にくると、チャンソンの姿がない。
店の一画にひかれたカーテンに、隙間があるのに気づく。
ジウォンの手から、グラスが滑り落ちる。
カーテンに仕切られたバンケットルームに入り、置かれた鏡の前に後ろ向きに立っているチャンソン。
静かに、その中に入ると、カーテンをきっちりと閉めるジウォン。
後ろ手には、薬のはいった注射器を忍ばせている。
ゆっくりと、チャンソンに近づくジウォン。
ジウォン「ここで、なにしてる?」
振り向くチャンソン。
チャンソン「お前はどうなんだ? ここでお前は何をしてる?」
じっと、チャンソンの出方を見ているジウォン。
チャンソン「お前の娯楽は、人を殺すことか?」
チャンソンに注射器を突き付けようと、攻撃の手を緩めない。必死でおさえ、ジウォンを殴りつけるチャンソン。
激しい取っ組み合いのさなか、床に落ちる注射器や携帯。
再び、注射器を拾い上げたジウォンが、チャンソンにむかっていく。
~マンウォルの執務室~
《おかけになった電話はおつなぎできません。どうか、メッセージを・・・》
チャンソンに電話をかけているマンウォルと、側に控えているソフィ。
マンウォル「なぜ、電話に出ないの?」
不安になるマンウォル。
マンウォル「もう一度、チャンソンの家に行ってみるわ」
焦るマンウォルを引き止めるソフィ。
ソフィ「社長様は、もう何度も行ったり来たりされてます。(きっと)支配人様はおいでになります」
マンウォル「私たち、会う予定だったのに、現れなかったし、電話にも出ないのよ。変じゃない!今、どこにいるか把握して、探しにいかなきゃ・・・」
ソフィ「事情があるんだと思います。なぜ、そんなに不安になられるんですか?」
そう、ソフィに言われても、明確に言葉にできず、溜息をつくばかり。
麻姑神≪花を咲かせる手助けをした者のことについてはどう思っている?あの者を失ったらどうする?≫
マンウォル「気分悪くなるようなことを聞いたのよ。・・・・やっぱり、探しに行くわ」
ソフィ「社長様・・・」
部屋を飛び出すマンウォルを追いかけるソフィ。
一方、チャンソンのことが気になるユナも、電話をかけ続けている。
ユナ「なんで、電話に出ないの?」
つい、ジウォンのバーに戻ってきてしまったところ、人だかりがしているのに気づく。
~ホテルデルーナ フロント~
居眠りしているヒョンジュン。
ユナからの電話にでる。
ヒョンジュン「もしもし」
ユナ「どうしたらいいの?」
いきなり泣きわめくユナ。
ヒョンジュン「どうしたんだ? ユナ?」
ユナ「たぶん、ク支配人様がケガをしたんだと思う・・・。もし、死んじゃったらどうしよう」
ヒョンジュン「なんだって?」
~デルーナ ロビー~
ソンビ「3番目が死んだって?」
ヒョンジュン「殺人犯を捕まえようとして、亡くなったんだと思います」
おいおい、なぜ、そうなる(苦笑)
ちょうど、ロビー階におりてきたマンウォルとソフィ。
ソンビ「チャン社長、チャン社長・・・。大変です。ク支配人が死にました」
マンウォル「え?」
マンウォルだけでなく、ソンビもソフィも、固まる。
ヒョンジュン「ユナが、お客様たちを殺した犯人を見つけたいと言って、車を追いかけたんですが、ク支配人は、ユナに、あまりにも危険だからといって、ご自身で行かれたんです」
マンウォル「バカなこと言わないで。なんで、ク・チャンソンが死ぬのよ?」
ヒョンジュン「ユナが、救急車で連れていかれるところを目撃したようなんです」
ふらつくソフィ。
じっと、ヒョンジュンを見つめるマンウォル。
~ホテルデルーナ フロント~
疲れ切った様子で、ホテルに入ってくるチャンソン。
誰もいないフロントをみて、自分でエレベーターに向かう。
~ロビー~
ヒョンジュンに向かって、「詳しく説明しなさい」と命じるマンウォル。
目がマジです。。
マンウォル「何が起きたの?」
涙をふくヒョンジュン。
マンウォル「泣いてるんじゃないわよ!!」
掴みかからんばかりに、大声をあげるマンウォル。
その時、エレベーターが開き、チャンソンが現れる。
ソンビ「ク支配人?」
その声に、エレベーターのほうを見るマンウォル、チャンソンの方に一歩ずつ歩み寄る。
恐る恐る近づき、チャンソンの、頬、心臓に触れていくマンウォル。
伏し目がちに、ゆっくりと後ろを振り返り、カッと目を見開くマンウォル
マンウォル「チ・ヒョンジュン、お前、××××、×××」
とてもお子様には聞かせらない罵倒語を浴びせながら、掴みかかっていくマンウォルを必死に止めるソンビ。
ソンビ「チャン社長! 落ち着いて! チャン社長」
マンウォル「この××××! お前が・・・」
逃げるヒョンジュン、ぼうっと立っていたチャンソンに飛びつく(笑)
ヒョンジュン「死んでなかった・・・。本当に良かった・・・」
なんだか、ものすごい騒ぎになっている様子に、若干、不安そうに、マンウォルのほうを見るチャンソン。
チャンソン「????」
ハイヒール脱いで、投げつけようとしたまま、停止していたマンウォルが、ようやく、腕を降ろし、茫然自失状態。
何も言わずに、片方だけ、靴を履いた状態で、引き揚げていく。
近寄ってくるソンビとソフィ。
ソンビ「生きてたんだな」
チャンソンの胸を、ドンと叩くソフィ。
ソフィ「お客様になって、ここに来たのかと思いましたよ!」
二人とも、泣きべそです。。。
チャンソン「え? お客様・・・」
何がなにやらわからず、ソンビには抱きつかれ、ソフィには叩かれるチャンソン。
~スカイバー~
ヒョンジュン「一人で殺人犯に会いに、そこに行かれて、誰も連絡がつかないところに、(その場所で)誰かが大怪我を負ったと聞いたんです。てっきり、ク支配人様だと思いました」
ようやく、理由がわかったチャンソン。
チャンソン「十分、危険なことはわかっていたので、ただ、やみくもに危険に踏み込んだりはしなかったんです。すでに、知人の警察官に電話をしておいたんです」
~回想~
ジウォンが馬乗りになって、注射器をチャンソンに突き立てようとしているときに、銃をかまえたヨンスが店に入ってくる。
ヨンス「動くな!」
ソンビ「よくやった! それじゃ、大ケガをしたのは誰なんだ?」
チャンソン「犯人です」
~回想~
ヨンス「ソル・ジウォンさん、あなたを殺人容疑で緊急逮捕します」
銃を構えながら、逮捕理由を告げるヨンス。
じりじりと、後ろに下がるジウォン。
置いてあったワインの瓶を割ると、ヨンスのほうに向ける。
ヨンス「下におろしてください」
ニヤリと笑うと、自分で自分の首元を傷つけるジウォン。
チャンソン「彼は今、危機的な状態ではないので、自分がしたことを生きて償うことになるでしょう」
急に、チャンソンに捕まり、「ああ、本当に良かった」と腕につかまりながら、一息つくヒョンジュン。
ヒョンジュン「さっきは、僕も支配人様が本当に、客としてきたのかと思って、ものすごくショックをうけましたから・・・」
ソンビ「私は、彼を見た途端、客じゃないとわかったぞ」
ソフィ「ちがいます。そうじゃありません。泣いてたじゃないですか。涙を拭いてるのを見ましたよ」
ソンビ「鼻水だよ。チェ客室長こそ、膝が震えてたじゃないか」
笑みを浮かべるチャンソン。
チャンソン「皆さん、ご心配をおかけして、申し訳ありませんでした。それと、心配してくださって、本当にありがとうございます」
ソンビ「支配人のおかげで、我々の死んだ心臓も、連打しまくったよ。ドキドキした。チャン社長はカンカンに激怒してるから、それからも生き残らなくては・・・。さぁ」
手を合わせる3人が、チャンソンにも手を重ねるように、促す。
一同「よ~し、ファイティン!」
笑顔になるチャンソン。
こんな日がくるとはねぇ。
~マンウォルの部屋~
さ~て、肝心の恋人のご機嫌とりが待ってます。
シャンパンを片手に入ってきたチャンソン。
チャンソン「チャン・マンウォルさん。・・・・どこに行ったんだ?」
部屋の中はもぬけのから。
チャンソン「機嫌悪いと思ったから、持って来たんだけどな」
その時、両手に袋をぶらさげて、部屋に戻ってきたマンウォル。
チャンソン「チャン・マンウォルさん、どこかに行ってたんですか?」
マンウォル「・・・・・・」
チャンソン「買い物ですか?」
マンウォル「チャンソン、座って・・・」
袋から、ザザザ~っと、消毒液やら包帯やら、大量にテーブルにぶちまけはじめるマンウォル。
チャンソン「薬局に行ったんですか?」
マンウォル「そうよ、ここには人間を治療するものなんか、ないから」
チャンソン「薬局全体を一掃してきたんですか?」
マンウォル「いいから、座りなさいってば! ほら、見せて」
ジウォンと争った時についた、額の切り傷や頬、手の甲の傷も確かめるマンウォル。
マンウォル「こんなに傷つけて・・・」
マンウォルの真剣に心配している様子が、たまらなく嬉しくて、笑みを隠せないチャンソン。
それどころじゃないマンウォル。
マンウォル「一体、どれをつけたらいいの?」
確かに、今風のケガの手当てなんて、したことないだろうからね。
たぶん、マンウォルの時代だったら、酒をふきかけて、布で縛って、はい、終わり!みたいな・・・。
マンウォル「一番高かったのを付ければいいわよね」
ちゃんと、マンウォルがやりやすいように、ちょこんと座りなおすチャンソン。
チャンソン「い、痛い・・・」
マンウォル「痛い? ちっ、この軟膏は良くないわね」
チャンソン「見せてみて」
効能書きに目を通すチャンソン。
チャンソン「ちょっと待った! これは、便秘のときの軟膏じゃないですか」
マンウォル「え?あ、ごめん。あなたの顔にお尻のための軟膏をつけちゃった・・・」
力なく笑うチャンソン。
マンウォル「ちょっと、こっちに」
唾をつけて、拭きとろうとするマンウォル。
チャンソン「ああ、いいですよ。肛門に効くなら、顔にも効くでしょう」
マンウォル「お尻の穴と顔は同じじゃないわよ。それ、返して。別の軟膏を塗るから」
薬を探しているマンウォルに話しかけるチャンソン。
チャンソン「驚きましたか? 僕が死んで、客としてこのホテルに来たかと思って・・・?」
動きを止めるマンウォル。
チャンソン「どうして、あなたともあろう人が、他の人たちのように、混乱したり、驚いたりしたんですか」
マンウォル「・・・・怖かったからよ。世界中が真っ暗になったみたいに、怖かった」
マンウォルの素直な言葉に、ぐっとくるチャンソン。
マンウォル「たとえ、どんなにお金がほしくても、こういう間違いは犯したことがないのに、あんたが、私をバカみたいにさせるんだわ。 スタッフみんなも見てる前だっていうのに・・・。ああ、恥ずかしい! んもう、これは何なのよ、まったく!」
薬にあたりちらすマンウォル(笑)
そろそろかな、チャンソンが動くのは・・・?
マンウォル「待ってなさい。 現世で薬剤師だったお客様を探してくるから・・・」
はい、動きました。
立ち上がるマンウォルの手首を掴み、少しずつずらして、手を握るチャンソン。
このずらしかたに、きゅんきゅんする私って変?
チャンソン「あなたもかなりショックを受けてるみたいですね。薬をあげましょうか?」
マンウォル「なによ?安定剤かなにか持ってるの?」
立ち上がり、マンウォルを抱きしめるチャンソン。
チャンソン「すごく驚いたでしょう・・」
優しく背中をトントンする。。。
軽く横眼で睨むマンウォル。
マンウォル「あんた、薬師なの?」
チャンソン「あなたの面倒をみることになってますからね」
ちょっとだけ身体をチャンソンに預けるマンウォル。
麻姑神≪お前の花は、お前が恐れるようになった時から、萎れ始めたのだ。≫
あ~~~、これってものすごい呪縛の言葉なのね。。。
チャンソン「いいニュースもあるんですよ。あなたのヨヌ・・・あ、パク・ヨンス刑事が、犯人を捕まえたんです。おそらく、昇進すると思いますよ」
笑顔を見せるチャンソンを、不思議そうに見るマンウォル。
~バー・アンダーグラウンド~
現場検証中のヨンス。
同僚「被害者を殺害するのに使った薬品と注射器を見つけました」
ヨンス「ワインを輸入する際に、薬物も違法に密輸していたんでしょう」
同僚「これが、他人を呪う“Helllo”とかいうウェブサイトか・・・」
Hellloのラベルが貼られたワインを見ている同僚。
同僚「ウェブサイトから、ソル・ジウォンを割り出したのか?」
ヨンス「実は・・・情報を受け取ったんです」
~回想~
車の中で、昼食のパンを食べながら、電話に出るヨンス。
「誰ですって? 死んだイ・ドヨンさん?」
≪うちの主人は犯人じゃありません。殺人犯は、今ここにいます≫
「いたずら電話はやめてください・・・」
≪血、血です。犯人は、被害者から血のサンプルを集めてるんです。お願いですから、ここに来てください。ここは危険な場所です≫
~現場~
ヨンス「被害者から、血が抜き取られたという情報は、一般には公開されてません。それがどうにも気になって、ここに来てみたんです。そして、ここで、本当に血を発見しました」
同僚「本当に悪魔みたいな奴だな。収集した血を、自分のワインボトルと一緒に飾ってた」
ヨンス「でも、私に電話をしてきたのは、誰だと思いますか? 死んだ女性が本当に電話をかけられるはずもないし・・・。本当に変ですよ」
~マンウォルの部屋~
マンウォル「そんなふうに、自分の身体に、幽霊を乗り移らせたらだめよ。約束して。私のいないところで、そんなこと絶対しちゃだめだからね。」
チャンソン「あの幽霊は、通報して、証拠を集める手伝いをしてくれただけなんです」
マンウォル「これ、持っていきなさい。今日は家に帰って、ゆっくり休みなさい」
チャンソン「薬屋になったみたいですね。・・・これ、なんですか?」
マンウォル「マッサージ機よ。寝る前に、こうやって首に押し当てるの、よく効くわよ。こっちは、アイマスクで、シャンパンも入ってるわ。あ、これはキャビアよ。あんたも知っての通り、すごく高いんだからね。味わって食べなさい!」
おかしくて、仕方がないチャンソン。
チャンソン「なんか、あなたの好物ばっかり、くれるみたいですね」
「今日は荷物があるから、私の車の一台に乗って・・・いいわ、一台をずっと運転し続けるべきね」
「本当に? じゃ、あの赤いの。 赤いのをもらってもいいですか?」
「え?・・なんでよ? あんた、赤が好きだった? 赤は好きじゃないわね」
「好きですよ」
「そうなの・・・?」
うんうんうん、と頷くチャンソン。
「そう・・・。そうなの・・・。じゃ、赤い車を運転すれば? 1台きりの赤い車なんだけど・・・。乗ればいいじゃん」
拗ねながら、渋々、鍵を置くマンウォル。
チャンソン「ありがとうございます・・・・。これ、あの車のカギじゃないですよ。こっちですよ、ほら、むこうの・・」
完全に、嫌々、渡すマンウォル。
チャンソン「死にかけてみるのもいいものですね。じゃ、乗っていきますね」
「冗談だったの?」
「試したんですよ。赤い車と僕。 僕の勝ちです」
「それが茶色の車だったら、あんたは失くしてたわよ」
「あなたのお気に入りが、あの赤い車だって知ってますからね。赤い車を破ったってことは、全部を破ったっていうことです」
「あんたが、(そこまで)ハーバードからきたずるがしこい蛇だったなんて思ってもみなかったわ」
悪態はついても、赤い車を返せとは言わないマンウォル。(笑)
チャンソン「何回か、警察に行かなければならないと思っています。幽霊を巻き込むことなく何が起こったのかを説明するために、今度ばかりは、本当にハーバードから来たずるい蛇にならないとなりません」
マンウォル「どっちにしろ、ヨヌにはキツイことよね。幽霊から情報を受け取るんだから。あの子はすごく怖がりで、幽霊を見たら、本当に怖がるわ」
チャンソン「ヨヌはそうだったんですね?幼いころから、一緒に育ってきたんですよね」
マンウォル「ヨヌのお母さんが私を育ててくれたの。すっごく小さかった時に、荒野で死にかけてたんだって。通りかかった商人が助けてくれた。そして、ヨヌのお母さんが私を引き取ってくれたの。でも、ほどなくして、彼女は亡くなってしまった。ヨヌと私は、お互いが兄であり、姉だった。そうやって、生きて来たのよ。あいつ、器用だったから、私の分まで服を作ってくれた」
想いにふけるマンウォル。
チャンソン「今は、警察官として、いい人生を送っていると思いますよ」
マンウォル「私が、自分の過去について話すのは、はじめてだったよね」
チャンソン「ええ、そうですね。たぶん、花が咲いて・・・」
マンウォル「終わりの時が近づいてる・・・」
同時に、言葉を発し、見つめ合う二人。
動揺を悟られたくないチャンソンが、「もう帰ります」と席を立つ。
残された大量の薬に気づき、声をかけようとして、止めるマンウォル。
~ロビー~
ショックを受けたまま、ソファに座っているチャンソン。
マンウォル≪終わりの時が近づいてる・・・≫
どうしていいのかわからず、頭をかかえてしまうる。
マンウォル≪私によくし続けて・・・そして、私を見送って。麻姑神が望んでいるとおりに≫(5話(2))
麻姑神≪お前さんはいい仕事をしなければならないよ。花が咲きそうだね。彼女が旅立つのを見届けなければならないんだ≫(7話(3))
モンシク≪チャンソン君が最後に見送らなければならないお客様って誰なの?≫(11話(3))
マンウォル≪あんたが見送る最後の客になるはずよ。私を見送る時、寂しく思わないで≫(5話(2))
今までのことを思い返し、目を伏せるしかないチャンソン。
まだ、チャンソンにも、よくわからない時期から、全てレールは敷かれていたのね。
その姿を離れたところから、そっと見つめているマンウォル。
★『ホテルデルーナ』12話(1)の雑感★
麻姑神シスターズ、それぞれの役割分担が素晴らしい。
小憎らしいけど、4番目のキツイ言葉も正論として、認めざるを得ないところもあるよね。
私は、トータル的には、慈愛の長女に軍配をあげたいですが、一番好きなのは、もちろん、ラブリーピンクさんです(笑)